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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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ゼカリヤ書2・14~17

2019年12月22日

2:14娘シオンよ、声をあげて喜べ。わたしは来て/あなたのただ中に住まう、と主は言われる。

2:15その日、多くの国々は主に帰依して/わたしの民となり/わたしはあなたのただ中に住まう。こうして、あなたは万軍の主がわたしを/あなたに遣わされたことを知るようになる。

2:16主は聖なる地の領地として/ユダを譲り受け/エルサレムを再び選ばれる。

2:17すべて肉なる者よ、主の御前に黙せ。主はその聖なる住まいから立ち上がられる。」

2019年12月21日

その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。《ルカによる福音書2章8〜15節》

不安と恐れの中の出来事

 主イエス・キリストの誕生の知らせは、全ての人々にとって大きな喜びの訪れです。キリスト降誕が伝えられると、マリアとヨセフはべツレヘムまで移動する必要が生じましたが、身ごもっていたマリアにとっては過酷な旅となりました。今日のように発達した交通網があった訳ではありませんから、その大部分が徒歩による荒れ野の旅であり危険に満ちていました。たとえ無事にべツレヘムに到着しても、住民登録のために町の中へと群衆が流入したので宿屋はどこも満室となり、少しの時間でも体を休める所さえ見つけることが困難でした。ですから、疲労困憊してようやく見つけたのが家畜小屋であったとしても仕方ないことでした。主イエス・キリストは、このように家畜小屋の隅に置かれた動物用の餌箱の中にお生まれになり産声を上げられました。これが、キリスト降誕の知らせを受けたマリアとヨセフが過ごしたクリスマスの夜の出来事だったのです。

 一方、夜通し羊の群れの番をしていた羊飼いたちにも良い知らせが届きました。しかし彼らもまた、不安と恐れの中に夜を過ごしていたのです。羊飼いが羊の群れの番をしたのは荒れ野であり、夜ともなれば羊を狙う強盗や肉食獣が襲って来ることもあったからです。羊の群れを外敵から守るために不眠不休で働いた羊飼いたちにとって、荒れ野で過ごす夜は不安と恐れを感じさせるに十分だったのです。そして突如として漆黒の闇に主の栄光が周りを照らした時、羊飼いたちの恐怖心は絶頂に達しました。彼らもまた、不安と恐れの中にクリスマス前夜を過ごしたのです。

 

希望と喜びの出来事

 こうした不安と恐れに満ちた長い夜は、救い主誕生の知らせが実現したことで希望と喜びに包まれました。お生まれになられた乳飲み子イエスは、家畜小屋のマリアやヨセフだけではなく、危険な荒れ野で夜通し過ごした羊飼いたちを含む、全人類にとっての救い主であると告げられたからです。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」。

 この「あなたがたのために救い主がお生まれになった」という御言葉は、今も不安や恐れの中にある全ての人々を勇気づけ、生きる希望を回復させる力に満ちています。何故なら、お生まれになられた乳飲み子は、その後成長されると神の御国の到来を宣言し、弟子たちを連れてガリラヤで宣教され、良い知らせとしての福音を宣べ伝えられたからです。

 しかしその結果、敵対者たちによって十字架刑に処せられ殺されたのです。この出来事は、主なる神ご自身が人類の罪をお引き受けくださったということであり、審かれるべき罪人にとっては救いの出来事となりました。そして主イエスは、三日目に復活されました。主の復活の出来事によって、その罪の故に死を免れないはずの全ての者は、永遠のいのちに生きる希望を与えられ救われたのです。

 マリアとヨセフそして羊飼いたちは、こうした救い主誕生の知らせが届けられたこと、そして主イエス・キリストの誕生によって救いの希望と喜びが到来したと確信したことによって、心の内を占めていた不安と恐れが払拭された代わりに、御子をお遣わしになられた主なる神に対する心からなる感謝と喜びの思いが溢れ出たのです。

 救い主誕生の出来事は、キリストによる救いが完成される神の御国の到来を告げる良い知らせ(福音)そのものであり、全ての人々のもとへとあまねくもたらされた希望と喜びに満ちた出来事です。

