2019年 日本基督教団・在日大韓基督教会 平和メッセージ
日本基督教団と在日大韓基督教会は、1984年に宣教協約を締結してから35年の歴史を神に導かれてきました。わたしたちを結びあわせる主イエス・キリストは、十字架によって敵意の中垣を壊し、二つのものを一つにしてくださる和解と平和の主であることを信じ、以下の平和メッセージを宣言いたします。
<天皇の代替わりをめぐって>
本年5月、天皇の代替わりに伴い、改元が実施されました。しかし、国民が主権者であるべき日本において、社会生活の時間が天皇の交替に支配されることに強い疑念を覚えます。また、天皇の交替にともなって一連の行事が神道の装いのもとに行われています。とくに秋に予定されている大嘗祭は、神道行事そのものにほかなりません。これらが公の行事として行われることは、憲法の定める政教分離原則に違背し、基本的人権である信教の自由を侵害するものです。
明仁前天皇は、沖縄をはじめ太平洋諸島への「追悼の旅」を繰り返してきました。そこに平和を願う意思は表されたものの、かつての戦争と植民地支配にかかわった昭和天皇の責任が表明されることはありませんでした。戦後74年間、日本の国民と政府が、天皇と日本国家の歴史責任を不問に付してきた姿勢がそこに現れているともいえます。日韓関係における旧日本軍「慰安婦」問題や、いわゆる「徴用工」問題などの根底に、こうした戦後責任の問題が横たわっています。わたしたちは、北東アジアにおいて日本が真実に和解と平和を構築する道をたどるために、戦争と植民地支配の歴史にかかわる戦後責任を自覚し、表明し続けます。
<憲法第9条と安保問題をめぐって>
今、沖縄の民意を踏みにじり、また環境破壊をも伴って、辺野古米軍基地建設工事が強行されています。主権国家であるはずの日本が、日米安保条約と日米地位協定によって米国に従属させられていることのあからさまなしるしです。わたしたちは、沖縄の人びとの辺野古基地反対の声を支持し、連帯していきます。
安倍政権は、北朝鮮や中国の脅威を過度に強調し対決姿勢をあらわにしながら、武器輸出三原則見直し(2014年4月)、集団的自衛権行使容認(同年7月)、安保関連法制(2015年9月)に続き、憲法第9条への自衛隊明記を主張し、戦争のできる国への道を突き進もうとしています。しかし、永久の戦争放棄と戦力不保持を定め交戦権を否定した現行憲法第9条は、世界平和の象徴であり、また世界への約束です。わたしたちは、キリストの平和の福音に基づき、憲法第9条改定に断固反対するとともに、日本と朝鮮半島の非核・平和の道の構築を宣教の使命として、目指します。
<原子力行政と福島放射線健康被害をめぐって>
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所爆発事故は世界に影響を及ぼし、ドイツなどの諸国が原発の縮小・廃止へと政策を転換しました。しかし日本政府は従来通りの原子力政策に固執し、放射線被ばく被害(甲状腺がんなど)の徹底究明どころか、原発事故と健康被害との関連性さえ認めようとしていません。自然環境の取り返しのつかない破壊をももたらしかねない政府の姿勢には、核兵器開発のもくろみも疑われています。わたしたちは、政府と東京電力のこうした姿勢への怒りと憂慮を表明するとともに、脱原発の道を提唱し、また放射線健康被害状況の徹底究明を求めます。
<ヘイトスピーチ問題をめぐって>
2016年6月にヘイトスピーチ解消法が施行されましたが、罰則の伴わない理念法にとどまっています。街頭やインターネット上での在日コリアンに対するヘイトスピーチ行動は止むことがなく、その広がりは深刻です。1923年の関東大震災の際には、こうした差別的流言飛語によって朝鮮人虐殺事件が起こったことを忘れてはなりません。わたしたちは、いのちを脅かし社会を頽廃させるヘイトスピーチの防止のため、より徹底した法改正を強く望みます。
<朝鮮高校無償化問題をめぐって>
日本政府は、北朝鮮との間の外交上の問題を理由に、理不尽にも朝鮮高校を高校無償化の対象から除外しています。これは在日コリアンに対する明白な民族差別であり、子どもの教育権に対する侵害行為として、国連人権機関も再三、是正を勧告しています。わたしたちは、日本政府が差別政策を即時撤回し、朝鮮高校の無償化を実現するよう求めます。
<在日外国人政策をめぐって>
日本社会の労働力不足に伴い、「技能実習制度」が実施されて10年になりますが、国際貢献という法目的と全くちがって、外国人を低賃金労働力として酷使し、深刻な人権侵害がもたらされています。また、昨年の入管法改定によって、新たに「特定技能1号・2号」という在留資格が設置されましたが、これは技能実習生の在留期間を引き延ばし、低賃金労働体制を温存するものです。
現在、すでに在日外国人280万人、外国人労働者がおよそ150万人に及ぶいっぽう、1万人を超える在日外国人児童が未就学状態に置かれています。わたしたちは、日本政府が、外国人労働者を使い捨てる発想に基づく入管行政を改め、共生を尊重する政策へ転換することを強く願います。
