青年交流プログラム派遣
一昨年の震災以降、多大なる献金と熱心な祈り、そして延べ250名を超える信徒・教師を被災地に派遣し、主にあるつながりをより一層強固なものとされた台湾基督長老教会(以下PCT)と日本基督教団(以下教団)との宣教協約に基づいて、第38総会期においてもその豊かな交わりを推進してゆくために、5月21日、日本基督教団会議室において「第38総会期第1回台湾協約委員会」が開催された。
招集者である田中文宏前委員長(真駒内)の祈祷をもって開会し、最初に委員会を組織。委員長に田中文宏、書記に野田沢(学生キリスト教友愛会)を、祈りをもって選出した。
隔年で開催地を日・台の持ち回りで行われているPCTとの「教会協議会」開催に向けての準備に関して中心に話し合われ、特に次回は日本での開催ということもあって熱心に議論が交わされた。前回開催時には時間的なものから交わせなかった共同声明ではあったが、次回開催の協議会においては、教団とPCT双方の努力で共同声明を作成することを目標とし、その方向性と事前準備について話し合われた。
また共同声明と協議会自体のテーマは密接に関係することもあり、協議会テーマについて話し合い、現在の日台双方の共通の課題として、伝道、原子力発電、青年、信仰の継承、平和、自然災害などが挙げられ、日本における開催場所も、フィールドワークも含めた意義あるものにするため、テーマに即した場所で行うことなどが確認された。
また、PCTからは教会青年交流プログラムである「I Love Taiwan」への招きを毎年受けているが、高校・大学生などが授業期間中ということもあり、なかなか参加者を送ることができなかったのが長年の課題であった。幸いなことに今年は1名の参加者を送ることはできたが、今後は様々な広報やつながりを通して、周知と参加者の確保に努める旨の決議がなされた。
その他には、2014年3月に仙台において開催される、「東日本大震災国際会議」への協力、他委員会などとの情報共有や協力などが協議され、特に青年派遣などにおいては教育委員会との協力の必要性などが話し合われた。
最後に、様々な困難の中にあっても台湾をはじめ世界で活躍している宣教師の働きと状況を分かち合い、李孟哲委員(東京台湾)の祈祷を持って閉会した。
(野田沢報)
礼拝を巡って両教会の課題を共有
6月10~11日、伊豆長岡温泉・八の坊にて、第47回在日大韓基督教会と日本基督教団との宣教協力委員会が、「両教会の宣教課題と宣教協力-礼拝を巡って-」のテーマのもとに開催された。在日大韓基督教会からは、金武士総会長、趙重來副総会長、権寧国書記、朴太元副書記、崔栄信宣教委員長、李清一歴史共同研究委員、金健歴史共同研究委員、洪性完総幹事・歴史共同研究委員、曺泳石幹事、許伯基幹事が出席した。また、日本基督教団からは、石橋秀雄議長、伊藤瑞男副議長、雲然俊美書記、長崎哲夫総幹事、小橋孝一歴史共同研究委員、張田眞宣教委員長・歴史共同研究委員、佐藤飛文歴史共同研究委員、加藤誠幹事、大三島義孝幹事、高田輝樹職員、嵯峨真美子職員が出席した。
1日目は、金武士総会長の説教「言うべきことは、その時授けられる」(マタイ10章16~23節)による開会礼拝の後、出席者紹介、前回記録確認、両教会の紹介および東日本大震災の被災状況と救援活動の報告がなされた。
その後、夕食をはさんで、金健歴史共同研究委員が、「在日大韓基督教会の礼拝について-二重言語の礼拝についての考察-」と題し、自身の教会との出会いから献身に至るまでを話した後、現在の在日大韓基督教会の礼拝における言語の使用状況(混在型、分離型、韓国語のみ、日本語のみ)と課題について発題した。
2日目は、雲然書記が「両教会の宣教課題と宣教協力-礼拝を巡って-」と題し、開拓伝道の経験を踏まえて、日本基督教団における教会形成の課題と礼拝の意義(信仰共同体としての「召集」、愛の交わりによる「建設」、希望を携えての「派遣」)について発題した。
全体協議においては、2つの発題についての活発な質疑応答がなされた後、「平和メッセージ」の文章を確定したほか、来年両教会の宣教協約30周年を迎えることについての準備、歴史共同研究継続の確認等を話し合った。
最後に、石橋秀雄議長の説教「いつものとおり自分の神に」(ダニエル6章6~11節)による閉会礼拝をもって終了した。
