第22回部落解放青年ゼミナールが、8月21〜23日に大阪・大正めぐみ教会を会場に開催された。部分参加も含めて28名の参加があった。
今年は「新たにきづく青年ゼミ」と題して、太鼓の町として有名な大阪市浪速区で学んだ。部落解放同盟浪速支部の協力を得て、地域の歴史の学びとフィールドワーク、そして「リバティおおさか」の見学をした。
部落解放同盟の資料室で地域の昔の写真を見た。川を挟んであちらとこちらで建物の作りが全く違う様子は、当時の厳しい差別を象徴しているように感じた。この地域は江戸時代までは太鼓の町として非常に栄えたそうだ。差別の中でも、人々はプライドと気概をもって生活していた。しかし、明治に入って行われた賤民廃止令(解放令)によって、被差別部落外から皮革産業への参入が始まる。厳しい差別意識が残る中で地域の人々は職を奪われ、一層貧しい生活を余儀なくされた。
この地域は大きな被差別部落であり、皮革産業で豊かな人も一部いたため、こどもたちの教育に力を入れていた。現在は「リバティおおさか」となっている旧栄小学校は、ほとんどが地域の人たちの資金で建てられた。この場所に日本で唯一の人権の博物館が存在していることの意味は非常に大きい。
最終日の振り返りでは、みんなで歌を作った。事前に用意した歌に合わせて、グループ毎に青年ゼミでの出来事を振り返り新しい歌詞を作った。一人一人が青年ゼミでの経験から言葉を選ぶことで、自分自身の差別意識と向き合うときとなった。そして最後にみんなで希望をもって歌った。
私たちは「気付いた」差別をそのままにせず、差別と向き合い、新たな関係を「築く」ことで解放への道を歩みたい、その思いを新たにした三日間だった。(松村光司報)