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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5036号】2025新任教師オリエンテーション(1面)

2025年8月23日

祝福を携え、伝道に励もう

 6月23〜25日の日程で、静岡県熱海市にある「ハートピア熱海」を会場に「2025年度新任教師オリエンテーション」が開催された。参加者は対象となる新任教師が26名、これに加えて教団三役、総幹事、各神学校教師、講演担当者、担当幹事、担当職員、7名の教師委員を加え総勢47名であった。

 今回はこの4月より全国各地の教会に派遣された教師たちのみならず、学校に働きの場を与えられた教務教師も多かったことが一つの特徴としてあげられる。

 一日目、福島純雄教師委員会委員長による開会礼拝をもって始まる。共に賛美歌を歌い、教団信仰告白を唱和した。士師記7章1〜4節を通して、「教師としての現場での戦いは教師であり続ける戦いでもある。その際、自分の持てるもので務めを果たすのではない。非効率でも無駄が多くても神さまに示されたところに仕えていくものである」と伝えられた。

 最初の講演は「伝道を共に担う教団の教師」と題して雲然俊美教団議長より教団の教師であるアイデンティティを確認して欲しいと語られる。また「主の再び来たりたもうを待ち望む」のが教師の務めであるというのも、参加者の耳を開かれたところ。自らの伝道であるよりも、神さまのなさることに信頼し、期待していく。その神さまの御前に愚直に、汗を流し、涙を流し、血を流していくような伝道者であってほしいと語られた。また参加者との質疑応答のやりとりで、教団は多様性の中の一致ではなく、一致ゆえの多様性なのだということも確認された。

 続いて関谷直人同志社大学神学部教授より「ハラスメントと教会」と題してのレクチャーを受ける。教会にあって信徒と教師という立場の違いに起因するハラスメントは他人事ではない。全信徒祭司制を掲げるわたしたちであっても力関係があることの自覚が肝要であると伝えられた。

 夕食後は「交わりのとき」として、参加者がお互いを知り合うプログラムが用意される。講師の話を聞き続けてきた皆さんが、互いに自己紹介しあう。会場全体が、わいわいガヤガヤと参加者の声に満たされる。またみ言葉をジェスチャーによって伝えていく伝言ゲームでは、み言葉を伝える難しさを体験。その難しさも参加者お互いを近づけることとなった。

 二日目の朝礼拝を担当したのは教団書記の黒田若雄牧師。ヨハネによる福音書14章25〜31節より、イエスさまの「平和を与える」という一言を聞いた。自身の体験から、世が与えるような安心と異なり、むしろ困難のなかに平和がすでに置かれているというイエスさまの語りかけが聞こえてきたことが証しされた。

 朝食後「日本基督教団の教師として歩む」と題して菅原力教師養成制度検討委員会委員長による講演。教団の教師であるという自覚、教団の教師となっていくことに自覚的であって欲しいという呼びかけのもと、教憲前文の丁寧な解説がなされる。その解説は語彙や内容理解を深めるということを越えて、公同教会へと神が召してくださったことに思いを馳せる福音的な言葉として語られた。「公同教会を体験的に理解していただき、また虚心に信じて教会形成に励んで欲しい」と勧められた。

 その後のグループ別懇談会ではお互いの教会での働きや課題を話し合う。互いに神に召された教師であるという信頼のもと、現場での悩みや戸惑いなどもそのままに語らうことができた。

 二日目午後は自由時間として熱海の街をそれぞれに散策し、夕食後は「教団の取り組み」と題して「能登半島地震の報告」を内城恵教師委員より、「教団の機構について」は網中彰子教団総幹事より、「部落解放センターについて」を上野玲奈部落解放センター主事より聞く。教会の体としての具体的形、働きに思いを馳せる一時とされた。

 三日目の朝は藤盛勇紀教団副議長によって朝の礼拝が捧げられる。使徒言行録1章3〜11節よりみ言葉が取り次がれ、「聖霊のお働きのなかにある皆さんは大丈夫」と熱く説教がなされた。続く牧会講話は山北宣久田園調布教会代務者より聞く。「伝道・牧会は忍耐」、「羊の臭いのする羊飼いになりなさい」、「イエスさまの副牧師であることを忘れるな」など印象的な言葉を示しながら、若い伝道者に語りかける84歳の現役牧師に一同励ましと慰めを与えられた。

 プログラムの最後に全体の振り返りのときを皆で持つ。口々にこの会での出会いと学びを受け止め伝道に励んでいきたいという言葉が聞けたのは感謝である。

 閉会礼拝では清藤淳教師委員会書記よりルカによる福音書24章44〜53節からイエスさまの祝福のうちに励んでいこうと伝えられプログラムは閉じられた。それぞれが祝福を携え、伝道に励まれるよう祈りたい。(清藤 淳報)

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