(雲然俊美報)
教区総会取材が一段落し本号で今年度それぞれの総会報告を終了する。総会日程は短い教区で1日、長いところでは3日、20時間以上を会議に費やす。▼教区総会を取材していつも苦心するのが、これだけの時間をかけて審議された会議内容を限られた字数にどのように切り取り表現するか、ということである。自ずと報告されない議事、発言があるのは当然で、会期中、議論が最も集中したことが、今年度、当該教区総会の中心となることであった、と報告せざるを得ない。▼この割愛の判断で記者の主観を全く排除できるか、というとそうはいかない。語られていないことを記すことなどはもちろん論外だが、議場で語られたことにできる限り忠実に客観的な報告をと心がけても、記載すべき発言の取捨選択、議論の切り取り方、取り上げる議事の選択にどうしても記者の判断が入る。確かに、ここが取材した記者たちの技量の見せ所とも言えるのだが。▼いずれにしても、議事録とは異なって取り上げに強弱があって当然である。すべての議論の詳細な推移、決定は議事録を見てもらうしかないが、報告記事には固有の役割がある。▼会議の時間を共有した者として良く報告できるよう、一年後の教区総会に向けて体制を整え、務めにさらに習熟して行きたい。
第30回部落問題に取り組むキリスト教連帯会議(以下、部キ連)総会が、5月20日、日本キリスト教会大阪北教会に於いて開催された。出席議員数は19名中17名。日本基督教団からは長崎哲夫総幹事、東谷誠氏(教団部落解放センター運営委員長)が出席した。また関雅人氏(大津東)、樋口洋一氏(久米田)、小林明氏(教団部落解放センター主事)が陪席者として出席した。
開会礼拝の後、 2012年度の諸報告、13年度の活動計画案・予算案の説明、各教団・教派の活動報告、部キ連九州の活動報告がなされ、その中で、13年度から日本基督教団が議長教団となることが決まった。関氏が議長、樋口氏が書記に選出された。
部キ連は、1983年に「全日本にあるキリスト教団、教派が連帯して、部落差別を克服すること」を目的として結成され、今年30周年となる。
現在の加盟教団・教派は、在日大韓基督教会、日本ナザレン教団、日本聖公会、日本カトリック司教協議会、日本キリスト教会、日本バプテスト同盟、日本バプテスト連盟、近畿福音ルーテル教会、日本福音ルーテル教会、日本自由メソヂスト教団、日本基督教団。
教団の教師として宣教を共に担う」を主題として
6月17~19日、天城山荘(伊豆市)にて、2013年度新任教師オリエンテーションが開催された。出席者は77名(そのうち新任教師51名)であった。主題は「教団の教師として宣教を共に担う」であった。教師委員会としては、このオリエンテーションが、教団における宣教の働きの学びと共に、教団教師として、新しい出会いと交わりの恵み(同期の者が集まる唯一の機会)を味わう機会となることを願って準備に当たった。
伝道に燃える 日本基督教団》
1日目、小宮山剛教師委員会委員長による開会礼拝説教では、永く教会から離れていた信徒が、信仰生活を取り戻そうとしていたその時に、火事に見舞われる試練があった。小宮山牧師は、「神様どうしてこんなことをなさるのですか」と祈ったが、後日その信徒が牧師の所を訪れ、信仰があったからこそ、この試練から守られたことに感謝する言葉があった。与えられた信仰の素晴らしさを牧師として経験したことが喜びを以て語られた。
その後、石橋秀雄教団総会議長による講演「伝道に燃える教団」がなされた。ルカによる福音書24章における、エマオ途上での復活の主と出会った2人の弟子が、復活の主から語りかけられた言葉と聖書の説明によって、心が燃えていた所から、復活の主によって心を燃やして伝道する教団の形成への力強い決意が語られた。
そのためにも、聖書に立脚した日本基督教団信仰告白と教憲・教規による一致の重要性が強調され、その流れの中で、北村慈郎氏への戒規の意味が示された。
夜には交わりの時がもたれ、緊張が解きほぐされ、石橋議長に「お連れ合いから一番怒られたこと」、伊藤瑞男教団副議長に「牧会上の失敗談」、雲然俊美教団書記に「お連れ合いから一番怒られたこと」などを質問し、教団三役それぞれの話から、親近感を持つ時となった。
