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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4944・45号】第41総会期第11回常議員会

2021年2月27日

「日本基督教団の教師論」を可決

第41総会期第11回常議員会が2月8日、オンライン会議で、常議員30名中29名が出席して行われた。

総幹事報告において、秋山徹総幹事は、コロナ禍への対応について報告する中で、「延期した第42回教団総会は、21年10月26〜28日となったが、状況によっては検討の余地も残している。教区選出議員は、7月開催予定の常議員会で承認する」と述べた。また、「教団のメディア戦略」として、専門家に相談しつつ、カナダ合同教会からの伝道指定献金を用いて、スタジオ設置構想の検討を開始したことを報告した。教団三局については、「機構改定、コロナ以降の体制に鑑み、適正な職員の配置数を図って行きたい」と述べた。

質疑応答の中で、教団総会を開催しなかった場合にホテルに払う1千万円前後の違約金について問いがあった。道家紀一総務幹事は、これまでは違約金を決めることはなかったが、コロナ禍で、総会を1年後に延期する際、違約金について文書化したことを説明した。

熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援委員会の報告では、服部能幸監査委員が、委員会会計が適切に処理されていることを報告した。日下部遣志九州教区議長が、全ての支援が終了したことを受けて感謝を述べ、教区から教団の救援基金に1千万円感謝献金する旨を告げた。

伝道対策検討委員会報告と伝道推進室報告では、教団が『信徒の友』を買い取り、小規模教会への支援として配布すること、また、出版局の書籍を教師検定試験受験者に配布すること、そのための献金を募ることが検討されているとの報告があった。

「日本基督教団の教師論」承認に関する件では、教師養成制度検討委員会がまとめ、前常議員会で報告承認された「教師論」を「確定し、公けにする」ことが提案された。

「何故、コロナ禍の中で決めるのか。これを決めて何に使うのか」との問いがあり、菅原力教師養成制度検討委員長は、「2011年からの繋がりの中で出て来たことであり、教団が神学校と教師養成について話し合う際、教師論を言葉として提示することが重要」と説明した。「信仰告白・教憲の解釈が入り込む故、教団総会で扱うべき」、「教師論が常議員会に出されたのは2019年度であり、この件についての論議は充分ではない」などの意見がある一方で、「解釈ではなく、教憲が述べていることを整理して提示した。総会から委ねられた委員会が報告をしつつ進めている」との意見があった。

継続審議の動議が出されたが、動議は28名中賛成3名で否決、議案を24名の賛成で可決した。

教団機構改定に関する件では、第42回教団総会に提案する教団機構改定案を作成するため、2021年度の各教区総会に「教団機構改定に関する検討資料」及び、資料についてのQ&Aを配布し、意見を集約することを可決した。

伝道資金運用に関する件では、西東京教区から申請の修正があったことを受け、交付額を各教区、申請額の89%だったものを92%とすることを可決した。

財務に関することとして、第3次補正予算(案)を可決した。経常会計、事業活動収支の部では、収入の「献金」の款が、会堂共済組合から120万円、解散が承認されている神愛教会から198万9057円の献金があったことにより増加。一方、支出では、「常議員会費」が出版局についてのコンサルト料などで増える他、「渉外費」がコロナ禍や災害の見舞金で増えることにより、収支が320万6243円の赤字となる。投資活動収支の150万円の黒字を加えて、経常会計全体で170万6243万円の赤字となる。ただし、コロナ禍による活動の減少により、委員会費の執行率が低いことから、決算では黒字となる可能性がある。

(新報編集部報)


出版局検討チームの報告を聞き、協議

常議員会後半のセッション冒頭、出版局に関する協議会が開催された。これは、出版局の現状に関し、経営改善検討チームの報告をもとに協議をするものであった。

まず、検討チームの報告が加藤真澄氏からされた。加藤氏は自身について「中小企業再生支援協議会という国の組織において、これまで50社以上の中小企業の事業再生計画の立案に関わった経験がある」と紹介した。

用意された報告書の内容は、大きく分けると⑴「事業全般の分析」、⑵「収益性分析」、⑶「窮境要因とその可能性」、⑷「売上/営業利益予想」の4項目。

⑴の報告の中で加藤氏は、出版局の組織体の中で、経営責任を取る組織体、会議体が明確でないという点を指摘した。それは、誰も数値を見て責任を取るということがなされていないということでもあると続けた。

⑵の中では、前提としてのデータ管理について、データの集約がされていないという大きな問題があるとの指摘があった。そこから、『信徒の友』と一般書籍の売り上げの低下率が大きく、神学書、注解書や讃美歌、また、学校の教材の売り上げは比較的安定している点を報告した。そして全体でいうと、出版数が増えれば売り上げも上がる傾向があるとした。

⑶の中では、人員の確保、育成、保持の必要性が語られた。専門知識が必要になる出版局の特性を踏まえ、できる限り傷病休業者を出さないような環境づくりや配慮の必要性があるとした。そのために、セーフティネットの構築があっても良いのではないかと加えた。

⑷では、価格改定、特に多少の値上げがあっても良いのではないかという指摘と、出版局に販売促進を丸投げするのではなく、教会の現場での積極的なアピールの必要性を説いた。全教職、全教会の7割が一冊書籍を購入するだけで大きく売り上げは上がると指摘した。

今後の課題として、組織として意思決定の明確化、業務内容の効率化、経営モニタリング機能の必要性という3点について強調した。また、常議員会の課題として、出版局の働きが伝道なのか、収益事業なのか、その中間なのか、その明確な判断が必要だとした。

これらの諸報告に対し「最後に挙げた今後の課題は実現可能なのか」という問いが議場から出され、加藤氏は「可能である」と答え、「人件費の削減についてどう考えるかという」問いに対し、「労使の問題もあろうが、本来であれば業績に応じた給与が支払われるべきだが、今後の課題だ」と応じた。

最後に、石橋秀雄議長が加藤氏に謝意を表し、継続的な助言の必要性を請うた。また、常議員会として報告を重く受け止め、第三者協議会と経営改善検討チームと協働しつつ議論を重ねていきたいとコメントした。

(小林信人報)

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