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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4905・06号】2019年度 教区総会報告3

2019年6月29日

伝道所信徒に投票権、可決

沖縄教区

 第79回沖縄教区総会は、5月26・27両日、沖縄キリスト教センターで、開会時、議員42名中35名が出席して開催された。沖縄教区は、03年以来、教団問安使を拒否しているが、石橋秀雄教団総会議長、秋山徹総幹事が総会を傍聴した。

 平良修議長は、「中間報告」と題する議長報告で、「沖縄教区は、第69回教区総会制定内規で、伝道所信徒にも投票権を与える二重投票を実施してきたが、28教会・伝道所の43%が伝道所という沖縄の実情から、二重投票を廃止し、伝道所信徒にも投票権を与える投票に一本化すべきだ。まず協議会を開きたい」と述べて同意を得た。

 協議会は、牧師・信徒別にグループに分かれ、話し合ったが、積年の難問に、解決策は見出せず、議長提案に「信徒は賛成が多く、教職は慎重だった」という。

 初日午後8時から議事に入ったが、平良議長は「体調不良」と、議長職を石川栄喜副議長が務め、二日目も出席したが、議長席に就くことは無かった。

 二日目午前、内規廃止の3号議案が上程され、従前同様の平行線の審議に、石川副議長は「継続審議」を提案し、了承を得たが、数時間後の議案採決では、別の動きが待っていた。石川副議長提案の継続審議を採決で葬り、従来通りの2度採決を行って、原案を30票中18票で可決した。

 この採決で目立ったのは、「継続審議」を拒否して、筋を貫いた一部の教職・信徒のまとまりだった。但し、伝道所信徒の投票権は、教団規則に抵触する。沖縄教区の今総会での採決は、教団、次期教団総会での論議の火種を生むこととなった。

 19年度の経常会計予算は、1600万円、前年度予算比100万円減、同決算比60万円減で、苦しい財政事情を物語っている。

 平良議長は、議長報告の最後に、「交流が途絶えていた1教会(那覇中央教会)と回復の兆しが出て来たことを、喜びをもってご報告したい」と述べて、満場の拍手を浴びた。

(永井清陽報)

 

福島新議長、熊江新副議長、小池書記を選出

関東教区

 5月30〜31日、第69回総会が大宮ソニックシティー小ホールにて行われた。開会時の出席議員は270名中178名だった。

 東野尚志議長は教区議長報告にて、前総会で議論となった阿部洋治・北本教会主任担任教師をめぐる問題のその後の経過に触れた。それによると当該教師は教師検定規則第10条(いわゆる15年規定)に基づいて、2018年秋季教師検定試験で正教師の合格判定を受けており、関東教区としては総会決議において、同教師が1978年に福音主義教会連合から受けた按手を正式と認めることで正教師登録が可能かを、信仰職制委員会に諮問中とのことである。これに対する発言が議場から相次ぎ「当該教師を正教師試験受験者として推薦したのなら、関東教区は福音主義教会連合による検定試験と按手礼を無効と認めることになるのでは」との質問に、議長は「一教団の事柄である教師検定試験と、公同教会に位置づけられサクラメントに準ずる按手礼とは本質が異なる。分けて考えるべき」と答えた。

 三役選挙では福島純雄議長(筑波学園)が192票中97票、熊江秀一副議長(大宮)が189票中97票を得て当選。小池正造書記(東新潟)が正副議長の推薦によって再選。宣教部委員長選挙では飯塚拓也委員長(竜ヶ崎)が176票中91票を得て再選した。

 前総会での審議時間不足から常置委員会付託を経て今回再提案されたのが、諸委員会の整理・統廃合に関する件であった。関東教区には現状8常設委員会と11特別委員会が存在するが、常設・特別の区別が曖昧であり、働きが重複しているものや役割を終えたものもある。そこで、常設・特別併せて19委員会を10特別委員会へ統廃合するものである。特別委員会とするのは、整理統廃合を迅速に進めるべく教区規則変更を回避するためである。これに一部委員会の人数を増員する修正動議が出され採決の結果、修正案が賛成多数で可決された。

 久世そらち教団副議長による問安使挨拶への質疑では、リフォユースの継続と青年プラットフォームの周知徹底、「伝道推進基本方針」にある祈祷運動のために祈祷課題の教団サイトへの掲載等の要望が挙がった。

 このほか3伝道所の廃止が承認された。

常置委員選挙結果
【教職】木村太郎(宇都宮)、栗原清(武蔵豊岡)、田中かおる(安行)、嶋田恵悟(土浦)、長倉望(新潟)

【信徒】金刺英雄(上尾合同)、豊川昭夫(越谷)、國吉常喜與(宇都宮上町)、佐久間文雄(志木)、半田香代子(原市)

(米山恭平報)

 

聖書に聞くことにより諸教会が一つに

東海教区

 第105回東海教区総会が5月28〜29日、静岡教会にて、議員205名中、開会時151名が出席して行われた。

 教区総会議長報告において、宮本義弘議長が3頁にわたる報告文を朗読した。6分区毎の教会、伝道所、教師の動静について報告し、「教会解散、教師解任、今後増えると思われる兼任体制等、教区の課題が浮き彫りになった」、「2度の台風により被害を受けている教会に励ましを祈る」と述べた。

