学校伝道研究会は、幼稚園から大学までのプロテスタント・キリスト教学校において、伝道と教育に奉仕することを使命とする者たちの研鑽と相互育成を目指す会である。
各学校における孤立した活動としてではなく、全国的視野に立った意識と連帯を持ち、教育の中核に生徒・学生の人格的・霊的育成を見、その実現に向けて、福音に基づく教育の具体的展開、実践的課題を探求するための「伝道と教育に関する神学」を目指している。また青年の信仰育成の場として、教会との連携を極めて重視している。
第二二回夏期研修会は八月四~五日の二日間、参加者四三名で開催された。一日目は夕方から荻窪清水教会を会場に懇談会が持たれ、大阪キリスト教短期大学チャプレン・重富勝己氏より「学生の魂に届くために-大阪キリスト教短大チャペル活動紹介-」との発題があり、勤務校における学生の霊性育成のための工夫、努力を伺った。更に地域の教会に繋げていくことが課題と話された。
二日目は東京女子大学を会場に開会礼拝後、全国教会青年同盟・岸憲秀牧師(千葉本町)、西日本教会青年同盟・岩田昌路牧師(狛江)より発題があった。教会青年同盟は創立以来、一貫して「キリストと教会に仕える」という主題を掲げ続け、「聖書の信仰に立ち、生涯を通してキリストと教会に仕える信仰者を育成すること」を目的としている。その活動を通し、青年たちは信仰仲間の存在に励まされつつ、洗礼への決意、奉仕への自覚、献身への志へと導かれている。特に日本基督教団は第31総会にて「21世紀に向けて伝道の使命に全力を注ぐ決意表明」、第32総会にて「21世紀に向けて青年伝道の使命に力を注ぐ件」を可決した。教会青年同盟の活動は二つの総会決議の実質化を進めるものとの自覚が語られた。
引き続き、東京女子大学学長・湊晶子氏より「日本のキリスト教学校の将来像-課題とビジョン」と題する講演がなされた。初代学長・新渡戸稲造の生涯と思想に学びつつ、「真に自立した・個(人格)」の育成をキリスト教学校の責務とする。「教えられたことをすべて忘れた後に残っているものが教養である」。このことからキリスト教学校が残せるもの、神から「愛されて、愛する人に」への人格教育により「自分を治めることが出来る人に」自立と寛容への教養を身に着けることの重要性が語られた。
これらのプログラムを通し、教会とキリスト教学校との具体的な協力体制についての活発な質疑応答がなされた。「青年伝道」の進展に向け、相互のパートナーシップを図る貴重な機会となった。最後に一同祈りを合わせて散会した。
(松本のぞみ報)