9月13日~16日、伝道推進室主催「伝道キャラバン鳥取」として、東京神学大学の学生5名と教師2名が伝道の旅に出かけ、鳥取の二つの教会で伝道の喜びと福音の豊かさに与った。
神学生の参加メンバーは、学部1年生が1人、4年生と大学院2年生が2人ずつ、女性3人男性2人、学年の幅もあるが年齢の幅もゆったり30歳、しかもこの学生の中には他教派の教師も含まれている。正直言って、粒は不ぞろいの印象。ところがこれが、隊長の石橋牧師をして「誰一人欠けても成り立たなかった伝道キャラバン」と言わしめた個性の集合だった。
リーダーの教師は石橋秀雄教団議長と藤盛勇紀総務幹事。こちらは、神学生が「先生方はそれぞれ相互補完的関係ですね」と驚くほどに、遠慮無く互いの欠けを補い(指摘し)合う。でこぼこの7人が1台の車に乗り込み、片道700キロの道程で、主にある肢としての個性を確認し合った。
13日夜、誰もが初めての鳥取の街に立つ。ここでみ言葉を語り、まだ見ない方々と主にある交わりを確かめるのだ。嬉しい緊張感に包まれながら、感謝の祈祷会を献げた。
翌14日の土曜日、奉仕させていただく2つの教会を訪ねた。
まず、鳥取市街にある鳥取信和教会。廣田崇示牧師ご夫妻に迎えられた。活水の群の伝統に連なるこの教会は、何より祈りを重んじる。主日礼拝の中で信徒が次々と祈るスタイルに、神学生たちも興味津々。さらに、「祷告名簿」と呼ばれる祈祷課題を綴った信徒名簿を手に祈る姿勢に、自分の将来の牧師の姿を重ねているようだった。
次に、鳥取郊外の田園風景の中に用瀬教会を訪ねた。すでに葉以潔牧師と信徒の皆さんが待っていた。そこに数名の子どもたちもいるのを見て、石橋牧師は突然、トランプ手品と腹話術を立て続けに披露。一気に雰囲気が和んだところで、信徒の方々とゆっくりと懇談。伝道の労苦と喜びを分かち合った。
土曜日の特別プログラムは、鳥取砂丘。砂丘美術館の見学の後、砂丘へ。想像以上に広い砂丘を3時間ほど歩きながら、ある砂山の上で、次々と讃美歌を歌う。力一杯、声の限り讃美する。なかなか味わえない経験だ。オアシスでは、たまたま見つけたトノサマガエルを見ていると、県の職員の方が近づいてきて、これは数万人に一人くらいしか見られない「幻の蛙」だという。これもまた貴重な経験。
宿に帰り、翌日の主日礼拝での奉仕を楽しみにしつつ、夜の礼拝を献げる。
15日の主日、2つの教会でそれぞれ説教・講演、証し等の奉仕に当たる。2つの特質ある教会の交わりに入れられ、「こんなことがあった」「ここはぜひ学びたい」と、受けたものの豊かさを互いに喜びあった。
16日、出発の朝、用瀬教会に再度立ち寄った。訪ねる前には、地方伝道の困難の中で悪戦苦闘する姿を想像したが、喜びに溢れて豊かで実りある伝道をする現実を目の当たりにした。ゆったりとした構えの葉牧師は、主のために献げることにおいては隙が無い。一行は、「どうしてこれほどの働きができるのか」「これを真似たい」「ここは探ってみたい」と、得難い刺激を受け、興奮気味。
何とも嬉しい興奮は帰りの車内に満ち、東京神学大学で感謝のうちに祈りを共にした。(藤盛勇紀報)