15:21 イエスはそこをたち、ティルスとシドンの地方に行かれた。
15:22 すると、この地に生まれたカナンの女が出て来て、「主よ、ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」と叫んだ。
15:23 しかし、イエスは何もお答えにならなかった。そこで、弟子たちが近寄って来て願った。「この女を追い払ってください。叫びながらついて来ますので。」
15:24 イエスは、「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」とお答えになった。
15:25 しかし、女は来て、イエスの前にひれ伏し、「主よ、どうかお助けください」と言った。
15:26 イエスが、「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、
15:27 女は言った。「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです。」
15:28 そこで、イエスはお答えになった。「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」そのとき、娘の病気はいやされた。
15:29 イエスはそこを去って、ガリラヤ湖のほとりに行かれた。そして、山に登って座っておられた。
15:30 大勢の群衆が、足の不自由な人、目の見えない人、体の不自由な人、口の利けない人、その他多くの病人を連れて来て、イエスの足もとに横たえたので、イエスはこれらの人々をいやされた。
15:31 群衆は、口の利けない人が話すようになり、体の不自由な人が治り、足の不自由な人が歩き、目の見えない人が見えるようになったのを見て驚き、イスラエルの神を賛美した。
最前線にある教会との関係回復、伝道協力を進める
石橋秀雄議長
第40回総会で教団の危機を共有した。予算決算委員長から2020年に教団の財政が破たんするとの訴えがあり、「機構改正と財政検討を始める委員会の設置」をとの訴えがなされた。機構改正と財政検討をして教団のスリム化を図ることが第40回総会期の重要な課題だ。
しかし、それとともに、厳しい現実の中で、そこに踏みとどまって福音の喜びにあふれて伝道している教会によって教団は支えられている。伝道の最前線にある教会と血の通う関係を回復して教団の伝道協力を進めることこそが、今総会期の重要な課題である。
機構改正と財政検討という2つの教団の喫緊の課題を担う「教団伝道対策検討委員会」の設置を提案し承認された。8名の教区議長と三役・常議員8名の計16名と、予算決算委員長、関係幹事の陪席によって委員会が構成される。
教区議長を中心に据えた委員会だ。教区の意見を聞き合い、伝道の最前線の声を聞き合い、祈り合い、伝道協力を進め、教団の伝道力を高めて行くことができればと願っている。
「主の伝道命令に誠実に従って外国伝道をする」との宣教師たちの思いによって日本の伝道がなされ、教団の教会が設立されていった。
この思いに触れるとき、私たちの姿勢が厳しく問われる。「主の伝道命令に誠実に従ってきたのか」と。
教団の全ての教会が主の伝道命令に「誠実」に従うことによって「教団の伝道力の命と力の回復」がなされていくと考える。
主の伝道命令に誠実に従い以下の伝道推進基本方策を立て、教団伝道運動を推進し、そして、機構改正、財政検討の課題に取り組んで行きたいと願っている。
第1に「祈ろう」をスローガンに掲げて、「日本伝道推進日」を毎月定めて祈祷運動を展開、ペンテコステには祈りと思いを一つにした礼拝を献げたい。
第2に「伝えよう」を掲げて、礼拝で霊的力を受けて、主の証人として派遣される信徒を養成してゆく。「聖書を読んで、祈って、伝道する」伝道運動を展開していきたい。
第3として「献げよう」を掲げて日本伝道推進献金を訴えていきたい。
「祈ろう」「伝えよう」「献げよう」と訴えて、毎月祈りの日を定めてワンコイン(500円)献げたら日本伝道推進のための資金を得ることができる。
大胆な伝道戦略を立て日本の伝道を進めることが出来たら、日本基督教団の教会の活性化が図られると考える。(越谷教会)
教団が一致して伝道を進める対策が得られるように
佐々木美知夫副議長
第40回教団総会に於いて副議長に再選され、これから教団が財政的にも機構的にも重要な時期に入っていくことを覚え、教団の伝道力をしっかり持って歩んでゆかねばならないことに先ず責任の重さを感じています。
