知者を処刑する定めが出されたので、人々はダニエルとその同僚をも殺そうとして探した。 バビロンの知者を殺そうと出て来た侍従長アルヨクにダニエルは思慮深く賢明に応対し、 この王の高官アルヨクに尋ねた。
「どうして王様はこのような厳しい命令を出されたのですか。」
アルヨクはダニエルに事情を説明した。 ダニエルは王のもとに行って、願った。
「しばらくの時をいただけますなら、解釈いたします。」
ダニエルは家に帰り、仲間のハナンヤ、ミシャエル、アザルヤに事情を説明した。 そして、他のバビロンの賢者と共に殺されることのないよう、天の神に憐れみを願い、その夢の秘密を求めて祈った。 すると、夜の幻によってその秘密がダニエルに明かされた。ダニエルは天の神をたたえ、 こう祈った。
「神の御名をたたえよ、世々とこしえに。
知恵と力は神のもの。
神は時を移し、季節を変え
王を退け、王を立て
知者に知恵を、識者に知識を与えられる。
奥義と秘義を現し
闇にひそむものを知り
光は御もとに宿る。
わたしの父祖の神よ、感謝と賛美をささげます。
知恵と力をわたしに授け
今、願いをかなえ
王の望むことを知らせてくださいました。」
それから、ダニエルはバビロンの知者皆殺しの命を受けていたアルヨクのもとに行って、こう言った。
「バビロンの知者を殺さないでください。わたしを王様のもとに連れて行ってくだされば、王様に解釈を申し上げます。」