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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4923号】人ひととき 内本 悦子さん 

2020年3月28日

主は待っておられた

内本 悦子さん 

 内本さんは、結婚する時に父親からプレゼントされた大正15年発行の文語訳聖書を今でも大切に持っている。その聖書には林幸金とサインがしてある。それは年に一〜二回、大阪から金沢の自宅を訪ねてくれた林牧師が、父に贈ったものだった。林牧師は、内本さんが結婚してからも時々自宅を訪ねて祈ってくれた。

 父は洗礼にまでは至らなかったが古い慣習にとらわれず、娘を北陸女学校付属幼稚園(現北陸学院第一幼稚園)に入園させた。そこで初めて内本さんは聖書の御言葉に触れ、讃美歌を歌い、祈ることを知った。昭和16年(1941年)、日本が戦争に突入していく中で、クリスマスに聖誕劇をしたことや旧約聖書のヨナの劇をしたことを今でもよく覚えている。また幼稚園の時に文語訳で覚えたヨハネ伝3章16節は今でも愛唱聖句だ。

 結婚し、夫に教会のことを相談したが、我が家は代々日蓮宗だからと言われ断念。しかし、日々の生活の中で、苦しい時、悲しい時、嬉しい時には自然と祈っていた。それは幼稚園、中学、高校と北陸学院に通う中で身についたものだったのだろう。

 夫に先立たれた後、自宅で開いていた料理教室に通っていた方に教会のクリスマス礼拝に誘われ、何十年かぶりに出席した。その時、まるで故郷に帰ったように心が安らぎ、喜びが溢れた。

 その後、自宅に牧師を招いて家庭集会を行うようになった。3年が過ぎた頃に洗礼の決意が与えられ、2017年4月のイースターに80才で受洗した。幼き頃に蒔かれた福音の種は、長い時を経て成長し花開いた。主がその時を何十年も待ってくださり、林牧師をはじめ、多くの方々が祈り導いてくださったことを、内本さんは心から感謝している。

教団新報
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