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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4784・85号】2013年秋季教師検定試験 正教師試験合格16名、不合格16名、保留22名

2013年10月26日

合格者数三分の一にとどまる厳しい結果

 9月17日(火)から19日(木)にかけて、大阪クリスチャンセンターを会場に、秋季教師検定試験が行われた。

 直前の16日(月)に台風18号が上陸したため、交通網が大幅に麻痺し、受験者や委員の足にも大きな影響を及ぼした。そのため、前日の深夜に大阪入りした受験者や委員もいたが、試験当日は、受験志願者が一人も欠けることなく、試験を開始することができた。委員長と事務局の判断で1時間遅れの開始となったが、大きな混乱も生じなかった。

 すべては、主における守りがあったこと、事務局の尽力、そして受験者の協力があってのことであり、深い感謝であった。

 今回の検定試験の受験者数は、補教師試験15名、正教師試験54名であった(補教師試験受験者の中には、いわゆる「Cコース」も含まれる)。

 そして結果は、補教師、合格1名、不合格1名、保留7名、継続6名。正教師、合格16名、不合格16名、保留22名であった。正教師の不合格者の中には、提出試験の未提出者、また筆記試験の未受験者も含まれるため、すべての試験を受験した上での不合格者数は9名にとどまるが、合格者数が全体の三分の一にとどまったことは、非常に深刻な結果だったと言えよう。

 まず提出試験の釈義と説教であるが、全体的に力不足が否めなかった。特に、釈義の貧弱さが目立った。明らかに原典にあたっていないもの、註解書などを丸写ししただけのもの、また中には、釈義とは何かが根本的に分かっていないものが、正教師受験者の中に多かった。そして、釈義において聖書テキストを正しく捉えていないため、説教もテキストから徐々に外れていくものが多く、慰めも力も感じられないものが多々あった。

 釈義と説教は、言うまでもなく、教会、礼拝、伝道の根幹に関わることであり、委員会としてもこの結果を深刻に受け止めている。

 課題論文、組織神学論文に関しても、神学的な筋道の建て方が脆弱なものが多く見られた。インターネットなどの普及で、情報の入手には事欠かなくなってきている。しかし聖書に基づいて、神学的思索を巡らせる力を養ってもらいたい。

 筆記試験においても、残念ながら同じ傾向が見られた。「教憲教規および諸規則・宗教法人法」の試験では、教憲教規が定める教会の形を問うた。単なる規則として、「教憲教規および諸規則」を読むのではなく、そこで言い表されている筋道を問うものであった。しかし、全体的に読み込み不足が目立ち、結果は良くなかった。

 旧約聖書神学、新約聖書神学においても、基本的な学びの欠如が目立ち、準備不足、勉強不足が否めなかった。

 そして教会史においても、同じ傾向が見られた。歴史に学ぶことは、言うまでもなく重要なことであり、単なる知識の詰め込みではなく、現代の教会の問題を歴史に照らし合わせ、思考する姿勢と学びが欲しいところであった。

 教師検定試験は、特に目新しいことを問うているのではない。教師として身につけるべき基礎的なこと、基本的なことを問うている。しかしこのことは、一朝一夕には身につかないことは明白である。補教師として過ごす期間、またそれ以前の神学生として過ごす期間における充分な学びが不可欠であろう。

 また、このような結果は今回だけに限った特別なことではなく、この数年続いている。委員会としても、補教師試験の充実や強化を考える時期に来ているのかも知れない。

 今回の試験で保留となった者は、再レポートによって再判定される。これによって、合格者数が増えることをただ祈るばかりである。
(鷹澤匠報)

 

2013年秋季・正教師検定試験問題

教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)

 次の2題に答えてください。
 1.「教憲教規および諸規則」が定める教会・伝道所について略述し、それに基づく今日の教会のあり方について述べてください。

 2.「宗教法人法」の特徴とされる「認証制度」、「公告制度」、「責任役員制度」という3つの制度の中から1つを選んで述べてください。

 

旧約聖書神学(60分)
 1.次の問題に答えてください。
 旧約聖書における祭儀の変遷とその神学的意義について

 2.次の2題のうちから1題を選んで答えてください。
  ①歴代誌史家の神学の特色について

  ②北イスラエルの記述預言者の預言の特色について

 

