教団部落解放センター主催「部落解放沖縄キャラバン2015」は「いちゃりばちょーでー(一度会ったら皆兄弟姉妹)」をテーマに10月13日~22日、延べ335名の参加を得て開催した。
首里教会での出発式に始まり、通常の集会や礼拝での説教、そして志真志伝道所での完走式まで16回の集会を持った。教団以外にも沖縄バプテスト連盟、日本バプテスト連盟、聖公会、ローマ・カトリックそして真宗大谷派など宗派を超えて幅広い参加があった。
集会はまず、キャラバンメンバー(東谷誠・有住航・後藤慧)の自己紹介と趣旨説明に始まり、テーマソング「走れ幸せ者」や讃美歌を参加者と共に歌った。次に発題では、各メンバーが部落差別についてそれぞれの視点で作成したスライドを用いた。当初は一方的な伝達になりがちだったが、回を重ねる毎に参加者からの応答を受ける余裕も出てきて、その後の質疑も含め非常に内容の濃い集会へと変化していった。
集会の間には読谷村、辺野古、高江、石垣島、宮古島でのフィールドワークを行った。読谷には沖縄戦末期、住民が逃れた2つのガマ(洞窟)がある。皇民化教育によって国に殉じるよう洗脳されていた時代、一方では開明的な人の説得で全員が助かり、もう一方では大半が集団自決へと追いこまれた。天皇を中心とする国体護持のため、差別され捨石にされてきた歴史である。また、辺野古や高江、宮古島では現在進行形で今基地が拡張強化されている。沖縄は再び「本土」防衛の要として虐げられ利用されようとしている。
今キャラバンでは、双方が抱えている差別について膝を突き合わせて語ることができた。沖縄側の実行委員は「今回はきっかけであり、ここからだ」とメンバーを労ってくださった。センターはこれからも被差別状態に置かれている沖縄に対し主体的に関わっていきたいと考えている。その一歩として「いちゃりばちょーでー」精神のもと、幅広い出会いと気づき学びを得た2週間であった。(後藤 慧報)