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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4655号】牧師のパートナー

2008年7月26日

教会の電話番
石川ふみ子(北本教会員)

気がついてみますと、いつの間にか牧師館生活が三〇年を過ぎておりました。現在牧師は、北本教会で奉仕させて頂いております。北本は、野鳥の声が賑やかで、春はプラムの花が真っ白に咲き誇ります。牧師が米国へ留学中の二年半の間、家族は、教会の皆さんに色々お世話になり感謝でした。今牧師は教会と神学校との間を行ったり来たりして、相変わらず教会に支えて頂いております。
今まで、横浜二ッ橋教会、中遠教会、上尾合同教会とお世話になって参りました。それぞれの教会の皆さんには、本当にたくさんの思い出を頂きました。車の運転が好きな私は、子供たちを乗せて、また教会員の方々をお乗せし、出かけて楽しかった事など思い出します。
そして、その交わりを通して信仰を学ばせて頂きました。毎朝教会のため、一人ひとりのために祈って下さる方々に、何かとお祈りをお願いしたものです。今は、私自身朝起きて、まず聖書を読み祈っています。家庭内でも教会でも祈りの課題がたくさんで、個人的にも頼まれたりで、本当に、せっせと心を尽して祈らせて頂いています。
教会の交わりだけでなく、他の出会いも有りました。長女の真知子は、最重度の知的障がい者です。今三〇歳になりました。この頃は真知子という人は、と大分理解しているつもりですが、今まではと振り返ってみますと、めちゃくちゃに大変な道のりでした。今でも時として夜大騒ぎの事もあって、牧師は教会へ逃げます。
真知子が成長するまでにお世話になった言葉の教室や保育園、養護学校のお友達や先生方、様々な方々にお会い出来ました。グループで染織の作品展もして、教会の皆さんも大勢見に来て下さいました。とても楽しかったです。
そして、今は作業所にお世話になっています。時々バザーがあり行事や父母会も行なわれます。皆、娘、息子が大事で、いない生活など考えられないのです。皆、年を考える暇無く賑やかで楽しく過ごしています。
さて、私は教会の留守番、電話番をしています。日曜日の朝、二階から元気に降りて、教会の扉を開け、新しい風を入れます。その時すでに、天上の奏楽の音が鳴り響くのを心の耳で聞きます。それから玄関や庭をパッパと掃いて台所に回り、お湯を沸かし、礼拝後のお茶会の用意をします。礼拝の時刻になりますと、後ろの方でうろうろして、出席の方が少ないとがっかりしながら、エアコンのスイッチを入れたりしています。
教会には、様々な問題があります。集う私たちも様々な荷を背負って一週間を過ごしています。その一つひとつを礼拝において神様にお渡しして、後は、楽しく皆でお茶会をします。新来者が加わると、よけい元気に楽しくなります。
牧師も私も何かと器用なたちではなく、神様に支えられ歩ませて頂いております。
何時、誰が教会へと導かれて来るのかわかりません。とても不思議な事です。遥か昔、十字架に掛けられた方を信じる受洗者が、今でも教会に与えられ続けている事に感動します。教会の電話番は、時々昼寝していますが、求める方たちの電話をいつも待っています。

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