新約聖書神学(60分)

 次の3題のうちから2題を選んで、テキストを2箇所以上挙げつつ、答えてください。

 1.共観福音書における「神の国」および「天の国」について、述べてください。

 2.ヨハネによる福音書における聖霊について、述べてください。

 3.パウロ書簡における「キリストの体としての教会」について、述べてください。

 

教会史(60分)

 次の5題のうちから2題を選んで述べてください。

 1.カルケドン信条の成立について

 2.叙任権闘争について

 3.宗教改革期における「聖餐論」について

 4.アルミニウス主義について

 5.内村不敬事件について

 

講 評
 秋季の検定試験では、正教師を目指す方々が多く受験なさいますが、今回は例年になく不合格者が多く、残念な結果となりました。

 学科試験では、各科目とも基本的な知識と理解を問うていますが、神学的に解答するには小手先の準備では十分ではありません。基本文献を読みこなし、内容を自分のものにする過程が必要です。すべての学びを教会の教師としてしっかり立ち続けるための備えとしていただきたく思います。

 提出課題の説教に関して今回感じさせられたのは、与えられた御言葉と取り組む姿勢の弱さです。日頃、説教者としての歩みの中で、御言葉に捕えられる経験をどれだけしておられるのでしょうか。

 召命は主からの呼びかけです。御言葉との真摯な取り組みの中から自分が語り手として造りかえられる経験を重ねる。そこで召しを確認させていただくのです。

38総会期教師検定委員長 渡部和使

 9月2日~3日に札幌教会を会場にして教団教育委員会主催の青年担当者会を行った。出席者20名。9教区の青年担当者と東北教区青年学生センター主事の参加があった。

 開会礼拝の後、オリエンテーションと自己紹介をした。自己紹介ゲームがとても楽しく、参加者がみんなすぐに打ち解けることができた。

 その後、「教会青年の現状と課題」というテーマで発題者2名の話を聞いた。

一人は青山教会の増田将平牧師(教団教育委員)で、2012年8月21日~23日に恵みシャレー軽井沢で行われた「教会中高生・青年大会2012」の話を中心に発題があった。

 もう一人は教団所属の学生青年センター、SCF(学生キリスト教友愛会)の野田沢教師で、教会と青年の懸け橋となり、教会からこぼれ落ちそうになっている青年をカバーするSCFの学生青年センターとしての働きを中心に発題があった。

 「教団・教会の組織維持のための青年伝道では青年の心には届かない。月1回青年の満足する礼拝をするから来て下さいと教会の方から青年たちに提案するぐらいでないといけない。身の丈に合った伝道をしていく。とりこぼしの多さをなくす。愛情に裏打ちされた網目の細かさが青年伝道には必要だ」など、考えさせられることがいっぱいだった。

 その後、各教区の青年担当者から、青年についてどのような活動をしているか報告があり、情報交換した。

 2日目は3つの分団に分かれて意見交換し、その後、全体会で話し合った。

 その中で、ぜひ毎年、青年担当者会を開いて欲しい(現在は2年に1回)、参加できなかった教区にも青年担当者がいるか確認し、青年担当者のネットワークを作って欲しいなどの意見が出された。教育委員会で考え対応することになった。(有澤慎一報)

 9月3日~4日に北海道の北広島教会で38総会期第3回教団教育委員会を行った。出席者は委員6名と担当幹事、職員。

 前回委員会記録の承認をした後、以下の報告を受けた。委員長報告、事務局報告、教育クリスマス小委員会報告、教育プログラム小委員会報告、教師の友編集委員会報告、全国教会幼稚園連絡会報告、教会中高生・青年大会実行委員会報告など。

 続いて青年担当者会の振り返りをした。各教区の青年担当者の情報を把握し、横のつながりをつくっていく。青年担当者会を2年に1度ではなく、毎年行う。来年も9月に青年担当者会を行う。各教区で青年キャンプなどをどう行っているか、方法論などを共有していく。

