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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4832・33号】広報センター委員会 教団の広報部門の情報共有

2015年12月19日

 11月6日、第3回広報センター委員会が教団会議室で開催され、委員長・長崎哲夫総幹事が開会祈祷を捧げた。出席者は同総幹事、大三島義孝(教団ホームページ)、渡邊義彦(教団新報)、真壁巌(救援対策本部広報)、林牧人(信徒の友誌編集長)、市川真紀(教団出版局、信徒の友誌)、川上善子書記(教団ニューズレター)で、教団の広報を担う部門の情報交換の場である。委員会は2007年4月に再編再開され、教団新報編集委員会、教団ニューズレター編集委員会、教団ホームページ編集担当者と各担当幹事が、総幹事のもとに招集されて始まった。さらに東日本大震災後の2011年7月に救援対策本部広報担当者が、翌年10月からは教団出版局の局長並びに信徒の友誌担当者も加わった。

 各部門は独自の媒体としての編集方針を持ち、購読形態や読者層、発行部数と発行間隔も異なるが、分かち合える諸課題がある。開催は不定期だが、東日本大震災後には、取材と発信すべき情報の共有と、適切な伝達方法を求めて、より密度濃く行われた。

 昨今、重要性を増している問題の一つは、賛美歌の譜面をコピーして用いる場合、また公的な文章中に賛美歌の歌詞を転載・引用する際の、JASRACその他の著作権に関する事項である。同じ賛美歌集の中でも個々の賛美歌によって判断が違う。各媒体が執筆者と事前に歌詞引用について打ち合わせる等の現状もある。教団出版局ホームページでは賛美歌の著作権について詳細な説明がなされているが、この事柄を各教会や関係者方と連帯して伝え、対応するために広報の展開が求められていよう。

 また懇談での質問に答える形で、信徒の友誌内、「日毎の糧」の欄に登場する教会群の「位置情報」には、様々な意見が寄せられていることがわかった。市町村合併で地名が新しくなった地域も増えている。要望に応えつつ、教団に属する1720の教会の情報を皆で共有し祈るために、常に工夫することが求められている。(川上善子報)

 「教師の友」に掲載される説教のためにテキスト黙想を作成する機会を持った。全国のCSの子供たち、奉仕者と諸教会を覚えつつである。委員が時間をかけて作成した黙想は直接、説教に反映されるかどうかは分からない。少なくとも、私たちの祈りが届くことを期待したい。

 多くの物に囲まれ、多くの人に囲まれながらも空虚な思いに不安を抱く子供たちは少なくない。

 教会は、この子供たちのために何が出来るのだろうか。主イエスは「子供たちをわたしのところに来させなさい」と言われた。主イエスこそは、子供たちの「居場所」だ。だから「神の国」には必ず子供たちがいるはずだ。それなのに教会に子供がいないとの報告を聞くのは何故か。

 この夏、祖母の勧めで修養会に参加した中学生がいた。2泊3日の日程だが、半強制的だったので1泊だけとの条件付きの参加だった。

 1日目が終わった。皆に見送られて彼は、駅に向った。何故か夜のプログラムに彼の姿があった。結局、最後まで参加した。訳を聞けば「そっちの方がめっちゃ楽しいから」とのことだった。主イエスが備えられる子供たちの「居場所」とはそういうところだ。勿論、その背後にその子の母親と祖母の祈りがあった。

 私たちは祈らねばならない。魂を注ぎ出すようにしてこの国の子供たちのために祈らねばならない。それが教団教育委員会の務めだと確信した次第である。(教育委員長)

 児童作家ジェラルディン・マコックランさんの「エッサイの木」(2003年に英国にて出版)を、昨年、シンガーソングライターである沢知恵さんが翻訳、絵本作家の池谷陽子さんが挿絵を添えて教団出版局から出版した。この児童書がキリスト教本屋大賞を受賞した。この大賞はキリスト教専門書店がこの1年に刊行された中から「売りたい本・お勧めの本」を投票で選ぶ。2015年で5回目。児童書、海外作家の受賞は初となる。