わたしたちの教会は今、地球を席巻する過酷なグローバル経済の下で激変していく社会にあって、この世に遣わされたキリストの体なる教会として、寄留者を歓待の精神で迎えながら、単にナショナルな教会ではなく、寄留者が招き入れられる「神の家族」(エフェソ書2:19)として改革されて行くことが求められています。それは同時に、教会自体が今から次の時代へと、頭なる主にイエス・キリストによって生かされ、遣わされ、用いられる道であると考えます。
2019年8月
日本基督教団 総会議長 石橋 秀雄
在日大韓基督教会 総会長 金 鐘 賢
13:44次の安息日になると、ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まって来た。
13:45しかし、ユダヤ人はこの群衆を見てひどくねたみ、口汚くののしって、パウロの話すことに反対した。
13:46そこで、パウロとバルナバは勇敢に語った。「神の言葉は、まずあなたがたに語られるはずでした。だがあなたがたはそれを拒み、自分自身を永遠の命を得るに値しない者にしている。見なさい、わたしたちは異邦人の方に行く。
13:47主はわたしたちにこう命じておられるからです。『わたしは、あなたを異邦人の光と定めた、/あなたが、地の果てにまでも/救いをもたらすために。』」
13:48異邦人たちはこれを聞いて喜び、主の言葉を賛美した。そして、永遠の命を得るように定められている人は皆、信仰に入った。
13:49こうして、主の言葉はその地方全体に広まった。
13:50ところが、ユダヤ人は、神をあがめる貴婦人たちや町のおもだった人々を扇動して、パウロとバルナバを迫害させ、その地方から二人を追い出した。
13:51それで、二人は彼らに対して足の塵を払い落とし、イコニオンに行った。
13:52他方、弟子たちは喜びと聖霊に満たされていた。
14:1イコニオンでも同じように、パウロとバルナバはユダヤ人の会堂に入って話をしたが、その結果、大勢のユダヤ人やギリシア人が信仰に入った。
14:2ところが、信じようとしないユダヤ人たちは、異邦人を扇動し、兄弟たちに対して悪意を抱かせた。
14:3それでも、二人はそこに長くとどまり、主を頼みとして勇敢に語った。主は彼らの手を通してしるしと不思議な業を行い、その恵みの言葉を証しされたのである。
14:4町の人々は分裂し、ある者はユダヤ人の側に、ある者は使徒の側についた。
14:5異邦人とユダヤ人が、指導者と一緒になって二人に乱暴を働き、石を投げつけようとしたとき、
14:6二人はこれに気づいて、リカオニア州の町であるリストラとデルベ、またその近くの地方に難を避けた。
14:7そして、そこでも福音を告げ知らせていた。
13:13 パウロとその一行は、パフォスから船出してパンフィリア州のペルゲに来たが、ヨハネは一行と別れてエルサレムに帰ってしまった。
13:14 パウロとバルナバはペルゲから進んで、ピシディア州のアンティオキアに到着した。そして、安息日に会堂に入って席に着いた。
13:15 律法と預言者の書が朗読された後、会堂長たちが人をよこして、「兄弟たち、何か会衆のために励ましのお言葉があれば、話してください」と言わせた。
13:16 そこで、パウロは立ち上がり、手で人々を制して言った。「イスラエルの人たち、ならびに神を畏れる方々、聞いてください。
13:17 この民イスラエルの神は、わたしたちの先祖を選び出し、民がエジプトの地に住んでいる間に、これを強大なものとし、高く上げた御腕をもってそこから導き出してくださいました。
13:18 神はおよそ四十年の間、荒れ野で彼らの行いを耐え忍び、
13:19 カナンの地では七つの民族を滅ぼし、その土地を彼らに相続させてくださったのです。
13:20 これは、約四百五十年にわたることでした。その後、神は預言者サムエルの時代まで、裁く者たちを任命なさいました。
13:21 後に人々が王を求めたので、神は四十年の間、ベニヤミン族の者で、キシュの子サウルをお与えになり、
13:22 それからまた、サウルを退けてダビデを王の位につけ、彼について次のように宣言なさいました。『わたしは、エッサイの子でわたしの心に適う者、ダビデを見いだした。彼はわたしの思うところをすべて行う。』
13:23 神は約束に従って、このダビデの子孫からイスラエルに救い主イエスを送ってくださったのです。
13:24 ヨハネは、イエスがおいでになる前に、イスラエルの民全体に悔い改めの洗礼を宣べ伝えました。
13:25 その生涯を終えようとするとき、ヨハネはこう言いました。『わたしを何者だと思っているのか。わたしは、あなたたちが期待しているような者ではない。その方はわたしの後から来られるが、わたしはその足の履物をお脱がせする値打ちもない。』
13:26 兄弟たち、アブラハムの子孫の方々、ならびにあなたがたの中にいて神を畏れる人たち、この救いの言葉はわたしたちに送られました。
13:27 エルサレムに住む人々やその指導者たちは、イエスを認めず、また、安息日ごとに読まれる預言者の言葉を理解せず、イエスを罪に定めることによって、その言葉を実現させたのです。
