五月二一日〜二二日、第60回/「合同」後37回兵庫教区定期総会が行われた。「痛む“いのち”を共に生きる福音を信じて…」をテーマに、開会礼拝で「震災5年目の宣教にあたっての告白」によって被災教区としてのあり方が確認された。
一日目、総会議長の予備選挙で候補となった上位者三名が、所信表明で辞退を申し出た事で、選挙は長期化した。議事は中断され、常置委員会が急遽開かれたが見解は一致せず、選挙は翌日に持ち越された。翌日、常置委員会から「所信表明で予備選挙結果を覆すことはできない」との見解が示され本選挙が行われた。結果、菅根信彦新議長が選ばれた。「議長を正教師に限らず、補教師や信徒も対象にする事を考える」旨建議案が出され、「正義員に限るのか、準議員も含むのか」等の質疑の後、常置委員会に付託された。副議長には真砂良克氏が選出され、書記は常置委員会付託とされた。
多くの時間を割いて議された「兵庫教区クリスチャン・センター」嘱託職員による会計不正流用問題と、それに伴う組織や規則の見直しに関する議題で、佃真人議長は従来の組織の不備を認め、長年その会計報告を承認してきた者全員等しく責任があるとした上で、二重、三重のチェック機能を設けてきた事等を述べ、議場はこれを承認した。
それぞれ二名、計四名の教師が准允式、按手式に与った。式に先立ち常置委員会は、過去の「教師の権威」についての問題提起を受け、手を置かずに行う新しい式次第を提案した。「按手無き按手」への疑問や「教師の権威ではなくキリストの権威である」との意見も示された。一方で「志願者への祈りを持って補教師、信徒も手を置くべき」との見解も示され、採決の結果、新しい式次第を承認した。「日本基督教団の現行教師制度(教師養成、教師検定試験)の再検討に関する件」も可決された。
一月一七日を兵庫県南部大地震記念の日とする事が承認され、「阪神・淡路大地震被災教区として、いのちと暮らし、生存を脅かす自然災害の発生に備える件」が可決された。
また、教団のセクシュアル・ハラスメント対策不備が訴えられ、独自の「基本方針と対策」「防止委員会規則」等が改訂された。その他の主な議案は以下の通り。「同性愛者をはじめとするセクシュアル・マイノリティ差別問題に関する件」「日本基督教団と沖縄キリスト教団との『合同のとらえなおし』に関する件」「教育の中心から子どもたちを排除していく動きを注意深く見つめ、教育の中に子どもたちの存在と尊厳を取り戻していく働きに関する件」
教団総会議員選挙結果
【教職】佃真人(宝塚)、菅根信彦(神戸)、竹内富久恵(神戸愛生)、小林聖(豊岡)、 柴田信也(長田センター)、菅澤邦明(西宮公同)、林邦夫(兵庫松本通)、車田誠治(龍野)、森里信生(関西学院)、西澤他喜衛(甲東)、手島真理子(宝塚小林)、真砂良克(摂津三田)、朴敬和(西宮聖光)【信徒】有森和可奈(北六甲)、津村正敏(明石)、高寺幸子(武庫之荘)、鈴木誠也(神戸)、上田律子(御影)、増岡広宣(尼崎)、井原恵美子(西宮聖光)、笠水寿子(兵庫)、長谷川容子(立花)、柳谷舟子(甲南)、冨士原進(姫路福音)、寺田時雄(高砂)、森章一(神戸栄光)
常置委員選挙結果
【教職】佃真人(宝塚)、川上盾(東神戸)、西澤他喜衛(甲東)、小林聖(豊岡)、渡辺建治(姫路和光)、竹内富久恵(神戸愛生)、林邦夫(兵庫松本通)【信徒】増岡広宣(尼崎)、森章一(神戸栄光)、柳谷舟子(甲南)、上田律子(御影)、笠水寿子(兵庫)、津村正敏(明石)、高寺幸子(武庫之荘)
(辻順子報)