 物語は、教会でエッサイの木を木彫りする大工のおじいさんが、教会を突然訪ねてきた男の子からせがまれて話しを聞かせることで進んでゆく。おじいさんが聞かせるのはエッサイの木に彫り進めてゆく創世記からはじまりキリスト誕生に至る24の聖書の出来事である。子供たちに届く言葉、物語を印象づける力強いスクラッチ画の挿絵を得て新たな本となっている。

 大賞受賞を記念して11月23日、東京・洗足教会を会場に、池谷さんのエプロンシアター、沢さんのミニコンサートが行われた。池谷さんは身につけたエプロンをステージにして手作りの人形たちを使って「エッサイの木」のダイジェストを、沢さんはピアノ弾き語りでクリスマス讃美歌等、またシアターの場面に合わせたこどもさんびかや効果音を披露した。1時間15分ほど、ステージの前に陣取った小さな子供たちも多いに楽しんだ記念となる良いプログラムだった。

 著者であるマコックランさんは「この24の物語を、アドベントに読むもよし、夏に木陰でゆっくり読むもよし」とはじめに記す。クリスマスにはもちろん、1年を通して、キリストがわたしたちのために生まれてくださった救いの歴史のつながりを子供たちと一緒に覚えるに良い本だ。(新報編集部報)

「エッサイの木 クリスマスまでの24のお話」日本キリスト教団出版局♦A5版上製・158頁・本体1800円+税。詳しくは、出版局ホームページ(http://bp-uccj.jp)で。

飛田知惠子氏(隠退教師)
 15年11月15日逝去、105歳。旧満州生まれ。31年柏木聖書学院卒業。72年より勝田教会を牧会し、79年に隠退。
 遺族は娘・二宮めぐみさん。

 常磐教会は、福島県いわき市の少し山よりの場所に位置し、常磐炭鉱に働く人々への伝道を使命として、職域伝道でたてられた教会です。炭鉱の閉山に伴う困窮の地域に保育園を創設したり、教会に幼稚園を開園したり、地域との深いつながりを持つ歩みをしてきました。

 東日本大震災で会堂が全壊し、3年間を、3キロほど離れた保育園で礼拝を続けてきました。そして、教団・教区と全国の様々な教会からの大きな支援を受け、昨年4月に献堂式をすることができました。会員12名の教会にしては立派すぎるかもしれない会堂ですが、被災し移住してきた人々の、絆作りの場として用いられています。暖かい木のぬくもりが、集まって話をする時に、住んでいた元の場所を思いおこさせ、安堵感を持つと言って下さいます。

 「被災地」という言葉を聞いて、東日本大震災を指すという感覚は、もうなくなっているのかもしれません。その後に起きている大きな災害が、「被災地」を次々と作り出している現実があります。それでも東日本大震災は、その被害の規模と影響の大きさだけでは語り切れない状況が、今も続いています。放射性物質による汚染の被害は、原発からの距離や県境という物理的な区切りを超えて広がり、元の地域という枠組みを崩壊させ、住む場所を追われた人々を大勢生み出しました。

 福島県内では、低線量地域と言われているいわき市域にある常磐教会は、福島第一原子力発電所から47キロの場所に位置していますが、原発事故当時は屋内退避の指示が出され、安定ヨウ素剤が配られたものの、服薬指示は出ませんでした。中途半端な状態に置かれている地域かもしれません。しかし、ここに住む人々は、特に子どもたちの未来に強く責任を感じます。子どもたちをむしばむ甲状腺がんが増えているのは何故か。将来、身体にどのような影響が出てくるのか。不安を持ちつつ生活せざるを得ない現状を見据えていかなければなりません。

 私たちの教会は、会堂に東北ヘルプが母体となる食品放射能計測所を併設し、これから何を基準として避難し、どういう仕方で生活することがより安全なのかを、共に悩み、共に選択する重荷を負い続けていきたいと願っています。

 被害の程度の違いはあっても、元の場所を奪われた喪失感を経験した教会員は、常磐教会の原点に立ち返って、被災してきた移住者や地域の人々を、隣人として歩む選択をしました。主によって種まかれて、「その場所に伝道し、実りを増やす使命」は十分に果たせてはいないかもしれませんが、主が、この場所に住む人々を見放してはいない事実を証ししていくことこそが、常磐教会の使命であると受け止めて、地域との関わりを大切にしていきたいと思っています。
(常磐教会牧師)

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