わたしが家の窓から/格子を通して外を眺めていると浅はかな者らが見えたが、中に一人/意志の弱そうな若者がいるのに気づいた。通りを過ぎ、女の家の角に来ると/そちらに向かって歩いて行った。日暮れ時の薄闇の中を、夜半の闇に向かって。見よ、女が彼を迎える。遊女になりきった、本心を見せない女。騒々しく、わがままで/自分の家に足の落ち着くことがない。街に出たり、広場に行ったり/あちこちの角で待ち構えている。彼女は若者をつかまえると接吻し/厚かましくも、こう言った。「和解の献げ物をする義務があったのですが/今日は満願の供え物も済ませました。それで、お迎えに出たのです。あなたのお顔を捜し求めて、やっと会えました。寝床には敷物を敷きました/エジプトの色糸で織った布を。床にはミルラの香りをまきました/アロエやシナモンも。さあ、愛し合って楽しみ/朝まで愛を交わして満ち足りましょう。夫は家にいないのです、遠くへ旅立ちました。手に銀貨の袋を持って行きましたから/満月になるまでは帰らないでしょう。」彼女に説き伏せられ、滑らかな唇に惑わされてたちまち、彼は女に従った。まるで、屠り場に行く雄牛だ。足に輪をつけられ、無知な者への教訓となって。やがて、矢が肝臓を貫くであろう。彼は罠にかかる鳥よりもたやすく/自分の欲望の罠にかかったことを知らない。