 その後、次のようなことについて協議した。

 クリスマス献金に関する件については、「みんなで生きよう」誌の2013年度クリスマス献金の文章、写真などを校正した。

 今年度は「みんなで生きよう」誌のゆるキャラを募集することにし、特賞、佳作、参加賞などの景品を決めた。表彰状、バッヂのデザインを3案の中から1つに絞り込んだ。

 教会教育セミナー、教育担当者会の件については、1月27日午後2時から教育担当者会、午後7時から教会教育セミナーを行う。場所は東京近辺で交渉する。教育担当者会、教会教育セミナーのプログラム、内容について決めた。1月28日は東京のキリスト教の学校を訪問する。現在、学校と交渉中である。

 幼稚園の融資金申請1件について検討し、条件付きで承認した。

 キリスト教教育主事の単位認定検討会を3委員で、10月1日に大阪クリスチャンセンターで行う。

 次回、第4回教団教育委員会は1月28日~29日に青山教会と教団会議室で行う。(有澤慎一報)

 第38総会期第3回伝道委員会が9月9日~10日、矢板教会 (関東教区・栃木) を会場に開催された。

 伝道推進室から報告。

 推進室発足記念大阪大会(7月13日)、幼保一体化に向けての子ども・子育て新システム緊急研修会(7月15日、23日)、日米・日独ユースミッション(7、8月)、教師養成プログラム夏期研修会(8月12日~14日)を実施した。また推進室で伝道キャラバンを、鳥取(9月13日~16日)、 仙台(14年3月)を予定している。また沖縄集中伝道、説教者派遣を計画した。

 刊行物として『伝道推進室報』第1号を10月に発行。伝道トラクトを作成予定。また「伝道推進室の目指すものQ&A」草案を伝道委員会に配布し、内容を協議した。

 第9回 農村伝道に関する協議会(14年2月24日~25日、会場・丹波新生教会)について協議した。「伝道圏伝道における農村伝道」を主題として、京都府亀岡市、南丹市、京丹波町に4つの会堂を持ち、農村地区を含めた伝道圏伝道を続けてきた丹波新生教会の歴史から学ぶ。同教会信徒の三重県愛農学園出身者から農業教育についても話を伺いたい。協議会の企画をまとめ、本年末までに各教区へ案内する。

 今総会期教区伝道委員長会議(14年6月23日~24日、会場・大和キリスト教会)について協議し、伝道推進室の活動紹介と青年伝道を主な主題とすることとした。

 伝道方策検討委員会からの提言を受けて伝道委員会の使命について協議した。

 そのほか「こころの友」・「信徒の友」編集委員会と、青年大会実行委員会につき各担当委員が報告した。

 教団の教誨師研修会に委員が参加した。全国教誨師連盟(諸宗教合同の会合)参加費用を教団で支えるべきとの意見がでた。

 第44回開拓伝道協議会に委員が参加した。協議会の「開拓」という言葉につき改称を検討中とのこと。

 今年度前期分貸出金申請に関する件は、都城妻ヶ丘教会の貸出申請1千万円を承認した。(成田いうし報)

 教会から道一本隔てるとバス通りに面した商店街だ。区民ホールに至る道沿いなのでコンサートのときなど人通りも多く、商店も激戦だ。店の入れ替わりも多い。▼教会自体は住宅街に建っているのだが、この商店街から風向きによって焼き肉の匂いが漂ってくる。昼時、土曜、休日の夜などは特に良く香る。これまであまり気にならなかったのだが、店が変わったのだろうか、繁盛して煙突の向きを変えたのか。夏の間は暑さゆえ牧師館の窓を開け放つことが多かった。毎日バーベキューをしているようで閉口した。▼一方、住宅街に建つ教会として幼稚園を持っていることは悩ましい。隣接のお宅は既に長年の付き合いで幼稚園が賑やかなのは承知してくれているが、やはり通りを少し隔てると新築マンションが増えてきている。新しくこの町にやってきた人も多い。▼園児たちの賑やかさが、その人にとってはうるささとして気になったのだろう。夏休み前には同じように窓を開け放つことも多かったのかもしれない。教会に苦情をいただいた。夏休みの間は、子供たちも休みだったので少しは静かに過ごしてもらえたかもしれない。▼キリストの香り、キリストの言葉をこそ、教会は、もっと遠くに、もっと広く、もっとたくさんの人に届くように発せねばならない。そう思う。

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