【4577・78号】教務教師 神学教師からの声

大切なひとり
生嶌 陽子
(福岡女学院中高聖書科常勤講師)

「牧師であり教師でもある」と言われる教務教師の仕事は、朝八時から始まります。週一五クラスの授業、所属学年の仕事、生徒たちは、中学一年生から大学受験を控えている高校三年生までの成長期真っ只中にいる生徒たち。毎日終わることのない生活指導、そして放課後のクラブ指導(時には日曜の遠征も)と、毎日生徒と共に時間が過ぎていきます。
日曜日、生徒たちは年八回以上の教会出席をします。その後の教会出席はレポート提出という形で聖書の成績に入ります。そのレポート一枚一枚をチェックしながら思うことは、生徒たちが教会で大切にされ、受け入れられ、霊的成長を遂げていることです。
私が働く福岡女学院は、長崎にある活水女学院の創立に貢献された宣教師ミス・ギールによって、一八八五年、福岡美以美教会(現在の福岡中部教会)より出発しました。多くのミッションスクールの女子学校がそうであったように、創立当時の歴史を振り返ると、大変な苦労の中にあっても、多くの祈りに支えられてきた歴史があったようです。そして、女学院は今年、福岡の地で一二〇周年を迎えようとしています。
女学院中学校では入学時に「大切なひとり」という言葉で迎えられます。この言葉は一九六八年~一九八九年まで中高の宗教主事を務められた久保田純一先生が作られた教科書(新教出版社『大切な一人』)の題名でした。それから毎年、一年生の学年目標になっています。一年間、生徒たちはこの学年目標のもと、一人ひとりの存在を大切にする生き方を学びます。
しかし、この社会にあって私たち教師一人ひとりが、「大切なひとり」を毎日心に留めながら、生徒たちを指導していくことは、私自身とても大切なことと思いながらも、それに応えられず恥ずかしい、日々悩みながらの毎日です。
しかし、私たちミッションスクールの『ミッション』とは、「私たち一人ひとりは神に愛された大切なひとりである」ということを子どもたちに伝えていくことが一番大切な使命(ミッション)であると私は考えます。学校は毎日の生活の場であり、生徒たちにとって人生の価値観を築く上で、大きな影響を受ける場です。私たちが、何を一番大切にし、どのような考えのもと生徒と接していくのか、このような時代にあって、もう一度当たり前のことですが、確認していかなければならないと感じています。
世の中が教育基本法をめぐって、「個性・能力主義」が採用され「より能力のあるもの」を大切にし「能力のないものはせめて実直な精神だけ養えばよい」という談話が出され、勝ち組、負け組という安易で軽薄な言葉がもてはやされる流れの中で、私たち教師は生徒たちを、判断しやすい見かけや学力ばかりに捕らわれず、その存在をまず受け入れること、そして神に愛された大切な一人と関わらせていただいている、ということを忘れてはならないと思います。
今から三五年前、院長であった榎本愛子姉は「ぶどう園の働き人」の譬えから「人間社会の尺度では不可解な譬え」と述べた後、「私たちの学校は敢えて『愚にも見える道』を選ばなければならない。これまでもそうであったし、これからもそう行われることをのぞむ」と。創立一二〇周年を前に、この言葉は新しく私たちの心に届きます。イエスは永遠の命を得たいという金持ちの青年に「行ってあなたも同じようにしなさい」と言われました。ミッションスクールに勤める者として、また聖書を生徒と共に学ぶ教務教師として、青年と同じようにたじろがずにいられたら幸せでしょう。

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