蛭の娘はふたり。その名は「与えよ」と「与えよ。」飽くことを知らぬものは三つ。十分だと言わぬものは四つ。陰府、不妊の胎、水に飽いたことのない土地/決して十分だと言わない火。父を嘲笑い、母への従順を侮る者の目は/谷の烏がえぐり出し、鷲の雛がついばむ。わたしにとって、驚くべきことが三つ/知りえぬことが四つ。天にある鷲の道/岩の上の蛇の道/大海の中の船の道/男がおとめに向かう道。そうだ、姦通の女の道も。食べて口をぬぐい/何も悪いことはしていないと言う。三つのことに大地は震え/四つのことに耐ええない。奴隷が王となること/神を知らぬ者がパンに飽き足りること憎むべき女が夫を持つこと/はしためが女主人を継ぐこと。この地上に小さなものが四つある。それは知恵者中の知恵者だ。蟻の一族は力はないが/夏の間にパンを備える。岩狸の一族は強大ではないが/その住みかを岩壁に構えている。いなごには王はないが/隊を組んで一斉に出動する。やもりは手で捕まえられるが/王の宮殿に住んでいる。足取りの堂々としているものが三つ/堂々と歩くものが四つある。獣の中の雄、決して退かない獅子腰に帯した男、そして雄山羊/だれにも手向かいさせない王。