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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5039号】人ひととき(4面)

2025年11月22日

希望は見えずとも、展望がある

伊東教会員
堀江明子さん

 堀江姉の信仰生活の期間は、国内に限れば比較的浅い。海外赴任の夫に合わせ、台湾日語教会を振り出しに、香港に移ってからは現地日本語教会(JCF)以外に中国語礼拝や英語礼拝を訪れた。培った関係は、今も続いている。現在も日本留学を希望する学生たちとの関わりがある他、香港時代の日本人の教会仲間との連絡も取っている。
 ごく最近も台湾の日語教会を訪れた。香港や台湾社会の今後に注視している。「天を本国とする」キリスト者として、世情に振り回されすぎてはならない。香港のキリスト者が、希望が見えないのに希望の讃美歌を歌っていた様子を思い出す。「自由と希望が見えづらい閉塞状況でも絶望しない姿が印象的だという。
 5年前の夫の逝去後に生地である伊東に戻り、息子・娘と生活する中、最近になって病気が判明。これを一つのきっかけにしてキリスト者の看板を掲げる決意をした。残った人生を主に捧げたいという思いを持つ。地元に根付く家の出身でもあり、躊躇もあった。伊東は地元志向が強く、教会もまたその影響を受けているように感じているという。
 最近、教会における葬儀説教集の出版に教会役員として携わった。「120周年記念事業の一環として記念誌が必要」と提言したのは堀江姉だとのこと。「葬儀説教を通して読むと、教会の歴史、そして展望が見えてくる」という視点は、地元出身の信仰者ならではとも言えそうだ。本国が天にあるからこそ、目の前の問題に振り回されることがない。そして地元を愛するからこそ、目の前の問題を蔑ろにしない。
 教会が希望を失わないことによって、地域もまた明るくなるのではないか−。そのように語る堀江姉の凛とした表情は、明るい。

教団新報
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