【4938・39号】伝道報告 

愛は絶えることがない

鳥取教会社会委員長・社会福祉法人鳥取こども学園理事長 藤野 興一

「愛は絶えることがない」(コリント一13・1〜13)、この聖書の言葉が鳥取こども学園の創立の精神である。

創立以来、貧困や虐待、親の死亡等により家庭で生活できない子どもの「家」として、115年間一日も休まず歩んできた。

子どもたちは、日課として礼拝を守り、職員も、毎朝全職員が関わる礼拝形式の朝会を続けてきた。百年以上続いてきた学園(院)の文化としての礼拝は、学園墓地も含めて園(育児院)の大きな霊的財産である。

また、2008年から本田哲郎神父著「釜が崎と福音」読書会という形で「キリスト教社会事業研究会(木曜会)」を開催し、何度か本田神父にも参加していただいた。休会も含め12年続けている。この間、木曜会常連の法人幹部職員5名が相次ぎ受洗、鳥取教会の役割を引き受け、「大胆に外に向けて踏み出そう」とアクティヴに活動し始めている。

今の世界は、ヒトラーやムッソリーニ、東条英機らの時代に酷似している。「障がい者不要論」による無差別殺人、コロナ感染者への差別攻撃、難民拒否、感染予防に名を借りた権力犯罪・差別、自由の圧殺が行われている。飢えと暴力が子どもたちを襲い続け、ネオナチ党などの極右勢力が台頭している。

2019年8月、「新しい社会的養育ビジョン」が、現場を知らない学者や政治家による「施設解体論」として出された。これは、施設で暮らす子どもの居場所を奪い、日本の優れた福祉文化を破壊するものである。

日本キリスト教児童福祉連盟は、2015年と2017年に、施設の高校生とスタッフをカナダ・トロントのアドボカシー事務所に派遣し、アーウィン所長も日本を訪問された。また2018年と2019年には、養育研究所のメンバー4名でトロントのアドボカシー事務所とライアソン大学を訪問、大歓迎を受けた。

アーウィン所長率いるオンタリオ州アドボカシー事務所やライアソン大学との関係では、鳥取養育研究所、鳥取大学、鳥取こども学園との間に、3年間の交流研究協定が結ばれた。3年間の間に「鳥取県に、日本・鳥取県独自のアドボカシーシステムを構築すること」としている。

当面は、カナダで「子どもアドボカシー」を学んだユース5名、職員6名で構成する運営委員会が結成したHope&Home(H&H)を内実化し、10月24〜25日合宿に期待したい。

鳥取こども学園は慈善事業の時代から、日本の社会的養護分野の先駆的役割を担ってきた。2011年7月の「社会的養護の課題と将来像(課題と将来像)」及び「日本型社会的養護」の先行実践モデルである。その牽引力は神様の愛に導かれたキリスト教社会事業と当事者中心のアドボカシーの実践にある。

自然や心よりもお金や物を大事にしてきた今までの世界をコロナウイルスは改めるよう迫っている。世界中の子どもたちが未来に向けて発言し、闘いの先頭に立とうとしている。9月に79才の誕生日を迎えた私も、生かされて彼らに力をもらいながら共に歩みたい。感謝です。

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