「距離を置く」ことと 教団問安使との相克 沖縄
第65回沖縄教区総会は、5月24日から2日間、沖縄キリスト教センターで、開会時正議員45人中42人が出席して開催された。
議事に入って早々、教団問安使に関する質問があり、常置委員会報告で扱うこととしたが、常置委報告を待つことなく、続いた議長報告でこの問題が浮上した。村椿嘉信議長は、「教団といつまで距離を置き続けるのか、どのように距離を置くのかについて、決まった答えがある訳ではない。その都度、教団の動きを見守りながら
、場合によっては沖縄教区から声を上げながら、相互批判的な関係を築くために主体的に判断して行く」と「中間報告」と題した議長報告で基本姿勢を明らかにした。
議長報告は他の議案を挟んで2日目に及んで続けられ、村椿議長は2日目午前、教団との関係について、「議長を1年間務めて『距離を置く』とは矛盾した立場にあることを痛感した。今の状況下では距離を置かざるを得ないが、これからどうするかは一緒に考えて行くべきだ。教区内が対立して教区の方針が定まらないのは残念で
、いつまでも距離を置いていいという状態ではなく、作業をしなければならない時期に来ていると判断した。三役は今総会に教団問安使を受け入れようと判断し、常置委員会に提案した」と三役が教団問安使受け入れに踏み切ったものの、その後常置委員会で否決された経緯を説明、十数分間にわたり心情を吐露した。
引き続いた常置委報告でもこの問題は続き、「問安使を呼ぼうと判断したことは、状況が良くなったと判断したのか、それとも反対を薄めて教団とよりを戻そうとしているのか」と議長のスタンスを問う質問に対し、村椿議長は、「議長就任後、山北宣久教団総会議長から『個人的でも非公開でもいいから会おう』との電話があっ
たが、私は個人的に話すことは意味がないと考えて来た。今後どうするかは議場が判断することだが、その判断をするために、問安使にお出で頂いてじっくり話を聞き、その上で皆さんで決めて欲しいというのが私の真意だ」と答えた。議場はこの議長の説明を受け入れ、収拾したかに見えた。
ところが、2日目午後の議事冒頭、「配布された山北議長挨拶の中に『沖縄問安が実現することになった』と書かれ、教団新報も山北議長沖縄問安の日程を掲載している」との緊急質問が出て再燃した。村椿議長は、「教団問安使をどうお迎えするかいろいろ準備していた。教区総会でこれが入れられないときは、議長を辞するこ
とも覚悟していた。教団事務局と連絡を取っていたのは事実だが、その前に常置委で議論すべきだった。今回の不手際をお詫びしたい」と述べ、この問題はようやく決着した。総会は、教団問安使問題と、昨年同様、予算・決算の処理を巡っての論議に大半の時間を割くこととなった。
08年9月、常置委決議で始まった教区宣教方針改定は、今総会で協議会がもたれ、教区内の合意形成に向けて努めるとの作業委報告が承認され、今後時間をかけて作業が進められる。もう一つの作業委員会、沖縄キリスト教センターの法人化は論議を呼んだ課題の一つで、「教区内の既存の法人化」を目指していること、赤字を続
けているセンター1階のレストランは本年6月で閉鎖する方針が報告された。
総会で1名の准允式が執行され、09年度予算の資金不足は、前年度同様、「研修センターなきじん」資金を繰り入れる議案が承認された。
(永井清陽報)