「ハラスメント防止規則」再度差し戻し
神奈川教区
第138回神奈川教区総会は、6月24日清水ヶ丘教会で正議員236名中170名出席で開催。
議事日程承認の際、日本基督教団信仰告白をすべての議事に先立って告白したいという動議が提出された。賛成反対の意見が飛び交う中、三宅宣幸教区総会議長は、常置委員会で本件が継続中の審議であることを示した後、本日の総会で告白するかどうかを議場に問うたところ、166名中66名の賛成によって動議は否決。議案資料にある執行順序通りに行われた。
本総会において最も時間が割かれたのは、ハラスメント問題であった。教務報告を承認する段階において、常置委員会における発言内容の問題性が指摘されることに始まり、第136回総会において、常置委員会付託とされたパワー・ハラスメントに関する訴えに対しての常置委員会の対応が問題とされた件では、常置委員会で組織された「六人会」の報告がなされた。
また、第135回総会において一度提出され、常置委員会差し戻しとなった、「『ハラスメントの防止等』に関する規則」に関する件は、改正案が提示されたが、議場から規則制定には不十分との声が上がり、常置委員会に再度差し戻すことが動議として提出され、144名中110名の賛成で差し戻しとなった。
戦責告白50年を覚え新たな行動をおこす決議に関しては、「戦責告白のみで、教団信仰告白の言葉がない」、「信仰告白は前提にある。先達が残した戦責告白を積極的に支持することが必要である」、「今朝、その前提となると言われた信仰告白を告白する動議が否決されたことをどう考えるか」との声が上がった。138名中90名で可決。北村慈郎教師免職撤回及び教団において聖餐についての論議再開のための声明が、134名中85名で可決された。(佐藤 進報)
17教区総会を終えて
教団総会議長 石橋秀雄
教区総会を終えて、印象に残った第一のことは、各教区ともに教勢の低下に伴う財政難の中で、懸命に教区形成に取り組む姿だ。
「教会無しには自分の生活は成り立たない」という信徒が多く、この信徒に教区の活動が支えられ、教区の連帯が深められていると教えてくれた教区。とにかく「礼拝する群れをこの町に絶やさないこと」と、同じ町の教会の合同を実現し、消滅の危機にある教会に希望を与え、教区の伝道力を高め、教区活動に活気を感じた教区。「無牧の教会にはしない」と、教師の収入によって負担し互助を充実させて支え合う教区。危機の中で独特の教区形成をしていることを知らされ、教えられた。
教団では「教区議長会議」を年2回持ちたいと考えている。2回目は一泊二日で12月に持たれる。他教区の活動を知り合う、理解し合うことによって教団の伝道力を高めることになるのではないかと、各教区総会を問安して希望を持った。
「教団の伝道力の命と力の回復-主の伝道命令に忠実に従う教会-」と教区総会への議長挨拶で訴えた。この訴えに対する批判の声は挙がらなかった。この訴えが聞かれていったという手応えを感じた。特に信徒議員の方々がうなずきながら聞いてくれる姿に励まされた。
教団の「伝道力の命と力の回復」は教団1711の教会の出発点に立ち帰ること、「主の伝道命令に忠実に従って」、伝道者や信徒が血の滲むような犠牲と献身によって私たちの教会が設立されたこと、この出発点に立ち帰って「伝道力の命と力の回復を図ることが求められる」と訴えた。
「教団は議論のための議論をして何も進められない」との声に謙虚に耳を傾け、教団の伝道を具体的に進めて行きたいと決意を新たにさせられた。