父が転勤族だったため、私が通った小学校は6校を数えます。その後、高校時代にカチカチの福音派で救われ、途中聖霊派の影響も受け、最後は教団の牧師になりました。韓国とアメリカの神学校で学んだ時には、ソウルとミシガンの日本人伝道に携わりました。今振り返ると、神様は最初から私を超教派の海外日本人伝道で用いるために準備しておられたことが分かります。
札幌で牧会していた時、主は不思議な方法で私たちを東南アジアへと召されました。妻と2人の息子を連れ、アブラハムのごとく行き先を知らずして出発した私たちがたどり着いたのはジャカルタでした。無牧のジャカルタ日本語キリスト教会を2ヶ月間お手伝いするという約束で始まりましたが、その後、正式な招聘を受け、専任牧師として就任しました。
スラバヤやバリの日本語集会のコーディネーターもさせていただきながら、徐々にこの時代におけるディアスポラ宣教の重要性に目が開かれていきました。そして、自分に与えられた使命は、①海外日本語教会の牧会、②帰国者のフォローアップ、③アジアの日本語教会のネットワーク作りであると意識するようになりました。
2011年2月にバリで開催した第一回アジア日本語教会ファミリーキャンプでは事務局を担当させていただきました。
2013年3月に新たな専任牧師をジャカルタに招聘し、私の7年近くの働きを終えました。ちょうど前の年に次男が留学したため、妻の正子と二人だけの生活に戻っていましたので、この時とばかりに巡回伝道をすることにしました。「渡り鳥夫婦」と称して、約1年間、中東・ヨーロッパ・アジアの特に無牧の日本語教会を回って説教奉仕をさせていただきました。途中3ヶ月間、シンガポール日本語キリスト教会のお手伝いをさせていただきましたが、その後、正式な招聘を受けて昨年3月に就任しました。
この教会は来年40周年を迎えますが、この間専任牧師がいたのはわずか8年ほどです。しかし、主は宣教の灯火を守り続けてくださいました。シンガポールには3万人以上の日本人が住み、今も増え続けています。この地をたとえるなら、まさに「好漁場」。シンガポール人クリスチャンの愛と証によって、日本人に伝道しやすい環境が整っています。
私たちに40年近く施設を提供してくださっているセントジョージ教会の礼拝堂は3百数十人が座れます。普段は70名ほどの日本語礼拝ですが、子どもと一緒の特別礼拝を企画すると2百名前後の方々が集まります。
この教会の提案で今年から日本人主婦を対象とした無料英語教室を始めましたが、30数名の生徒に対して10名近いボランティア教師が丁寧に教えてくださいます。私たちの教会は中高生が極端に少ないので、7月に日本からナイトdeライトというクリスチャンロックバンドを招き、コンサート伝道を企画しました。受け皿となる中高生会も始めました。シンガポールに住む日本人はバイブルスタディが大好きです。私以外にも担当してくださる方がいるので、毎日のようにどこかで行われています。そのような働きが実を結び、昨年3月から今年6月までの間に8名が洗礼を受け、19名が入会されました。
これからはアジアの無牧の日本語教会の支援も積極的に行って行きたいと願っています。アジアと日本の教会と手をつないで、一緒に網を引き上げて行くことが私たちのビジョンです(ルカ5章7節)。