 「東海教区伝道五ヶ年計画」について、「始まって3年が経ち、聖書に聞くことによって、教区の諸教会が一つにされて行く機運が生まれた。聖書に聞くことが忘れられる側面がある教団にあって、東海教区は独自の歩みを始めている。19年度の主題は、『愛の業に励む教会』である」と述べた。

 教区財政については、19年度予算において、教団伝道資金の負担額が「伝道交付金」額よりも多くなり、教会の負担金が減少する中、教団への負担が増加することへの対応が求められていること等を説明した。

 質疑応答の中で、佐久教会が、教区が推薦した代務者を受け入れないという状況の経緯が問われ、議長が説明した。佐久教会は未受洗者配餐を役員会で決議しており、教会が申請して来た代務者に、決議を取り消す方向で就任するよう求めていた。「出来ない」との応答があり、教区は就任の承認をしなかった。6ヵ月以上、膠着状態が続き、教区が代務者を推薦したが、今度は教会の役員会が受け入れないという状況となった。

 各部報告においては、初めての試みとして、教育部と伝道部の青年専門委員会が協力して、中高生、青年ユースキャンプを開催し、恵まれた時となったこと等が報告された。

 担任教師の急逝により解散を決議した神愛教会の解散を承認。加藤誠代務者が経緯を説明した。

 教団問安使として雲然俊美書記が挨拶し、教区総会への議長挨拶の要点を述べ、教団の機構改定について説明した。

 議長挨拶に関しては、沖縄教区との関係回復について、教団の具体案が見えないとの問い、宣教連帯金を戻すことへの疑義が述べられた。雲然書記は、「沖縄教区は現在真剣に教団との在り方を議論しており、教団も丁寧に進めつつ具体案を描いている段階」と説明、宣教連帯金については、「教団が教会であることを貫くためのもの」と説明した。

 機構改定については、「神の言葉を伝えることと、組織の維持としての伝道を分けるべき。伝道ということが無前提に主張されることによって、律法が生まれ疲弊する現実がある」、「伝道推進基本方針はその通りだと思うが、踏み込んだ、具体的なことが必要ではないか」、「信仰の継承、関係学校との連携を考えるべき」、「リフォユースは、どう総括し、次に生かして行くのか」等活発な質疑があり雲然書記は丁寧に応答した。

 三役、及び伝道委員長は、全て再選された。

三役選挙結果
【議長】宮本義弘(沼津)、【副議長】宇田真(岩村田)、【書記】石井佑二(遠州)

常置委員選挙結果
【教職】宍戸俊介(愛宕町)、新里正英(三島)、兵藤辰也(中遠)、高橋爾(清水)

【信徒】黒沼宏一(静岡)、土屋芳子(長野県町)、稲松義人(遠州栄光)、新庄田鶴子(静岡草深)

(嶋田恵悟報)

 

教区の宣教強化のため、特別資金運用を議論

東中国教区

 第68回東中国教区総会が、5月27日、28日、鳥取教会を会場に開催された。開会時の議員数は87名中58名。

 開会礼拝、組織会後に大塚忍議長は議長報告で、2018年7月に広範囲な被害をもたらした「西日本豪雨」への教区の対応について述べた。超教派で構成されている「岡山キリスト災害支援室」(岡キ災)との連携。岡山市東区平島地区での台湾基督長老教会から派遣された大工チームによる支援活動と教団のサポート。最も被害の大きかった真備町の災害支援のために教区、教団、岡キ災、YMCAせとうち、から委員が派遣されて「まびくら」運営委員会が組織されたことなどである。夜のセッションでは岡山キリスト災害支援室室長の草井琢弘牧師から岡キ災の活動報告を聞く時間が用意された。

 続いて「東中国教区の宣教強化実質化」に関する取り組みが、2018年度に2回開催された「宣教会議」の報告を中心にして報告された。

 正・副議長選挙、常置委員選挙においては今総会から新しいシステムを用いることが了承された。それは投票用紙に氏名ではなく議員番号のみ記入する新しい選挙方法である。開票作業時間の短縮が目的であるが、その効果はあったように思えた。大塚忍議長、服部修副議長が再選された。書記は新しく中井大介教師が選任された。

 議案の中心は「東中国教区の宣教強化に関する件」であった。この議案のゴールは2020年度の東中国教区総会において教会強化特別資金運用規定改定案を提出することにある。そのために今総会では運用規定の新しいデザインが審議された。背景には東中国教区47教会中33教会が礼拝出席20名以下であり、経常収入400万円以下の教会が24あるという現実がある。教区内すべての教会の宣教を強化するために、このデザインに沿って宣教構想懇談会、宣教会議が実施される。

 二日目には教団問安使の秋山徹総幹事の報告、質疑の時間が設けられていた。教区内の多様性を生かそうとする執行部への信認の厚さが随所に見られた総会であった。

常置委員選挙結果
【教職】柴田彰(倉吉)、延藤好英(和気)、山本博之(玉野)

【信徒】河田直子(蕃山町)、田中英也(上井)、土井しのぶ(総社)、難波幸矢(光明園家族)

(加藤 誠報)

教団新報
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