 そしてこの良い知らせを聞く者は、誰もが希望と喜びの中に生きる者へと変えられるのです。

 

良い知らせとしての福音

 「知らせ」と言う時、私は宣教師として派遣されたフィリピンでの生活を思い起こします。当時、私は北部ルソンの高原都市バギオからバスで更に4時間半ほど山道を登った山岳地帯の農村教会を拠点に福音宣教の働きに従事していました。そこは携帯電話の電波が届かず、インターネットの設備も整わない地域であり、陸の孤島と表現したくなるような環境でした。ですから日常生活で特に不便を感じたのは、日本から届く郵便物を、勘を頼りに受け取りに行くことでした。日本から送られた郵便物は山を下った町の郵便局に留められたため、たった一通の手紙を受け取るのも一日一本のバスを利用することから全行程二日以上を要したのです。手紙が届いていると予想して郵便局に行っても、届いていなければ翌日のバスに乗って家へと一旦戻り、頃合いを見計らって再び出直すのです。

 こうしたことを繰り返しますと、期待して待つよりもむしろ知らせを受け取る行為自体が億劫に感じるようになります。期待して出かけて行っても、知らせは届かず無駄足になるかも知れない。半信半疑の生活というのは、日本社会の便利な生活に慣れてしまった者にとっては辛い経験となったのです。

 しかし或る年のクリスマスの時期、意を決して郵便局を訪れると、待ちわびていた手紙が何通も届いていました。それは日本の家族や教会関係者、そして多くの支援者から届いた心温まるクリスマスカードだったのです。そして封を切って中のカードを開いてみますと、「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」と書かれていたのです。

 この御言葉が私の目に飛び込んだ瞬間、それまでの苦労が一気に吹き消される程の感謝の思いに満たされました。これ以降、私は何時間かかったとしても出かけて行って受け取る価値のある良い知らせ(福音)が、御言葉を通じて与えられていることを心から信じ、また神に感謝するようになりました。

 

福音を宣べ伝える

 救い主誕生の知らせによってもたらされる希望と喜びは、キリスト降誕の場面に居合わせた者にのみ与えられたのではありません。主なる神は、御子を通じて世に表された良い知らせを、いつ如何なる時も人々を用い、また様々な方法を以て届けてくださいます。

 クリスマスの夜、羊飼いたちは見聞きしたことがすべて天使の話した通りだったので、神を崇め賛美しながら家路につきました。

 私たちも、良い知らせ(福音)による希望と喜びを携えて生活の場へと帰り、福音を宣べ伝える者として祝され用いられるのです。

(日本聖書神学校校長)

♦北海教区♦ 国民主権に違反しない儀式を

 北海教区は、天皇代替わりにともなう諸儀式が、日本国憲法の国民主権、基本的人権の保障の原則に違反するものであってはならないとの観点から、問題意識をもって取り組んできた。裕仁天皇から明仁天皇に皇位継承が行われた時の諸儀式は日本国憲法にはふさわしくないと思われるものが多くあったため、その誤りを正していく自覚と行動が必要であると考えている。それと同時に、象徴天皇制とは何か、そもそも天皇制とは何かを考えることも大切だと考えている。

 2018年11月23日、「第49回靖国神社問題北海道キリスト教連絡会議」が札幌北光教会で開催された。参加者41名。この集会はキリスト教4団体が幹事団体として共催するもので、教団北海教区はその一つである。北海教区の平和部門委員長の佐藤幹雄牧師(岩見沢)が「天皇代替わりと『国民主権』」と題して講演した。大嘗祭は天皇が神となる儀式であること、国民を統合することが天皇の使命であるとする明仁天皇の解釈は国民主権と矛盾することを話した。

 2019年3月11日、「第36回北海道宗教者懇談会」が開催された。「天皇の代替わり儀礼と信教の自由」と題して、島薗進氏が講演。教団北海教区、日本キリスト教会北海道中会、真宗大谷派、浄土真宗本願寺派が共催する集会である。参加者は69名。

