恋人よ、あなたをたとえよう/ファラオの車をひく馬に。房飾りのゆれる頬も/玉飾りをかけた首も愛らしい。あなたに作ってあげよう/銀を散らした金の飾りを。王様を宴の座にいざなうほど/わたしのナルドは香りました。恋しい方はミルラの匂い袋/わたしの乳房のあいだで夜を過ごします。恋しい方は香り高いコフェルの花房/エン・ゲディのぶどう畑に咲いています。恋人よ、あなたは美しい。あなたは美しく、その目は鳩のよう。恋しい人、美しいのはあなた/わたしの喜び。わたしたちの寝床は緑の茂み。レバノン杉が家の梁、糸杉が垂木。わたしはシャロンのばら、野のゆり。おとめたちの中にいるわたしの恋人は/茨の中に咲きいでたゆりの花。若者たちの中にいるわたしの恋しい人は/森の中に立つりんごの木。わたしはその木陰を慕って座り/甘い実を口にふくみました。その人はわたしを宴の家に伴い/わたしの上に愛の旗を掲げてくれました。ぶどうのお菓子でわたしを養い/りんごで力づけてください。わたしは恋に病んでいますから。あの人が左の腕をわたしの頭の下に伸べ/右の腕でわたしを抱いてくださればよいのに。エルサレムのおとめたちよ/野のかもしか、雌鹿にかけて誓ってください/愛がそれを望むまでは/愛を呼びさまさないと。