第62回奥羽教区定期総会が五月二二日、二三日、奥羽キリスト教センターにて開催された。開会時、正議員一一六名中一〇四名が出席。会議冒頭に准允式が行なわれ新しく一名の教師が立てられた。
教区総会議長報告で邑原宗男議長は、多くの教師異動があった中で主任担任教師の「兼務体制による宣教協力が現実的な課題」となっており、教職人事を「各教会の自主的な決断によること」としながら「教区全域の宣教を視野に入れて進めていきたい」とした。また、各教会への綿密な問安を行なってきたことを報告した。さらに「教勢が減少していることは憂慮すべき」だが、「この状況を踏まえた上で教区の宣教を共に担ってゆくことに励み」、「後継者の育成ということに心を配った」とした。教区財政は、新しい負担金算定方式導入の一年目を混乱なく終え、二年減額の続いた教区活動連帯金が今年度増額となり「日本基督教団全体の祈りが益々集められていることに感謝する」と述べた。教団関係について、35教団総会における教団議長のいわゆる十二項目所見について「承服できるものではない」として「四〇年にわたる奥羽教区の伝道の歴史を否定することになる」とした。また、福音主義教会連合の行なった試験受験者の教師登録が前教団総会期常議員会において議事日程に上ったことに強く抗議した。
総会全日程の中で、教区議長報告と同等の時間を充てて扱われたのが教団問安使挨拶とそれを巡る質疑応答・討論だった。問安使山北宣久教団議長は、教区議長報告に呼応する仕方で教団の現状を報告した。また議場との一問一答による大変丁寧な質疑・討論が行なわれた。討論のすべてを記す紙幅はないが、福音主義連合の教師試験に関して、本連合に議長自身関わるものであるが、教団議長として公私は全く混同しておらず、議長職責として常議員会の決定を受けて取扱った、と答弁した。
問安使との討論は教区の各教会にとって、教団の現状を直接に聞き、また教区の現状を直接に訴える貴重な機会だけに、このような場がなお重んじられることが必要である。
二〇一二年まで十年に亘る教区主題「さあ、共に生きよう」のもと第五年目の教区宣教計画が審議された。常置委員会では修正要望が出され、協議修正を経て原案が提案された。「福音の伝道が力強くなされる教会の形成に努める」という重点目標をまず第一に掲げ、「教区の『一つなる教会』の伝統」を継承し宣教協力の充実に努めること、憲法改正に対する平和の希求、核燃問題、農、命の問題を教会の宣教課題とすること等を全体の計画として挙げている。各常設委員会計画、主要な集会計画を含め原案通り可決された。
教団総会における謝恩日献金八千万円増額の承認を受け、教区内全教会、伝道所の献金への参加・増額に取り組むことが可決された。目標として百五十万円の増額を定めた。
按手及び准允の議決、執行の常置委員会への委任をここ数年に亘り総会毎に諮ってきたが、なお執行主体、方法を巡っての議論があった。特に昨年、臨時総会にて行われた按手礼の際、他教区正教師から傍聴願が出されたが、按手に加わることの是非がはじめてのケースとして議論されたことが明らかにされた。
三役選挙結果
【議長】邑原宗男(江刺)、【副議長】松村重雄(弘前南)、【書記】岡村宣(鷹巣)
教区常置委員選挙結果
【教職】雲然俊美(秋田桜)、山口義人(男鹿)、宮島星子(木造)、願念望(青森松原)、【信徒】鈴木務(秋田高陽)、松尾亨(青森松原)、浅沼千春(秋田桜)
(渡邊義彦報)