 2019年4月に行われた第79回北海教区定期総会では、議案「天皇代替わりに際し行われようとしている大嘗祭及び即位礼正殿の儀の中止を要求し、実施した場合は、断固たる抗議を継続する決議に関する件」を可決した。

 この議案は、大嘗祭と即位礼正殿の儀は天皇の神格化をあらわす神道儀式であり、国民を天皇に臣従させる服属儀礼であって、明らかに憲法の主権在民と政教分離原則に違反するので、中止を要求すると共に、実施すれば断固として抗議を継続するという内容である。

(浦部浩行報)

 

♦兵庫教区♦ 毎月1回、連続集会を実施

 兵庫教区(以下、教区)は、2003年度教区総会で「天皇制問題は宣教の課題である」と再確認し、靖国・天皇制問題情報センターを支援することを決議した。

 また、2016年8月8日に公表された「生前退位の意向を示した天皇メッセージ」を受け、2017年度教区総会で「大嘗祭に反対する件」を決議した。

 2019年度は常置委員会、教区天皇制問題特設委員会主催で連続集会を実施した。

 4月30日(退位の日)は、但馬地区・豊岡教会で、「天皇退位の日・ホントの意味で、『平成』とさよならしよう」をテーマに集会を行った。

 5月1日(即位の日)は、教区クリスチャン・センターで、横田耕一氏(憲法学者)を講師に招き「天皇代替わりと私たち−『天皇教』の存続」をテーマに講演会を行った。

 11月14日(大嘗祭)には、教区クリスチャン・センターで、「大嘗祭って何?」をテーマに学習会を行った。

 この連続集会は、4月から11月まで毎月1回、教区内のいずれかの地区で行った。

 地区の教師会や懇談会のプログラムの中で天皇制問題をテーマに取り上げてもらった集会もある。集会テーマも「教師会一斉試験『これが分からないと日憲ちゃんに叱られる〜!」(第3回)、「天皇制と私たち」(第4回)、「元号から考える天皇制集会」(第5回)、「聖書×憲法 おしゃべりカフェ」(第6回)と多様だった。各地区の集会に参加した人たちがそれぞれの思いを語り合うことができた。

 現人神と担ぎ上げられた人間を、私たちの象徴とすることは信仰の問題である。キリスト者こそ、いのちと尊厳に関する問題に沈黙してはいけない。神様からいのちを与えられていることを信じ、一つ一つのいのちが尊重される世界、真実と平和を求める。

 キリスト教信仰に立つからこそ教会・伝道所の皆様と共に活動を続けていきたい。(松本あずさ報)

 

♦東京教区♦ 「元号問題と天皇代替わり儀式」を主題に

 東京教区社会部は「教団社会活動基本方針」に基づきながら、教区社会部主催による講演会を開催している。

 今年は活動方針のうち「憲法を守り、民主主義を擁護する」、「信教の自由を守る」にあたる事柄として、大嘗祭が行われることもあるので、元号問題、そして大嘗祭を含めて「元号問題と天皇代替わり儀式」を主題とした。

 講演会は11月4日、富士見町教会を会場にして開催し、講師には「元号問題」に取り組んでいる憲法学者である稲正樹氏(前国際基督教大学教授、所沢みくに教会)を迎えて講演をしてもらったが、唯一なる神への信仰の根幹が揺るがされている事態にどのように対処するかが問われた。

 講演の要点は、元号については、①元号はイデオロギーとしては皇帝が時を支配する宗教的権威顕示、政治的には支配と服従関係確認の制度、②一世一元は明治政府の発明で、明治憲法と旧皇室典範(皇室の家法)により引き継がれ、元号と天皇制は一体不可分、③日本国憲法以後は法的根拠を失い慣習として使用されたが、元号法(1979年)により天皇代替わりで元号が変更されることになったことなど、元号問題が丁寧に取り扱われた。

