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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4921・22号】第41総会期 第6回常議員会 出版局関連 赤字を直視しつつ文書伝道の使命を

2020年2月29日

 二日目午前の議事は、出版局関連の報告に多くの時間が割かれた。

 まず山北宣久出版局理事長が現状を報告。2014年度より赤字が続いていること、その相当を人件費が占めていること、赤字額の3000万円台から1000万円台への圧縮に取り組んでいること、また出版局の課題への対策としてプロジェクトチームを組織したこと等を述べた。その上で「受洗者の減少と教勢の低下という現状があるからこそ、赤字を直視しつつも文書伝道の使命を果たしていきたい。出版局の士気は衰えていない」と述べ、また3億円ほどにのぼる既刊の在庫には良書が多数あることから購入・活用を呼びかけた。

 飯光局長代行は、未払い印税(約1300万円)の解消と、年間約900万円を要する倉庫費の圧縮に取り組んでいることを報告した。その上で、出版局発足時に託された「信徒の養い・教職の学び・社会への発信」という使命に企業体の出版社とは異なる、あくまで「教団の出版局」として励んでいきたい旨を述べた。

 雲然俊美書記からは教団側としての対応とその経過が報告された。まず出版局による銀行借入について述べた。出版局は運転資金のための融資を銀行から受ける際の担保に供する資金を、教団から毎年8400万円を限度に借り入れている。この限度額は2011年に責任役員会にて決議されたもの。今年度も10月に、2回にわたり合計5000万円の借入の申し出があった。これを受けて秋山徹総幹事は、再度借入額を算出することを指示。その後、合計3500万円を借入額とする計画の見直し案が提出された。これに対して前出報告のとおり、印税未払い問題の早急な解消と、倉庫費圧縮の努力、以上の進捗状況の管理・教団への報告を旨とする条件を付した上で、貸し出しを承認した。

 また、監査委員会から教団議長宛に出された出版局の財務状況についての緊急意見書にも触れた。出版局の現預金残高が銀行借入残を下回っていること等を危惧するもので、出版局財政を抜本的に改善する速やかな施策を執行するよう、教団の「果断な指示」を求めるものである。

 これらを受け、対策を協議するために、教団責任役員会と常任常議員会が開催された。そこで今後の出版局の事業展開と経営安定化を目指して出版局理事会、常議員会、教団責任役員会の三者で協議を重ねて対策を講じることが決定された。

 以上の報告を受けて議場からは「信徒の友」が教会であまり読まれていないことを憂慮する声や、若い世代の読者獲得のために電子書籍化やインターネット販売の拡充を要望する意見が出た。

 採決の結果、出版局ならびに教団書記からの報告は承認された。

(米山恭平報)

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