「わたし、2度自殺旅行をしたんです」。信仰の経歴を伺う中で衝撃的な一言だった。
14歳の2月、牧師の娘であったクラスメートに誘われて単立の教会へ通い始めた。家庭は厳しかったが、教会では優しく迎えられる。それが嬉しかった。
高校3年生になり進路を決める際、福祉を学ぶために進学したい思いがあったが、就職を強く勧める人もおり、また進学を勧める人もいた。そのために悩み、泣きながら眠れない日々が続いた。やがて心身に変調をきたし幻聴が聞こえるほどになった。通院や服薬もやめてしまうことになり、ついに九州へ旅をしながら真冬の海に飛び込んでしまう。しかし沈むことができず、自力で岸に上がり助けを求め、なんとか自宅に戻ることになった。
資格を取るために1年学校へ通い、銀行に就職することができた。順調に進んでいたが、8ヶ月くらい経ってまた幻聴が聞こえるようになった。自分は神さまに見捨てられているような気がして、今度は琵琶湖へ向かい、用意周到いよいよその時、「死んではいけない」との声が心の内に溢れ、思いとどまることになった。
しばらく教会を離れ、自由な生活をして心身の回復が叶った。27歳の時、CDを聞くつもりでつけたプレイヤーからラジオのFEBC放送の讃美歌が聞こえたのをきっかけに、教会に戻ることができた。振り返ってみれば、一番辛かったのは進学できなかったことではなく、信仰を失ったことだと気づかされた。
現在は三島真光教会に属し、教会の奉仕をいくつか担っている。「純粋な信仰で祈りの素晴らしい方」とのこと。今の願いは、夫と二人の子どもと共に礼拝に出席することである。
愛媛県八幡浜市出身。三島真光教会員。