【4747・4748号】キリスト教教育主事認定試験制度の変更をめぐって 新たな可能性を視野に入れる

学校法人聖和大学と学校法人関西学院が合併し、キリスト教教育主事養成機関が事実上なくなった。そのため、2013年2月ないし3月に行われる認定試験より、幼稚園教諭や保育士養成機関である教団関係学校や教団立ならびに教団認可神学校での単位取得によって受験資格を与える制度へと転換された。

(1)キリスト教教育主事の働きと課題
キリスト教教育主事は1962年に日本基督教団の正式な働きとされた。教規140条の2には「キリスト教教育主事とは、教団の信徒であってキリスト教教育の召命を受け、規定の学科を修得し、教団の定めるキリスト教教育主事認定試験に合格した者」とされている。その働きは教規140条の2によって規定されているが、教会学校などの教会教育、また教会付属施設や関係施設(幼稚園や保育所、また養護施設、障がい者のための施設など)また、キリスト教学校での聖書科教諭。また、社会福祉施設や、教区、教団の職員などである。
2012年の『日本基督教団年鑑』には、200名のキリスト教教育主事認定者の名前が載せられている。そのうち、正規の手続きをもってキリスト教教育主事として招聘を受けているのは20名しかいない。その中には、他の教派にうつり、何らかの使命を果たす、あるいは教職(牧師)として召命を与えられて教会に仕えている者もいる。つまり実際に働きの場が少なくなってきている。教会の教勢が落ち、経済状況は許さなくなったなどの理由により、教会学校のためだけに有給のスタッフをおくだけの力がなくなってきたと推察できる。また、職域を広げ、様々な場で働く有資格者をも主事として働くことが出来るとしたが、実際にはそれらの場では「キリスト教教育主事」である必要はなく、その個人の能力によってなされていたので、結果的には200名中20名しか、正式な主事がいないという現状だと推測する。

(2)これからの可能性
単位制に移行したことを、この制度にとってマイナスにとらえてはならない。
キリスト教教育主事の働きには、教会教育を進める上で、大きな期待があるのだが、現実の教会ではなかなかそれを受け止められない。また、前項で述べたように教会の現況がそれを受け入れきれなかった。しかし、全教団的に教会学校が不調な今日、本来、教会教育の召しを受け、そこに献身する人材は必要なはずだ。そういうなかで、今回の単位制移行は却って認定試験受験資格が広がったと理解すべきである。
新規則では、幼稚園教諭や保育士の養成校である教団関係学校で必要単位(24単位)を取得し、神学校で神学20単位以上の科目履修をなせば、認定試験を受けることができる。とすれば、たとえば、教団の教会員である保育科の学生が、キリスト教教育に召され、一幼稚園教諭(保育士)として働くのみならず、キリスト教教育主事として教会幼稚園(保育所)に仕えるという可能性がでてきたということだ。もちろん、具体的に手順を踏むと、在学中に神学の科目履修が困難であり、既に就職をしてから神学の科目履修をおえて、認定試験に臨むこともあろう。このようなことは、今までにもあったことで、認定試験受験者は必ずしも新卒であったわけでない。受洗後の年限などの理由で就職後に受験した者、卒業後、主事としてではなく働き、改めて召された者もいたので、全く不思議なことではない。更には、既に幼稚園(保育所)の現場で働く教師たちのなかで、キリスト教教育主事として改めて召されていく者がでることは歓迎すべきことである。
もちろん、キリスト教教育主事は教会幼稚園(保育所)のみのために存在しているのではない。あくまでもこれは可能性の一つである。しかし、教会幼稚園(保育所)の抱える問題を考える時、これは時宜にかなっているのではなかろうか。そしてその意味で、筆者は、今回の変更を前向きに、そして御心として受け止めている。
日本伝道において、教会幼稚園また保育所の働きは大きな足跡を残した。かつては、教会の経済をも支えていた。しかし、今般、少子化や子どもを取り巻く社会の変化は、キリスト教保育にとって必ずしも順風ではない。教会幼稚園や保育所が教会の重荷になる場合もある。また、神学校では必ずしも教会幼稚園や保育所を前提とした教育を十分に行っているわけではないことも、課題とされる。そういう現実のなか、世俗法上は別の設置形態になる例も少なくない。教会の牧師として召されたが、幼稚園(保育所)は召しの外だと理解する牧師も少なくない。実際、必死にその働きをしようと努力しても、ノウハウを持たず、重荷になることもある。これらの課題について、教会や牧師像から語る必要もあるが、この課題を乗り越える可能性をキリスト教教育主事が負い得るということを述べたい。特に、政府の「子ども子育て新システム」への対応を余儀なくされようとする今日、キリスト教教育主事の新たな使命が必ずやあるはずである。
前述のように、保育者として召された者が、同時にキリスト教教育主事として召されていくことにより、教会幼稚園(保育所)また学校法人化(社会福祉法人化)された教会関係幼稚園(保育所)に仕えることにより、教育、とりわけ幼児教育の専門職である教団が認定した「信徒」としての保育者が誕生する。それらが現場でのリーダー的な役割を負うことで、キリスト教保育の質を保ち、継承することが可能となる。具体的には園長や主任として働くことで、社会的な立場をも持つことができるのだ。そして、関係教会の主事として教会総会で招聘すれば、教会と幼稚園(保育所)の関係はより明確となる。更には、教会学校(子どもの教会)など、教会の教育活動と、幼稚園(保育所)との連携もより強固となる。
逆に言えば、今後、主任や園長となり得る信徒が、祈りのうちにキリスト教教育主事として働くことも可能である。あるいは、それが教会幼稚園(保育所)の将来を明るくするかも知れない。
日本基督教団の諸教会、また教会幼稚園(保育所)など幼児施設が、キリスト教教育主事の賜物で、地の塩、世の光としての働きをなすことを期待している。
尚、試験規則の変更詳細については「教憲教規および諸規則」2011年4月改訂版の『(2013年以降施行分)キリスト教教育主事認定試験規定』を参照されたい。

日本基督教団教育委員長 岸 憲秀

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