 次に天皇代替わり儀式については、①日本国憲法では、天皇代替わり儀式を国家的な行事として行う根拠の失効、②三種の神器承継を国事行為として行うことは憲法の国民主権と両立しない、③即位後朝見の儀、即位礼正殿の儀が国事行為の儀式として行われることの違憲性、④大嘗祭は明白な宗教儀式であり、戦前は天皇が神となる儀式と理解されていたこと、政府は大嘗祭が宗教上の儀礼であり、皇室の私的行事であることを認めつつ、公的性格があるとして宮廷費から支出するなど明白な政教分離違反であることなど、憲法・法律上の根拠についての問題が指摘された。(大友英樹報)

 11月18・19日、ソウルで、第7回韓日5教団の宣教師に関する実務者会議が開催された。

 2016年より始まったこの会議は、大韓イエス教長老会(PCK)、韓国基督教長老会(PROK)、基督教大韓監理会(KMC)から日本に派遣される宣教師の人事に関する諸課題について、在日大韓基督教会(KCCJ)と共に協議をするものである。

 これまでの6回の会議において、韓国3教団から日本に派遣されている宣教師の働きの状況や、教団における宣教師受け入れ手続きおよび現状の報告、日本における宣教師の活動報告、日本宣教を目指している宣教師候補者のインターンシップ制度構築の検討等について協議してきたが、この度は、あらかじめ本会議をもってこの会議の開催を終了することとしていた。

 今回は、韓国3教団より世界宣教部門や宣教師人事の担当者が出席し、KCCJからは趙永哲総会長ほか4名、教団からは雲然俊美書記と加藤誠世界宣教担当幹事が出席した。

 会議においては、各教団における宣教師人事とその働きに関する取り組みの現状報告がなされ、その後、今回の会議で通訳を担当した長尾有起宣教師(PROK)、KMCから派遣されている尹成奎宣教師(教団津島日光川燈台伝道所)、PCKから派遣されている朴榮喆宣教師(KCCJ対馬めぐみ教会)の3名から、日本宣教における近隣教会や教師および教区との連携の大切さ、日本における教会形成と伝道の特色、韓国から日本に来る旅行者への伝道の取り組み等について、とても有意義な報告がなされた。

 その後、金柄鎬KCCJ総幹事より、日本宣教を志す宣教師養成のための「日本宣教アカデミー」開設構想案が出され、協議の後、今後、韓国から日本に派遣される宣教師の事前学習の場の設置に向けて、各教団の担当幹事を中心に検討を進めることとした。

 以上をもって4年にわたる協議を終えた。(雲然俊美報)

 四国教区では、昨年度伝道資金として、伝道交付金360万円、教区伝道方策交付金81万9400円、合計441万9400円を受領した。このうち、教区伝道方策交付金は、特に継続的な取り組みが必要と考えている主として5つの働きのために用いた。それは、青年育成費、在日大韓基督教会新居浜グレース教会との合同シンポジウム開催費、教区広報費、差別問題学習会費、そして、ハラスメント対策費である。

 今回は、特に青年育成費について報告する。四国では、進学や就職を機に四国を離れる青年が少なくない。教会でも、同様の傾向が続いている。しかし、少数ではあるが、四国教区の教会で信仰生活を送る青年が与えられている。そのような一人一人の信仰の歩みを支えていくことが、教区の重要な使命であると受け止めている。

 現在、教区には青年部は存在しないが、青年に対する取り組みを継続するために、教育部の下に青年伝道小委員会を設置している。この委員会を通し、各分区の青年会活動の支援や教区青年集会の開催協力を行ってきた。各分区の青年会活動の現状は厳しいが、少数であっても、地道な活動が積み重ねられている。そういう中で、新しい青年が活動に加わることも起こっており、感謝である。また、各分区青年会が持ち回りで開催の責任を負う「教区青年集会」は、今年37回となり、青年が直面している課題を共有するよき学びと交わりの時となっている。

 四国教区では、各教会に青年会がない教会も少なくない。そのような教会の青年が、分区や教区の会に参加し、青年同士の交わりを与えられることは、大きな意味を持つ。そのような働きの重要性を考え、教区伝道方策交付金を用いている。全教団的な伝道支援の祈りに、四国教区の青年活動が支えられていることは、本当に感謝である。

(黒田若雄報)

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