寄せ場からの声
ホッとスペースを求めて
《関西労働者伝道委員会》
2024年11月より、関西労働者伝道委員会(関西労伝)は、釜ヶ崎ディアコニアセンター喜望の家に集まり、毎月2回(第2、4水曜日)のペースで、釜ヶ崎界隈で野宿を続けている労働者の寝場所に出向いて安否確認等に取り組むこと(夜回り)を、若い人たちが中心になって続けています。
かつては、大阪だけで約1万人、全国で約2万人の方が野宿を続けていると言われていましたが、いまや野宿者数は激減し、2025年1月の厚生労働省による野宿者調査では、大阪府は763人、全国では2591人となっています。そういった最近の状況ですが、関西労伝夜回りでは、毎回30人ぐらいの労働者の方と出会い続けていますし、労働者に声掛けをしながら、おにぎりやお茶、寒い時期にはカイロや毛布等も配布しています。
こういった夜回りを続ける中で起きた悲しい出来事は、2025年6月、夜回りで出会った労働者の「死」に立ち合ったことでした。その労働者は、釜ヶ崎にある公園の中に建てられている小屋の中で生活を続けていたのですが、次第に体調を崩し、明らかに入院が必要な状態であるにも関わらず、どの夜回りグループが入院を勧めても最後まで拒否。そして、2025年6月、公園の中に建てられている小屋の中で亡くなられたのです。私がその労働者の方に出会ったのは亡くなられる1週間ほど前のことでした。
名前も年齢も誰にも明かさず、公園で一人寂しく亡くなられた労働者の死は私にとっては衝撃的な出来事でした。30年を超える私自身の釜ヶ崎での関わりを改めて問われる出来事でもありました。そしてこの中で思ったことは、亡くなられた労働者の方が、釜ヶ崎で、ホッとくつろげる場を持っていたのだろうかということでした。関西労伝夜回りの次の課題は、野宿を続けている方がたとえ名前や年齢等を明かさなくても、ホッとくつろげる場(ホッとスペース)を具体的に作っていくことではないか、そしてこのことは、「友なき者の友となった」イエスの生き様に少しでも近づくことではないかと改めて思わされている次第です。(大谷隆夫報/関西労働者伝道委員会委員長)






