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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4888号】夏の特別プログラムを各教区開催

2018年9月15日

北海・奥羽・東北三教区 保養プログラム

「あなたがたに味方がいます」と 伝えるために

 8月2~7日「心と体をリラックス第12回親子短期保養プログラムin 北海道」を札幌で行った。東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染の影響を逃れ、6家族21名(子ども12名)と引率者2名が北海道クリスチャンセンターに滞在、北海教区東日本大震災支援委員会が準備したプログラム等を楽しんだ。

 北日本三教区(北海・奥羽・東北)は定期的に「北日本宣教会議」を開催しているが、2011年秋の会議で「保養プログラム」が提案された。三教区で準備し翌年3月、第1回が札幌で行われた。第6回からは東北教区放射能問題支援対策室「いずみ」が主催に加わり、実務の中心を担っている。滞在先として北海道の他、沖縄教区、九州教区の協力を得て沖縄、奄美でも行われてきた。

 本来「保養プログラム」とは、成長期の子どもたちが放射能の影響のない環境で数週間から数ヶ月を過ごすことで健康の確保をはかる事業のことだ。しかし、現在の日本では子どもたちが長期にわたって家族と離れて生活する場を設けることは難しく、1~2週間、また家族同伴が現実的だ。短期間では医学的な効果はさほど期待できないだろうが、当初考えられていた以上に「親子短期保養プログラム」は意義深いものとなっている。

 参加者のほとんどはキリスト者ではない。数日の滞在期間中、参加者が見知らぬ環境で少しでもリラックスできるよう現地の担当者は準備する。「ぜひ多くの人と出会ってください。そして北海道の私たちの課題も知ってください」と願って、現地の諸教会の面々が手作りの食事を用意し、教会の青年や子どもたちが一緒に遊び、観光地も案内する。なにより放射能の不安なく野外で草に触れ、土を踏み、水にさわり、風に吹かれる。

 毎回大切にしているのが、親たちの「分かちあい」の時間。放射能の不安を抱えての日常生活の苦しさ悩み悲しみを打ち明け語り合う。家族の葛藤、周囲との軋轢、経済的困難、行政への不信、そして子どもたちへのせつない負い目と不安…。少なからぬ親たちが「こんな心の内を語るのは初めて」と涙する。

 プログラムの終わりに、「不安なく食べ、飲んだ」、「草地で転がる子どもの姿がうれしい」、「畑で泥まみれになって感激」といった感想と共に、「赤の他人にどうしてこんなに親切にしてくれるのか」との感謝の言葉も。主のねぎらいを聞く瞬間だ。「保養プログラム」を通し「あなたがたには、見えないけれど味方がいます」と伝えたい。だが、教団や海外教会からの財政支援が終了し、今後もこのプログラムを継続できるか不透明だ。それでも何らかの形で実施できる道を探っていきたい。 (久世そらち報/北海教区東日本大震災支援委員会委員長)

 

東海教区ユースキャンプ

青年修養会に中高生を加えて 初めて開催

 8月10~11日、東海教区ユースキャンプ2018(中高生・青年の集い)が国際青少年センターYMCA東山荘において開催された。

 これまで東海教区では青年修養会を39回に亘って開催してきたが、中高生の集いは行われていなかった。2017年度に教団において行われたリフォユース500中高生大会・青年大会に教区の教会に所属する中高生や青年たちが参加したことを受けて、継続的な信仰の交わりが必要である、という話し合いを経ての開催であった。教区の青年専門委員会と教育部が責任を担った。

 今回は、教団からの伝道方策交付金を参加費補助に充て、若い世代が参加しやすいように配慮することができた。中高生8名、青年5名、引率者・教職22名、合計35名の参加であった。

 講師は堀地正弘牧師(静岡草深)。「であい~わたしが洗礼を受けたわけ」との主題に沿って、学生時代に聖書に触れ、社会人となり教会へ導かれて、礼拝の中でイエス・キリストと出合った経緯を話された。様々な出来事の中で「主は生きておられる」との確信を与えられて洗礼へと至った、という力強い救い主の証しであった。  講演を聴いた参加者は、クリスチャンホームで育つ中学生から有職の青年まで幅広い年代層であったが、10代から20代、それ以降の歩みの中で、最後は神にしっかりと捕えられるのだ、というメッセージをそれぞれが真摯に受け止めた様子であった。

 一日目の夕方や夜、二日目の朝には様々なレクリエーションを行い、親睦を深めた。ゲームや賛美、敷地内での聖書クイズラリーやグループ毎の即興劇披露など、皆が主体的にプログラムに参加し、密度の濃い時間を過ごした。講演を受けてのグループトークは年代別に分けられ、教会生活や洗礼・信仰告白の事柄など、各自の信仰について真剣に話し合う場面もあった。教職を交えた青年たちの懇談は深夜まで続いた。

 二日間と限られた時間ではあったが、開会礼拝から始まり、朝拝、閉会礼拝まで、若い魂が御言葉に多く触れる良い機会であった。日程や会場の問題、教区の全教会への理解の浸透など、課題は残されているが、各委員会では次に向けての話し合いが早速持たれようとしている。

 最後に、一人の参加者の感想を紹介する。「…私の主観では、メンバー同士の交わりが浅くならず、ちょうど良い規模だと感じました。開会礼拝からはじまり、今まで幾度となく考えてきた人間の生きる意味について改めて考えさせられました。これからの人生、神様は私ができることを与えてくださるだろうという期待が持てました」。 (大橋 新報/東海教区青年専門委員書記)

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