第81回東海教区総会は、五月二三~二四日、下田のホテル伊豆急を会場に、開会時正議員二〇〇名中一七六名が出席し開催された。
議論は、【議案13】「損失金処理に関する件…石原元会計が横領した六九、三〇五、一三四円を損金として処理する。」に集中した。
第一読会の冒頭、北紀吉議長は、事柄と常置員会等による対応の経緯とを説明し、「教区を揺るがすような不祥事」が起こったことを諸教会に詫びた。また、甲府中央教会から二千万円が献げられ、取り敢えず06・07年度の謝儀互助等、当座の必要がまかなわれたこと、石原元会計より弁済誓約書・計画書が提出されたことが報告された。
議場から相次いで、質問・意見が述べられた。殆どが、会計監査に当たった者、告訴を避けた四役・常議員の対応・責任を追求するものであった。会計処理や弁済計画書の内容を巡っても、長時間の質疑が行われた。
予定時間が尽き採決され、一五五名中一三三名の賛成、一二名の反対で、議長報告・常置委員会報告は承認された。同様に、背任究明対処小委員会報告も承認、これらの報告は報告審査委員会に回付された。
第二読会では、第三分科会でこの問題が扱われ、前日同様、損失金扱いとすることへの反論が多数述べられ、告発しないなら負担金拠出の意欲を失うなど、強い口調での執行部批判も述べられた。更に、担当者の責任を明確にすべきだという意見があり、来春の総会での四役の再任を否定する、常置委員は総辞職せよ、と激しい意見もあった。
会計処理を巡って原案に反対の立場から修正案が出され、原案には賛成だが、弁済と責任問題について付帯条項を付けるという修正案も出た。原案を支持する意見も述べられ、元会計を選任した責任、横領を見逃した責任は、現執行部ではなくそれ以前の執行部にあるという指摘もなされた。議論は、この世の法・秩序と教会の法・秩序のどちらが優先するかという議論に流れたり、やや堂々巡りの観があった。
この間、北議長は、「非常の時こそ冷静になってただ祈り、神の御心を信じて行動しなければならない」と述べ、また、「誰が最も傷つき苦悩したか、甲府中央教会の教会員・牧師のことを思う、当人もまた苦しみ償いの意志を持っている、真の解決に繋がる道を選びたい」と述べ、また、「告発も頭から否定しない。総会の意志ならば、それも選択肢だと考え、第一読会の際に、議案とする道筋にも触れたが、具体的な反応はなかった」と述べた。
結局、修正案の前者は撤回され、後者は七四中十六の賛成で否決された。原案は七五名中四〇名の賛成二七名の反対で可決された。
第三読会では、一四九名中一一二名の賛成を得た。反対は二七名であった。 閉会祈祷会で、山本将信副議長は、元会計のために執り成しの祈りをした。
他教区への転任のため今総会を終えて辞任する栗原清氏(岩本)に替わり、加藤誠氏(静岡一番町)が書記に選任された。
教団総会議員選挙結果
【教職】小出望(静岡草深)、北紀吉(愛宕町)、山本将信(篠ノ井)、小林眞(遠州)、長倉勉(三島)、大沢秀夫(松本)、宮本義弘(沼津)、西之園路子(蒲原)、伊藤瑞男(静岡)、加藤誠(静岡一番町)
【信徒】辻昭(静岡)、小林貞夫(日下部)、原田昭三(諏訪)、村田誠(甲府)、本堂しのぶ(沼津)、稲松義人(遠州栄光)、古川昭(遠州栄光)、的場武彦(下田)、須藤繁(谷村)、鈴木保美(富士見高原) (新報編集部報)