九州教区では毎年2回、標記の集会を実施している。それは二種教職制度の課題を風化・既成事実化させることなく、主体的にこれを問い続けることを目的としてなされるものであり、教師試験受験者にも出席を求め、課題を共有してもらう意図が込められている。今年度第2回目の学習会は、1月22日、石橋秀雄教団議長を講師に迎えて開催された。
まずは石橋議長を招いた経緯を説明する必要があるだろう。当教区では第40回教団総会(2016年)、第41回教団総会(2018年)の二度に渡り、「教憲9条を改正し、伴って関連教規条項を改正する」を提出した。しかしながら第40回総会では、事前の「公表」を巡る執行部側の瑕疵により、議案は上程されることなく廃棄されることとなった。その際、梅崎浩二九州教区議長は「二種教職制度について広く協議する場を設けること」を条件の一つとして示し、執行部は議場でこれを約束した。だがその後、検討を委託された教師養成制度検討委員会の報告は全体で用紙1枚、内、二種教職制度については僅か数行のみの記載であり、当初の「約束」とはかけ離れた対応に処されたというのが当教区の率直な思いであった。
これに対し石橋議長は、議案の取り扱いを巡る謝罪から始め、二種教職制度の発端は「神の主権よりも国権を上位に置いた過ち」であり、「プロテスタントの神学からも承認されないこと」であるとする九州教区の認識に一定の理解を示した。しかし一方では、教職制度を一種にした場合の対処や教師養成の課題を指摘し、「信仰告白による一致なしに解決はあり得ない」と結論づけた。これにはフロアからも多くの意見表明や質疑が相次ぎ、予定時間を大幅に超える集会となった。
無論これが終息ではない。今後も九州のみならず広く教団全体で論議が進められることを強く望んでいる。 (新堀真之報)