ネブカドネツァル王はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴに対して血相を変えて怒り、炉をいつもの七倍も熱く燃やすように命じた。そして兵士の中でも特に強い者に命じて、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴを縛り上げ、燃え盛る炉に投げ込ませた。彼らは上着、下着、帽子、その他の衣服を着けたまま縛られ、燃え盛る炉に投げ込まれた。王の命令は厳しく、炉は激しく燃え上がっていたので、噴き出る炎はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴを引いて行った男たちをさえ焼き殺した。シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの三人は縛られたまま燃え盛る炉の中に落ち込んで行った。間もなく王は驚きの色を見せ、急に立ち上がり、側近たちに尋ねた。「あの三人の男は、縛ったまま炉に投げ込んだはずではなかったか。」彼らは答えた。「王様、そのとおりでございます。」王は言った。「だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」ネブカドネツァル王は燃え盛る炉の口に近づいて呼びかけた。「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、いと高き神に仕える人々よ、出て来なさい。」すると、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴは炉の中から出て来た。総督、執政官、地方長官、王の側近たちは集まって三人を調べたが、火はその体を損なわず、髪の毛も焦げてはおらず、上着も元のままで火のにおいすらなかった。ネブカドネツァル王は言った。「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をたたえよ。彼らは王の命令に背き、体を犠牲にしても自分の神に依り頼み、自分の神以外にはいかなる神にも仕えず、拝もうともしなかったので、この僕たちを、神は御使いを送って救われた。
わたしは命令する。いかなる国、民族、言語に属する者も、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をののしる者があれば、その体は八つ裂きにされ、その家は破壊される。まことに人間をこのように救うことのできる神はほかにはない。」こうして王は、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴをバビロン州で高い位につけた。