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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4953号】荒野の声

2021年7月17日

東日本大震災を経て、聖書を読み進めて行く中で、アモス書が「あの地震の二年前に、イスラエルについて示されたもの」(1・1)と語り始めていることに興味が湧いた。アモス書は何故、預言を地震と結び付けて記すのだろう。▼アッシリアに滅ぼされる前の最後の繁栄を享受していた北王国では、文明の爛熟期にあって、不正と偶像がはびこっていた。そのような中でアモスは、山々を造り、風を創造した神は、「地の聖なる高台を踏み越えられる」(4・13)方であると語った。しかし、偶像を凌駕する天地の創り主を示す言葉は民に届かず、アモスは活動を阻まれて行く。▼人間が偶像を拝む時、それが刻んだ像であると気づいていることは稀だ。むしろ、真の神を拝んでいると信じて疑わないで偶像礼拝に陥る。そこに、御言葉を聞き立ち返ることの難しさがある。アモス書は、高台のある地が揺るがされる経験を、人々が預言と真剣に向き合うきっかけになり得るものと受け止めたのではないだろうか。▼東日本大震災10年を迎えた。引き続き復興に向け祈りを合わせると共に、自らの中にある不正と偶像に向き合い、主に立ち返る時としたい。

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