13:28 そして、死に当たる理由は何も見いだせなかったのに、イエスを死刑にするようにとピラトに求めました。
13:29 こうして、イエスについて書かれていることがすべて実現した後、人々はイエスを木から降ろし、墓に葬りました。
13:30 しかし、神はイエスを死者の中から復活させてくださったのです。
13:31 このイエスは、御自分と一緒にガリラヤからエルサレムに上った人々に、幾日にもわたって姿を現されました。その人たちは、今、民に対してイエスの証人となっています。
13:32 わたしたちも、先祖に与えられた約束について、あなたがたに福音を告げ知らせています。
13:33 つまり、神はイエスを復活させて、わたしたち子孫のためにその約束を果たしてくださったのです。それは詩編の第二編にも、/『あなたはわたしの子、/わたしは今日あなたを産んだ』/と書いてあるとおりです。
13:34 また、イエスを死者の中から復活させ、もはや朽ち果てることがないようになさったことについては、/『わたしは、ダビデに約束した/聖なる、確かな祝福をあなたたちに与える』/と言っておられます。
13:35 ですから、ほかの個所にも、/『あなたは、あなたの聖なる者を/朽ち果てるままにしてはおかれない』/と言われています。
13:36 ダビデは、彼の時代に神の計画に仕えた後、眠りについて、祖先の列に加えられ、朽ち果てました。
13:37 しかし、神が復活させたこの方は、朽ち果てることがなかったのです。
13:38 だから、兄弟たち、知っていただきたい。この方による罪の赦しが告げ知らされ、また、あなたがたがモーセの律法では義とされえなかったのに、
13:39 信じる者は皆、この方によって義とされるのです。
13:40 それで、預言者の書に言われていることが起こらないように、警戒しなさい。
13:41 『見よ、侮る者よ、驚け。滅び去れ。わたしは、お前たちの時代に一つの事を行う。人が詳しく説明しても、/お前たちにはとうてい信じられない事を。』」
13:42 パウロとバルナバが会堂を出るとき、人々は次の安息日にも同じことを話してくれるようにと頼んだ。
13:43 集会が終わってからも、多くのユダヤ人と神をあがめる改宗者とがついて来たので、二人は彼らと語り合い、神の恵みの下に生き続けるように勧めた。
13:1 アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。
13:2 彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。」
13:3 そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。
13:4 聖霊によって送り出されたバルナバとサウロは、セレウキアに下り、そこからキプロス島に向け船出し、
13:5 サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせた。二人は、ヨハネを助手として連れていた。
13:6 島全体を巡ってパフォスまで行くと、ユダヤ人の魔術師で、バルイエスという一人の偽預言者に出会った。
13:7 この男は、地方総督セルギウス・パウルスという賢明な人物と交際していた。総督はバルナバとサウロを招いて、神の言葉を聞こうとした。
13:8 魔術師エリマ――彼の名前は魔術師という意味である――は二人に対抗して、地方総督をこの信仰から遠ざけようとした。
13:9 パウロとも呼ばれていたサウロは、聖霊に満たされ、魔術師をにらみつけて、
13:10 言った。「ああ、あらゆる偽りと欺きに満ちた者、悪魔の子、すべての正義の敵、お前は主のまっすぐな道をどうしてもゆがめようとするのか。
13:11 今こそ、主の御手はお前の上に下る。お前は目が見えなくなって、時が来るまで日の光を見ないだろう。」するとたちまち、魔術師は目がかすんできて、すっかり見えなくなり、歩き回りながら、だれか手を引いてくれる人を探した。
13:12 総督はこの出来事を見て、主の教えに非常に驚き、信仰に入った。
12:20 ヘロデ王は、ティルスとシドンの住民にひどく腹を立てていた。そこで、住民たちはそろって王を訪ね、その侍従ブラストに取り入って和解を願い出た。彼らの地方が、王の国から食糧を得ていたからである。
12:21 定められた日に、ヘロデが王の服を着けて座に着き、演説をすると、
12:22 集まった人々は、「神の声だ。人間の声ではない」と叫び続けた。
12:23 するとたちまち、主の天使がヘロデを撃ち倒した。神に栄光を帰さなかったからである。ヘロデは、蛆に食い荒らされて息絶えた。
12:24 神の言葉はますます栄え、広がって行った。
12:25 バルナバとサウロはエルサレムのための任務を果たし、マルコと呼ばれるヨハネを連れて帰って行った。
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