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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4995・96号】2023年春季教師検定試験(1面)

2023年4月22日

厳しい時代にあって、主は召し、立て、遣わされる
補教師29名、正教師2名、教師転入1名受験

 2023年春季教師検定試験が2月21〜22日の日程で開催された。コロナ禍で任期延長となった第41総会期教師検定委員会による最後の教師検定試験となった。本委員会はコロナ禍にあって2020年秋季教師検定試験より、レポートおよびオンラインで試験を実施してきた。今回は、PCR検査および抗原検査実施を含め感染予防対策を徹底しつつ、対面での試験開催となった。3年ぶりの対面での試験実施となったが、試験期間中の体調不良者もなく行うことができたことをまず感謝したい。
 春季教師検定試験は補教師試験が中心となる。今回は補教師がCコース継続者を含め29名、正教師2名、教師転入審査1名の受験者が与えられた。補教師試験受験者が30名に届かないというのはこれまでなかったことである。教師検定委員会の課題であるよりも、日本基督教団として「働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい」との主の言葉が迫ってくる。
 試験一日目は礼拝を共に捧げることから始まる。西岡昌一郎委員を通して共にみ言葉に聞き、教師検定試験が主の前にあることを受験者一同受け止めた。学科試験では「教憲教規および宗教法人法」をはじめ「旧約聖書神学」「新約聖書神学」「教会史・教理史」「組織神学」などそれぞれのコースに従って行われた。受験者それぞれが精一杯答案作成に取り組んだ。
 学科試験終了後、Cコースガイダンスを行った。独学で受験するCコース受験者にとって、大きな課題は神学の学びもさることながら、学びをサポートしてくれる教師や仲間を求めることであることを受験者との面談を通して受け止めた。
 試験二日目は全体会と面接試験が行われた。全体会では前日の学科試験の講評が井ノ川勝委員長よりなされた。面接試験では「あなたはなぜ日本基督教団の教師となるのか」と一人一人に問われた。「教会を知らない人に福音を伝えたい」、「主に示されたことに従っていきたい」など主の御前に誠実に生きようとする言葉を受験者それぞれから聞くことができた。
 試験の状況として、提出試験である「説教・釈義」は説明的に論ぜられるものが多かった。新約ではガラテヤ書から説教を求めたが、状況や用語の説明に留まり、パウロおよびパウロの証しするキリストと眼差しを共にするような説教はあまりなかった。エレミヤ書からの説教を求めた旧約では、その傾向はより顕著である。
 学科試験のうち「教憲教規および宗教法人法」では、教憲・教規に従うこととはどういうことかと問うたが、条文の説明に終始するものが少なくなかった。教憲・教規が主の教会の法であること、つまり教憲・教規にもキリストに従う道があることを明確に述べることのできた受験者は極めて限られていた。日頃あまり親しみのない教憲・教規、宗教法人法のために勉強会など持ってきたことがうかがえる同じような傾向の解答が見受けられた。共に学びつつも、自分に与えられた召命の出来事として課された科目を神学的に理解し、答案を作成することを求めたい。
 受験者数が少なかったため、教師検定試験は二日の日程で終わることとなった。
 試験終了後、第41総会期第23回教師検定委員会を開催した。2023年春季教師検定試験の合否の確認、第42総会期教師検定委員会への申し送り事項の確認などを行った。コロナ禍ゆえ様々な対応を強いられてきたが、事務局の尽力と共にその一つ一つが守られたことを感謝したい。

(清藤 淳報)


講評

 2023年春季教師検定試験は、3年ぶりに対面で行われた。受験志願者と顔と顔とを合わせて、学科・面接試験を行い、緊張感が伝わってきた。教師検定試験は神の面前で行われる、伝道者としての召命を問う試験であるとの思いを新たにした。今回の受験志願者は32名で、これまでで最も少ない人数であった。教団の将来と日本伝道の将来に危機感を覚えた。
 受験志願者の多くがコロナ禍の中、神学校に入学した方であった。一人ひとりが学科・面接試験を通して、誠実に自らの召命と向き合っている姿勢を見、生ける神の御業に触れた。厳しい時代にあっても、主は伝道者を召し、立て、遣わされる。
 コロナで委員の任期が2年延長、2名の委員が辞任となり、最後の試験は5名の委員で行った。主に支えられて任期を全うすることができた。

  第41総会期 教師検定委員長 井ノ川 勝


2023年春季・補教師試験問題

 教憲教規および諸規則・宗教法人法
 次の2題について答えてください。

 1.補教師となる者は准允に際し、教憲・教規に従うことが求められます。教憲・教規に従うとはどういうことか、特に教憲を中心に論述してください。
 2.「宗教法人法」の目的、およびそれに即した活動をする上で重要な点を、条文を示しつつ論述してください。

 旧約聖書神学
 以下の2題について、具体的な聖書箇所を引用しながら論述してください。

 1.旧約聖書における罪と律法について
 2.ホセア書について

 新約聖書神学
 以下の2題について、具体的な聖書箇所を引用しながら論述してください。

 1.イエスと「神の国」について
 2.福音書におけるキリスト論について

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