第39総会に「伝道する教団の建設」という主題を掲げて教団は信仰の一致に基づく伝道の推進を図ってきました。教団として為すべき課題は多くありましたが、各個教会・伝道所の歩みが祝され、教団として共に将来を見つめる方向へと歩み出すことを祈ってきました。今日、私たちの状況には厳しさが続いています。これまで各個教会・伝道所の働きを担い、日本伝道を支えてこられた方々に続く人々が十分に与えられていない状況があります。教団全体の伝道力や財政力に於いても厳しいものを抱えたまま進んで行かねばなりません。すでに多くの場でそのことは指摘されています。
その中で教団は「伝道する教団の建設」という主題を今総会も掲げ、歩みを始めました。主の十字架の贖いを土台とし、福音伝道を進める教団として建て上げられることを祈りながら共に前に向かうことになります。人の思いを超え、教会の主である神ご自身が働いてくださることを信じ、歩み続けるのみです。
日本伝道に於いて教団の果たしてきた役割は大きく、これからは更に重要になるでしょう。宗教改革500年の年、キリストの福音を伝える働きを主に感謝し、教団がその使命を担えるよう祈りつつ、議長をお支えして歩みたいと願います。議長提案である伝道対策検討委員会設置が常議員会で可決され、その働きを始めます。教団が一致して伝道を進める対策が得られますよう願います。
この年は東日本大震災救援の働きに於いても教団として一つの区切りを与えられます。なお多くの課題を抱えて被災地と被災教区そして教会・伝道所は歩みを進めておられます。救援対策継続事業委員会も設置されましたが、被災教区や諸教会と祈りを合わせながらその働きを為して行きたいと存じます。熊本・大分地震の救援募金についてはこれから本格的な働きが為されます。被災地と被災教会を覚えて祈りを集めたいと願います。
小さな器を敢えて用いられる主と教団に信頼しながら、与えられた務めに励んでいく他はありません。お祈りください。(静岡教会)
祈り合い、支え合い、共に建ち続ける教団を願って
雲然俊美書記
この度、教団書記として4期目の務めを担うことになりました。これまでの6年間、常議員や各委員の方々、そして、教団幹事・職員の皆さんに支えられて、与えられた務めを果たせたことを感謝しております。今総会期も、共に主に仕え、教団(教会)に仕える働きを担って行きたいと思っています。
ところで、今総会期においては、特に教団のこれからを見据えた取り組みが必要であると思っています。昨年、予算決算委員会が発表した「今後の教団財政の見通し」の内容に改めて驚きました。教団財政のきわめて厳しい見通しが書かれていたからです。その意味していることは、教団所属の教会・伝道所の教勢の低下ということです。
この“危機”に立ち向かうためにすべきことはまず何と言っても、各個教会・伝道所、関係学校・団体・施設等が、それぞれの場で伝道に励み、キリストの福音を宣べ伝えることであり、教団としてそれらの働きを支えることでありましょう。
さらに今後、教団としての対応が迫られることは必至です。それは教団の組織や財政のあり方の見直しのほか、各個教会・伝道所および各教区のあり方や運営の見直しといったことにも影響が及ぶことと思います。
ここで、私自身、いわゆる地方の小規模教会に仕える者の一人として危惧することは、教会の存続ということです。新来会者はほとんど無い、何年も受洗者が与えられない、洗礼へと至った方が他の地へと転居する…といった困難の中で、それでもなお主にある希望のもとに礼拝をささげ、こつこつと伝道に励み、なおかつ他の教会を支えようとする「豊かさ」(Ⅱコリント8・2)を持ち続けている教会が各地にあります。
教団全体において、教会が相互に伝道の労苦を覚えて祈り合い、支え合って、共に立ち続ける教団であることを願っています。それこそが「教団の豊かさ」ということであると思うからです。
教団として見直すべき点は大胆に見直す。しかし、小さくても継続的になされている伝道の取り組みについては、それを全体で支える仕組みを生み出したいと思います。
教団が、変わることなく伝道を第一のこととして担う教団であり続けるために、変えるべきところを大胆に変える、「変わらないために変わり続ける」(青山学院大学教授・福岡伸一)教団であることを願っています。(秋田桜教会)
1月11日、教団小会議室で40総会期第1回在日韓国朝鮮人連帯特設委員会が開催された。
初めに組織を確定するため、委員長・宮本義弘、書記・豊川昭夫を選出した。その他の委員は、小橋孝一、大友英樹、中嶌曉彦である。
陪席した道家紀一担当幹事が、当委員会は日本基督教団と在日大韓基督教会との宣教協力(1984年2月8日)のもとに発足した経緯を説明した。これを受けて今期委員会の方針と任務に関して、以下の点について確認した。
①前総会期までの活動取り組みを継承し、当委員会は常議員会の下にある特設委員会であり、常議員会の意向を踏まえて活動する。
