【4930・31号】教憲変更議案:「教憲9条を改正し、伴って関連教規条項を改正する件」掲載について

2020年8月1日 第41総会期 日本基督教団総会議長 石橋秀雄

第70回九州教区定期総会にて、第42回教団総会への提出議案として可決されました。本議案は、「教憲変更議案」となります。教憲12条に則り、教団新報にて「公表する」こととなりました。

提案理由

日本基督教団は、敗戦前の国家統制の厳しい時代に採ることを余儀なくされた二種教職制度を、教会に相応しい制度であると捉えてきた訳ではありません。1954年の教団信仰告白制定後の1956年の教憲改正、それに続く再度の教憲改正作業(1958年)がなされた頃、“教師とは按手礼を領した者ではないか”との意見が盛んに主張され、その正当性を認める形で“准允を受けた者を「教師補」とする”内容の教憲第9条改正案がまとめられたのでしたが、第12回教団総会(1962年)では二種教職制の解消に至らないままの教憲改正となりました。

しかし、議論は止むことなく更に続き、第15総会期信仰職制委員会(1968年−)は“教師を二種とせず、一種のみとすべき”と結論し、同時に教師に至るまでの「教師補」的制度を置くことが望ましいという方向性を打ち出しました。これをうけた第16総会期常議員会(1969年−)は教憲第9条改正の必要を認める決議をなしました。その後、常任常議員会の下に設置された作業委員会が提出した報告を基に常議員会は、1970年7月、第17回教団総会に二種教職制廃止を目的とする教憲第9条改正を正式に提案することを決定したのでした。その内容は、教憲第9条の条文を「本教団の教師は,神に召され正規の手続きを経て献身し,按手礼を領した者とする」というものであり、これに伴う教規、関連規則の変更を第18回教団総会に提案できるように常議員会に準備させるというものでした。

この改正案は、いわゆる「教団紛争」の激化に伴う第17回教団総会延期などの事情の中で、以後の教団総会で毎回継続審議扱いとされざるを得ず、第25回教団総会(1988年)において、全教区の議員が揃う教団総会開催まで審議を凍結するとの決議がなされ、教団総会議案からは消えることとなりました。しかし私たちが忘れてならないのは、この間30余年の長きにわたって信仰の先達が日本基督教団にとっての、あるべき教職制度を形にしようと真剣な努力を続けて下さったという事実であり、教団全体にも、まことの教会となるために二種教職制度の問題を等閑視することはできないとの認識が保持し続けられていたということです。

1982年からは「三委員会連絡会」(教師委員会・信仰職制委員会・教師検定委員会)が、教師制度や教師検定制度のあり方について検討を重ねるという努力があり、第27回教団総会(1992年)は全教区の議員が出揃う総会となりましたが、残念ながら、以後の教団総会で二種教職制廃止をめぐる本格的な議論がなされる機会は多くはありませんでした。本質議論は出尽くしているであろうとの認識と共に、膨大な議論の集積という事実が、その時点での議員たちをして積極的発言をためらわせたものでしょう。そしてまた、時の経過の中で事実上、継続されてきた二種教職制度ですから、これに無頓着な世代が現れてきたことも要因であったと思われます。

直近、最後の教団的取り組みは、第30総会期第5回常議員会(1998年7月)が提案し、第32回総会(2000年)で可決された「教憲9条を検討する件」でした。これは実に3総会期をかけての検討でしたが、教憲第9条検討作業委員会は2006年2月の第34総会期第4回常議員会に、これ以上の検討作業継続は困難であるとの最終報告を提出、常議員会がこれを承認したことによって、二種教職制度は教団の議題とされることなく今日に至ることとなったのでした。この時点で課題克服を阻んだ要因のひとつは、温存された二種教職制度と共存するうちに、補教師という制度の中に訓練期間としての「有用性」を見出す層が現れてきたことであったと考えられます。

以上のように、教憲第9条に定められた二種教職制度に対する問題意識が、時の経過と共に退行してきたことは否めません。しかし、そうであるからと云って、教会の根幹に関わるこの問題を捨て置くことはできません。先の敗戦後にいち早くこの問題を指摘した先輩方やその後に改正努力を積み上げて下さった方々は、“正教師・補教師の別によって御言の宣教と聖礼典執行が分離されることはプロテスタントの神学から承認されないこと”であり、“二種教職制度とは国の圧力の下に採ってしまった便法”であり、“神の主権よりも国権を上位に置いた過ち” の痕(しるし)であることを明確に見抜いておられたのです。この認識は正当です。便法の上に主の教会が建て上げられるはずはなく、“神の主権よりも国権を上位に置いた過ち”の痕を帯びたまま、まことの教会となり得る道理もないことです。補教師制度に訓練期間としての「有用性」を見出すことも本末顛倒というほかありません。

長い年月にわたる議論の膨大な集積に怖れを抱いているとしても、これより生起するであろう法規相互の整合作業や制度整備にたじろぐ思いに囚われているとしても、私たちは「教憲9条を改正し、伴って関連教規条項を改正する」ことを決断すべきです。私たちは主にのみ従う教会であらねばならず、従ってそれを体現せねばならないからです。

尚、本議案は、第41回日本基督教団総会に提出された議案と内容を同じくする議案です。第66回九州教区定期総会(2016年)において決議され、その後、同年開催の第40回日本基督教団総会に提出された議案は、提案者の責めに帰せられるべき理由なく、教憲12条所定の期間内議案公表手続きに瑕疵が生じたため、上程されることがありませんでした。また、この議案に修正を加え、第68回九州教区定期総会(2018年)において決議され、その後、同年開催の第41回日本基督教団総会に提出された議案は、総会に残された審議時間がわずかであったので、短時間でこの議案を判ずることを避けるため、提案者である九州教区総会を代表する総会議長自ら取り下げました。

この過程で、九州教区総会が願ってきたことは、教団の歩み、ひいては「国家と教会」という、信仰の本質にも関わる重要な主題を内包する本議案がこのまま捨て置かれ、二種教職制度の課題が風化していかないこと、また、かつての教団が真剣に向き合おうとした二種教職制度への検討・協議の場が、いま一度回復されることでした。

教団は、第40総会期教師養成制度検討委員会に二種教職制度の取り扱いを委託しました。同委員会は、①「教憲第9条検討作業委員会(2004年〜2006年)」の検討作業と報告を踏まえる、として同委員会委員長と書記を、②「教憲9条改正」議案の提案者である九州教区から提案の概要と趣旨について聴く、として九州教区総会議長を、③二種教職制の問題について神学的な課題について検討する、として東京神学大学学長を、それぞれ招き、聴取を行っています。しかし、第41回日本基督教団総会において九州教区が議案を取り下げたことを理由として、教師養成制度検討委員会は、同委員会として検討を終了させてしまいました。この判断への疑義は拭えません。けれども、より重要であるのは、同委員会自身が、今後、取り扱いを議長と常議員会に委ねる、としている点です。教憲9条の課題は未だ終了していません。一つの委員会に担わせて終わりとするのではなく、議長や常議員会が検討・協議の場を形作り、積極的に課題の解決に向かって取り組みを進めることが必要です。

以上、わたしたち九州教区総会は、教団における二種教職制度の克服を願い、本議案を提出いたします。

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