教師養成制度検討委員会 「日本基督教団の教師論」を提示
第41総会期第9回常議員会が10月26日に常議員28名が出席して行われた。三役、総幹事、幹事、一部の常議員が事務局に集い、多くの議員はオンラインで出席した。
総幹事報告において、秋山徹総幹事は、冒頭、各教区が努力しつつ教団総会議員の選出を行ったことに対する感謝を述べた。また、コロナ禍への対応について触れ、「2021年度版教団年鑑」を休刊としたものの「便覧」の発行を予定していること、41総会期の諸報告は、1期2年間の活動報告を行い、延期された1年間は「補遺」を考えていることなどを報告した。
教団三局については、退職者が出た後、職員の採用は行わず暫くは自然減を続けること、コロナ禍の財政状況に鑑み、幹事の夏期一時金を減額したことなどを報告した。
青年伝道については、「教団メディア戦略」について、ユーチューブなどで発信するスタジオ構想を検討していることなどを報告した。
質疑応答の中で、会議における書面決議の有効性について質問があり、秋山総幹事は、「幹事のレベルでは協議しているが、正式なルートに乗せて協議はしていない。既に終わった会議については、有効なものとして進んでいる」と述べた。
教師養成制度検討委員会の報告では、菅原力委員長が、教団の教師論を明らかにした3頁にわたる文章「日本基督教団の教師論」を報告した。芳賀力東京神学大学学長は、「記されているのは最も基本的なこと。神学校と教団が共通の土台に立てるように、更に展開してほしい」と意見を述べた。また、「二種教職制、沖縄教区のことはどう反映したのか」、「合同教会の教師論として相応しいのか」、「信徒についても言えることであり、具体的な職能を記すべき」等、様々な質問、意見が出された。菅原委員長は、「教師をめぐる諸問題を反映するものではなく、信仰告白・教憲が記す一番大事な部分を共有するためのもの」と述べた。
石橋秀雄議長は、教団として丁寧に扱い決議することが重要との判断から、「今回は報告承認とし、2月の常議員会に三役から議案として出した上で諮る」と述べた。
教団伝道対策検討委員会報告においては、岸俊彦伝道推進基本方針展開検討小委員長が全国伝道推進献金の報告と、一巡した『信徒の友』への掲載を、費用負担を減らした形で継続することを報告した。久世そらち機構改定検討小委員長が、来年の総会までに機構改定の理解を深めるために『教団機構改定に関する検討資料』についての「Q&A」を作成すること、作成したものをホームページに公開し、順次内容を追加して行くこと等を報告した。
第42回教団総会に関することとして、教団総会準備委員会から、2021年10月26〜28日、池袋・ホテルメトロポリタンで、ホテルが実施する6割の人数制限に従い、2会場をリモートでつなぐ形で実施することが提案された。「ホテルを使用せず、各地域をオンラインでつないで開催しては」との意見も出されたが、提案の通りに可決した。(新報編集部報)
財務関連:第2次補正予算、教区負担金10%を削減
財務関連の議案は2020年度第2次補正予算、2021年度予算さらに2021年度伝道資金運用の件が取り扱われた。
まず第2次補正予算について宇田真予算決算委員長は、本補正予算が教区議長会議において負担金の減免を求める声が多数あがったのを受けて編成したものだと説明。教区負担金が一律10%、金額にして2417万6600円が削減される。その結果、経常会計の事業活動収入計は教区負担金削減分が減少し2億7753万8400円となる。支出については、多くの会議がオンラインで行われたことから常議員会費や委員会費等を当初予算比で60%減としたのに加えて、総幹事および幹事の夏の一時金受け取り辞退または50%減額の申し出により人件費を222万円削減。こうした支出の圧縮によって負担金10%減が実現した旨が報告された。
以上から事業活動支出計は2億7716万2000円。差益は第1次補正予算の1627万3500円から37万6400円に減少した。
次に2021年度予算案ではコロナ禍の影響が続くことを勘案し収入の部では教区負担金を7%、支出の部では引き続き会議がオンライン中心になることを見据えて常議員会や委員会に関わる多くの費用項目で50%削減とした。20年度第2次補正予算と比べて削減幅を縮小したのは、今後諸活動が可能となる状況も考慮したためである。そのほかNCCへの分担金を前年度より10%削減し648万円とした。以上から21年度予算の事業活動収入計は2億8098万1840円。支出計は2億7913万3500円。収支差額は184万8340円の差益となる。
20年度第2次補正予算ならびに21年度予算はともに賛成多数で可決、成立した。
2021年度の伝道資金運用については、久世そらち伝道資金小委員長が、教区負担額計が5384万1000円、交付額計が5110万5897円となることを説明し承認された。
なお今年度はコロナ禍の影響で各教区の伝道資金を用いた活動が行えず、執行残が返金されることが予想される。返金の取り扱いについては規則に明記されていないため、次回常議員会にて検討を行うこととなった。(米山恭平報)
出版局:経営改善検討チームを設置
最も時間を割いたのは、「日本キリスト教団出版局の件」であった。
まず雲然俊美書記は、出版局に関する三者協議会の報告をした。その中で、「出版局職員より身を削って協力したいとの申し出があり、夏期一時金の不支給、課長職の給与の一部削減がなされたとの報告を受けている」と伝えた。続いて議案について説明し、出版局の事業及び財務の改善に関して三者協議会のもとに外部専門家も加えた「出版局経営改善検討チーム」を設置し、取り組みをさらに推進すると述べた。
出版局に関して、山北宣久出版局理事長より説明がなされ、出版局から日本基督教団の各教会に向けて、現状の説明と具体的な支援の依頼を11月初旬に発送する予定であることが報告された。
加えて、石橋秀雄議長が常議員会で本件の課題を扱うようになった経緯を述べ、現状況では外部専門家を入れるのは必要不可欠と判断し、加藤真澄氏(経営コンサルタント・国際キリスト教大学教会員)に依頼するに至ったことを報告した。
また、飯光出版局長代行は、8月時点での会計状況について、「売り上げが前年同月比800万円減となったものの、当期純利益は経費の圧縮等により前年同月比2700万円増の6万円減と抑えられている」と報告した。
一連の経緯説明を受けた後、議場からは、経営改善検討チームの位置づけや外部専門家への報酬をどこから支出するのか等の質問があった。石橋議長が、外部委託費用は130万円ほどであると述べた他、改善検討チームは常議員会が設けた三者協議会の中に置くものであり、これに関わる費用は常議員会費より支出する予定であるとの説明があった。
また、現状の調査、検討だけでなく、具体的な改善案を示すチームとするよう、修正を求める意見があった。質疑を受けて、三役協議の後、議案に「費用は常議員会費から支出する」、提案理由に「具体的経営改善策を打ち出し、それを実施しようとするものである」との文言を加える修正がなされた。
宇田真予算決算委員長は、次回常議員会で常議員会費から支出するための補正を行う必要があることを補足した。採決の結果、28名中27名の賛成を得て、本件は承認された。(田名 希報)