日本基督教団教誨師会「研修会・教区代表者会」が7月29、30日、日本基督教団軽井沢南教会において、33名の出席で開催された。この研修会は設立から毎年行われ、今年で4回目となった。
教団教誨師会は、教団伝道委員会の協力を得て、刑務所や少年院をはじめとする法務省所管の矯正施設において宗教教誨にあたっている教団教誨師の働きを支え合い、その宣教の使命を果たすことを目的としている。その働きの重要な一つとして、「研修会と教区代表者会」を毎年、開催している。
今年度は、都会から離れ、避暑も兼ね、自然豊かな軽井沢での開催とした。軽井沢南教会の宮澤豊牧師には、会場教会として心からのもてなしを受け感謝であった。
研修は、ルーテル学院大学教授で府中刑務所において外国人被収容者への教誨も行っているジェームズ・サック氏を講師として、「外国人被収容者への教誨」と「スピリチュアル・ペインとそのケア」についての講演を聞いた。
特に、カウンセリングを専門とする教授の講演をとおして、4つのスピリチュアルな痛み(意味の痛み・関係の痛み・許しの痛み・絶望の痛み)についての説明があり、「受刑者にとっては、絶望の痛みが一番強烈な痛みとしてあり、これが生きる意味を全く失わせてしまう地獄の苦しみとなる。教誨師は、この痛みを聴き、これに寄り添う役割にあり、御言葉や祈りを通して痛みを持っている本人から希望を引き出すことによってスピリチュアル・ケアが実現してゆく」と話した。被収容者が、心からの悔い改めと主からの慰めをもって、新しい人生の歩みができることを教誨師は望んでいる。
教区代表者会は、各教区における教誨師の働きをわかち合う場となっている。教誨師の働きは、他宗教との関わりもあり、何かと費用が発生する。
是非、各教区においても教誨師の働きに理解をいただき、祈りと支援をよろしくお願いしたい。(加藤幹夫報)