【4720号】召命の時 No.2

主の恵みに支えられて 川染 三郎(高松教会牧師)

気がつけば、伝道43年、古希を迎えていました。この時、思いがけず「召命のとき」を思いめぐらすことになりました。牧師引退の準備をしているときでもあり、不思議な思いで召命のとき、献身の志を与えられたときのことを思いだしています。

献身の思いを家族に話したとき、大反対されました。その理由は、牧師にふさわしくない、つまり牧師の苦労に耐えられないとのことでした。そこで7日間の断食をして、聖書を読み、祈ることにしました。自分自身の志を確認し、家族に理解してもらうために、これしか思いつかなかったのです。

洗礼を受けたのは、父の戦死から12年後に戦死の公報が出て、教会で葬儀をしていただいたとき、父の死の不条理に憤りを感じつつも、主の愛の御手に守られてきたことを知らされたことがきっかけでした。父は39歳で満州の現地で召集を受け、3ヵ月後に敗戦をむかえ、家族の元に戻る途中、現地人に殺害されました。父は神を愛し、教会を愛し、家族を愛し、満州を愛し、そして神に愛され、多くの人に愛されて39年の生涯を生きました。残された家族も、万事を益としてくださる主の愛に守られて今あることを思いました。

高校卒業1年後、布団一つで富士見町教会の堂守の部屋に転がり込み、日本聖書神学校に入学、昼は日本キリスト教協議会に勤めました。質屋通いをしながら飢えをしのいでいましたが、見かねた島村亀鶴牧師の奥様が夜10時に帰って来るのに合わせて食事を作ってくださり健康が守られました。その時、神学校での出エジプトの学びにより、マナを降らせウズラを与えてくださる生ける神の愛の御働きに委ねることを学びました。

思いがけなく米国の教会から奨学金をいただけるようになり、東京神学大学に学ぶようになりました。それから後も生ける神の御手に守られ、万事を益としてくださる主に委ねる歩みとなりました。

兵庫教区のある教会に赴任したのですが、教団紛争に巻き込まれて、教区では教団の教師試験に推薦はできないと言われ、教会の命である聖礼典を教師に執行させないことに失望と怒りを感じて、八丈島中之郷伝道所の招聘を受けて赴任しました。この八丈島では、一途に伝道したいという志を支え、主の御計画に従うなら万事を益としてくださる神に委ねることを学びました。この伝道所では、かしらなるキリストが御働きになり、信徒がその救いの恵みにあずかっている姿に感動させられました。信徒の群れが主の恵みに満たされて生きている姿を見たのです。まさにキリスト体験です。「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである」(マタイ1820)との御言葉のとおり、主の御臨在とその恵みの御働きを体験することができました。

富士見町教会に在任中、東京教区東支区から三宅島伝道所の代務を命じられたときも、二人または三人が主の名の下に祈りを合わせるなら主の御臨在と御働きを見させていただけると信じて、島の伝道に携わりました。三宅島には鎌川文子姉一人がおられました。そのときは八丈島教会の佐藤浩之牧師と2人で島内を駆け巡りました。お訪ねした方の中には、協力してくださる方、献金をしてくださる方、お茶を出してくださる方、迷惑がる方、押し売りを断るようにはっきり断る方など様々でした。2年目の最後に、大島元村教会の相沢良一牧師を講師に迎えた伝道集会には三宅島島内の方10名が出席、祈って支えてくださった八丈島教会の信徒や東支区の方々が集って、主が御働きくださったことを感謝しました。

今、父も、私も洗礼を受けた母教会で牧師の任を終えようとしています。「神の召しにふさわしく応えて来たか」と言われると忸怩たる思いがあります。自分の思いに拘り、主の御意志を踏みつけにしたことを悔いています。「わたしは何と惨めな人間なのでしょう。しかし、主イエスの愛に支えられて来たことを感謝しています」と、そして最後まで、「生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです」と信じて、委ねきり、牧師の任を終わりたいと願っています。

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