②任務については、在日韓国朝鮮人の人権問題に関わる社会活動を行うこととし、主に「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト者連絡協議会(外キ協)」に関係する集会への委員の派遣、また在日大韓基督教会付属のRAIK(在日韓国人問題研究所)が関わる集会や全国キリスト教学校人権教育研究協議会主催の人権セミナーに連帯していくこと。尚、RAIKについて佐藤信行所長より活動に関しての詳細な説明を受けた。
確認した任務に基づき早速1月26日~28日に大阪で行われる「外キ協」全国集会に宮本委員長を派遣する。6月に開催される在日大韓基督教会との宣教協力委員会は、宮本委員長が教団側の委員となり出席する。8月18日~19日、群馬県の共愛学園で行われる全国キリスト教学校人権教育研究協議会主催「人権セミナー」に宮本委員長を派遣する。
国内外で排外主義が強まる中、在日大韓基督教会が中心となって設立準備をしている「マイノリティー宣教センター」との関わりについては今後の課題である。(豊川昭夫報)
2016年11月30日早稲田奉仕園スコットホールで、CWS Japan(チャーチ・ワールド・サービス・ジャパン)他5団体共催によって「今伝えたいララからのメッセージ-ララ70周年記念フォーラム」が参加者130名を得て開催された。
「ララ」は、「Licensed Agencies for Relief in Asia」の頭文字をとって呼ばれた通称である。「脱脂粉乳」や「ララ物資」等、戦争世代の誰もが知る、北米諸教会・団体の支援活動を、トルーマン大統領が認可した民間の「アジア救援公認団体」である。
1946年から52年まで当時の日本人の6分の1に当たる1400万人が恩恵に浴したと言われ(円換算にして約400億円相当)、日本及び韓国への救済事業である。
開会挨拶で、長崎哲夫前教団総幹事は、教団はもとより国内全教会人・日本人を代表して同事業の指導者ジョージ・E・バット博士(CWS)、エスター・B・ローズ女史(米国フレンズ奉仕団)、ミカエル・J・マキロップ神父(カトリック戦時救済奉仕団)をはじめ北米プロテスタント各派合同の教会世界奉仕団・フレンド派・カトリック・救世軍・YMCA・YWCA・米労働総同盟・産業別組合・ブレズレン・ガールスカウト・ルーテル・ユニテリアン・クリスチャンサイエンス等、13の教会・団体に対して謝辞を述べた。
プログラムの総合司会は日本キリスト教奉仕団理事長の山田貫司氏が務め、第1部として、ララ物資記録動画が上映された後、CWS代表ジョン・マッカラー牧師とバット博士記念ホーム園長宮本和武氏とによってララの精神がキリスト教信仰と聖書に基づくことが語られた。
第2部では、パネルディスカッションが小美野剛CWS Japan事務局長の司会で、ララの公平・裏方・尊敬・自発性・分かち合い等の精神をめぐって片山信彦ワールド・ビジョン事務局長、小海光ウェスレー財団代表理事、齋木満惠日本キリスト教奉仕団理事、島田茂日本YMCA同盟総主事、山本雅基きぼうのいえ理事長5氏による熱い発言があった。
会の終了後は、早稲田奉仕園スコットホールの地下にあるホールで和やかな交流会が持たれ、また違った雰囲気で、各々の交流が行われた。ララの精神を振り返り、キリスト教諸教会および諸団体の今後の人道支援の在り方を考える良い機会となった。(長崎哲夫報)
2016年11月30日の午後、総幹事室を訪れた池田政一牧師の子息・池田大作、息女・土岐祐子各氏から、池田牧師の治安維持法違反被告事件に関わる一連の第1次資料が教団宣教研究所に寄贈された。
池田牧師は、当時教団第6部の教師であり、1943年4月7日早朝に検挙され、1年余りの拘留の後、懲役1年、執行猶予3年の刑を受けている。その間の、「予審終結決定書」、「判決文」、「刑執行猶予告知書」、戦後すぐの「治安維持法違反赦免状」等の裁判資料がすべて揃っており、加えて教団統理者による「教師職辞任勧告書」、総務局長による「就職勧告状」、さらに獄中で池田牧師が筆記した手記や家族宛ての葉書、多数の短歌なども含まれている。
ホーリネス弾圧事件の裁判関係資料がこれだけ揃っているのは他になく、池田牧師自身が生前丹念に記録を保存し、それを土岐氏が大切に受け継いできた。既に、この資料を用いて石浜みかる氏による『紅葉の影に』(教団出版局、1999年)が出版されている。この貴重な資料を今後散逸させてはならないという気持ちから、今般教団への寄贈を思い立ったという。
なお、この資料は3部コピーされ、1部は土岐氏に手渡され、1部は日本ホーリネス教団弾圧資料室に寄贈、そしてもう1部は宣教研究所の閲覧用に用いられるとのことである。(戒能信生報)
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