神の備える未来に向かって
四国教区議長 黒田若雄
四国教区では、昨年夏、財務部が中心となり各教会・伝道所にアンケートを実施した。急激な少子高齢化やコロナウイルス問題に向き合う中で、教区に何を期待しているのか受け止めるためであった。
アンケートの回答にあった教区への期待は、互助制度の充実や教区全体で伝道を展開する方向性の明示等であった。それは、これまでの教区の歩みを踏まえつつ、更に教会間の連携を深め、厳しく見える四国の現状の中で、粘り強く伝道を展開していきたいという教会の願いであると思う。
アンケートの中に、「十年後の教会がどうなっていると思うか」という質問があった。教会の率直な声を聞くために入れられた質問であったが、その回答は大変意外なものであった。勿論、厳しくなるという予想は共通であった。しかし、所謂「小規模」教会を中心に、「神に支えられて歩んでいると思う」、「その時々の必要を満たされていると思う」との回答が多かった。
この回答に触れ、考えさせられた。各教会は、現実を直視していないのではなく、これまで大変厳しい現状を歩む中で、神にのみ支えられて歩むという経験を積み重ねてきている。それが、厳しい見通しでも、前を向いて歩む思いに繋がっている。そして、こういう回答もあった。「コロナ禍で、懸命に礼拝を献げた私たちの姿が、十年後の教会の礎になっていてほしい」と。
今、教区も各教会も、想像もしなかった現実の中で歩んでいる。見通しを持つことも難しい。しかし、だからこそ、私たちはこれまで以上の深さで、「神に支えられる」経験を積み重ねているのではないか。そうして、神の備えたもう未来に向かって歩み続ける教会を全力で支えていく、そこに教区の使命があることを強く思わされている。