《特別講演》
2日目は先ず藤掛明氏(聖学院大学准教授)による、「メンタルヘルス上の問題を抱えている人々との関わり方」と題して、講演を聞いた。
牧師の職務は想像以上に過酷であり、特に「別れ」から生じるストレスは、あらゆるストレスの中で最も大きなものとされている。牧師は他のどんな仕事よりもこの「別れ」のストレスにさらされるので、ストレスへの対処が大切となる。
印象的だったのが「ささやかで、しょうもない気晴らし行動」を数多く持ち行うことであり、ストレスケアについて新任教師が学びを深めたことには大きな意味があった。
《教団教師論》
特別講演の後、全体写真を撮り、その後、伊藤副議長による講演「教団教師論」がなされた。教団の教師像として、信仰告白と教憲教規の内容について語られ、教師は召命、献身、教団によって立てられ、教団に所属し、教団と契約関係にあること。契約の内容は信仰告白と教憲教規であることが強調された。
この契約内容に基づく一致のほかは、自由であり多様であることが教団の教師像であることが、1コリント12章4節「賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です」から示され、特に霊性の重要性が語られた。
《震災への取り組み》
続いて雲然書記による講演「震災への教団の取り組みについて」がなされた。被災教区の教師かつ教団書記という立場から、全体教会としての教団の取り組みの経過と共に、被災教会の状況と各教区の対応が報告された。
震災後2年が経過し、教会の再建が始まる一方、建物が再建できても、街の復興が遅々として進まない現実にあって、今も大きな試練が続いていることが語られた。
《担任教師の 人事について》
最後に長崎哲夫総幹事による講演「教会の担任教師の人事について」がなされた。
教規から見る教団の人事の原則が語られ、教団は「招聘制度」を採用し、各個教会が教師を招聘すること。教会総会の議決が教師招聘の大前提であることが強調された。そして「招聘」
(Invitation)の意味から、教会は教師を「雇用」するのではなく、「招聘」することだと語られた。
質疑の時間で、東京神学大学山口隆康教授から、総幹事の立場で人事の話をすることは、総幹事が人事を取り扱うとの誤解を招くのではないかとの疑問が呈された。それに対して総幹事は「あくまでも教団の担任教師の人事の原則は、招聘制度によるものであり、誤解を招くものではない」と語った。
午後には「教団の取り組み」として、教団事務局(道家紀一教団幹事)、出版局(竹澤知代志出版局長)、年金局・隠退教師を支える運動(籔田安晴年金局理事長)、宣教研究所(佐々木美知夫委員長)、部落解放センター(東谷誠運営委員長)のそれぞれの働きや取り組みの紹介がなされた。
夕食前の自由時間は、温泉、滝への散策とスポーツの3コースに分かれ、しばしの休憩によって英気を養った。
夜は分団の時間を持ち、各講演についての感想やそれぞれの働きの紹介と課題、悩みや喜びが活発に話し合われた。今回の分団は、「主任担任教師として招聘された教師」「担任教師として招聘された教師」「付属施設(幼稚園など)のある教師」に分けられ、同じ課題を担っている教師が、今感じていることを語り合い、重荷を分かち合うことが出来たのは良かった。
《牧会講話》
3日目は、小島誠志牧師(久万)による牧会講話が行われた。説教を語ることの苦悩、牧会上での苦悩が赤裸々に語られ、苦悩の中に神の大いなる御業を見させて頂く体験が語られた。
その後、全体のまとめとして、参加した新任教師全員が、一言ずつ感想等を述べた。宣教の現場に遣わされ、心身共に疲れ果てていたこのタイミングで、この研修会があったことに感謝する言葉が多く見られた。
閉会礼拝の前に、小宮山委員長より、牧師として異性との接し方についての原則、セクシュアルハラスメントを未然に防ぐ注意点が語られた。
最後に吉澤永教師委員会書記による閉会礼拝をもって、すべてのプログラムを終えた。
新任教師たちが今後の働きの場において豊かに用いられることを心から祈りつつ、恵まれた新任オリエンテーションを終えることができ、感謝であった。
(吉澤永報)
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