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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5035号】第43総会期 第四回 常議員会(1面)

2025年7月26日

機構改定、教団総会の規模縮小について協議

 第43総会期第4回常議員会が7月7〜8日、教団会議室にて、開会時常議員30名中29名の出席で開催された。

 書記報告では黒田若雄書記が出版局経営改善会議の立ち上げ、各教区総会への問安使派遣等について報告した後、第43回教団総会での3件の発言について触れた。この発言については第1回常議員会にて指摘され、三役に取り扱いが託されていた。今回は発言録を議場に配布して議論し、再び三役持ち帰りとして第5回常議員会で取り扱うとした。これについて議場からは「教会会議において聖霊を否定する発言にその場で対応できなかったことは悔い改めなければならない」、「総会での発言を後日の常議員会で取り上げるのはフェアではない」等の発言が出た。また「教団として信仰告白理解の公式の基準が存在していない。これを好機に建設的な歩みを始めて欲しい」との意見も出た。兵庫教区議長として陪席していた、発言者の1人である森なお教師が説明を申し出たが、雲然俊美議長は「発言者3人全員の意見を聞くべき」として、公平性の面から許可しなかった。

 総幹事報告では網中彰子総幹事が教会合併・閉鎖の相談件数が増えていること、能登半島地震の被災教会の現状や募金の状況等について報告した。また部落解放センターで起きたアウティング・人権侵害問題について謝罪した。

 教団機構改定検討委員会報告では、目的については43回総会で決議された「全体教会としての一体性」を土台として「将来的に予想される諸教会の教勢および財力低下を見通した教団機構の改定を行うこと」と説明された。その上で教団総会についての検討事項、すなわち全体的に削減に向かうことや議員数の適正規模、推薦議員削減、教規第2条の「各教区は教師、信徒各3名をとり」の条文に対する考え、事務経費について議場に意見を求めた。議場からは「地方の声を届ける仕組みが必要」、「教団総会議員は教区代表ではない」、「沖縄教区不在で決めるべきことではない」等の発言があった。

 信仰職制委員会報告では洗礼式、按手礼、准允式執行の「指針」が提示され田邊由起夫委員長は「『口語式文』、『新しい式文』、『試用版』という出版局から出されている三つの式文の使い方にアドバイスするために提示する」と述べた。特に試用版における洗礼式文の「感謝聖別祈祷」の中には、プロテスタント神学では認めていない「水の聖別」(物素エピクレーシス)の祈りが含まれていることを指摘し、できるだけ早く委員会名で「指針」を出すべきであることを告げた。その上で、今常議員会で諸教会に配布することを承認してほしいと述べた。

 議場からは「教派的伝統によって式文の扱いは異なるので慎重な話し合いが必要」等の意見が出た。雲然議長は「教団がオーソライズしている式文は口語式文のみ。それ以外のものに常議員会がコメントするのはカテゴリーエラー」と述べた。そして洗礼式執行指針については三役が預かり、按手礼・准允式執行指針については常任常議員会に附託することとなった。(米山恭平報)


出版局

事業縮小、業務体勢改編等の取り組みを進める

 一日目の議事終了後、出版局に関する協議会が開催された。飯塚拓也理事が資料を基に現状を報告。冒頭、2024年度決算の貸借対照表において、資産合計2億4014万3217円に対して負債合計が2億5417万2455円となり、1402万9238円の債務超過となったことを告げ、「一刻の猶予もない状況であり、対応が急がれる」と述べた。また、出版局がキリスト教出版業界に与える影響は少なくなく、出版局職員の生活を守る責任も担っていることに触れつつ、「現状のままでは継続は不可能。このような状況になったことを申し訳なく思うが、今年度中の業務縮小を提案し、多くの知恵を集めてよい道を求めたい」と述べた。

 また、網中彰子局長代行からは、事業縮小は約4分の1であること、職員が過重労働の状態で励んでいること、職員にも簡単な状況でないことは伝えていること等の報告があった。

 二日目、24年度出版局事業報告ならびに決算承認に関する件の中で、髙橋潤理事長は、現状に至った一因として、1966年に出来た出版局規定を見直すことなく続けて来たこと、課長会に経営を含めて全てを委ね、理事会は報告を聞いて承認するだけであったこと等を指摘、理事会が管理責任を充分に果たせなかったことを詫びつつ、「今後、諸教会に迷惑をかけずに、縮小しつつ経営改善案を作成して行けるかどうかが問われている」と述べた。

 これらを受けて、「出版局経営改善に関する件」を審議し、危機的状況にある出版局について、「常議員会の責任において、事業縮小、業務態勢改編等の取り組みを進める」ことを決議した。協議の冒頭、雲然俊美議長は、「常議員会の責任」を明確にしたことが重要であることを告げ、「これまで2014年からの赤字を踏まえ2019年から経営改善の取り組みを続けて来たことの背後には職員の努力があったことは忘れてはならない。教団の文書伝道を担う出版業務をどのようにしたら守れるかを検討することが、事業縮小、業務態勢改編の内容」と述べた。また、今後の進め方について、決断を早く行うために、経営改善会議で決定し常議員会に報告をするという形で進めること等を告げた。

(小林信人報)


財務関連

財務関連議案すべて承認

 常議員会二日目、財務関連議案を扱い、24年度決算、24年度第2次補正予算、25年度第2次補正予算、各センター決算、出版局・年金局決算等を承認した。

 予算決算委員会報告の中で宇田真委員長は、24年度、25年度いずれにおいても、部落解放センターの人件費等に充てるための「繰出金」を200万円増額する補正を行ったことを報告した。このことを受けて、人件費は教団会計本体からではなく、センター会計から支出し、教団は必要に応じて補助金を出す形にすべきとの意見があった。

 2024年度決算で、宇田委員長は、「常設委員会費」、「宣教関係費」が、多くの会議がオンラインで行われたことにより予算より大きく下回ったことで、事業活動収支差額は2030万円の差益、経常会計全体では、2241万円の差益となったことを報告した。

 24年度部落解放センター決算で、鈴木祈運営委員長は、活動献金は690万円の予算に対して396万円程だったものの、カナダ合同教会からの600万円等指定献金があったこと、支出において、アウティング問題に対応する第三者委員会調査費等により、「委員会費」が予算を大きく上回ったものの赤字決算とはならず、次年度繰越金546万円となったこと等を報告した。

 年金局決算報告で、中川義幸局長は、24年度も年4回定例給付を行い、退職年金を1回につき704名程に年間合計4億3699万円を給付したこと、給付が掛金を1億3672万円上回ったものの諸献金9600万円と資産運用益7081万円があり、結果、3385万円の差益で終えたことを報告した。

 「伝道資金運用に関する件」では、藤盛勇紀委員長は、例年通りの運用資金規則を提示した上で各教区の負担金(案)を提案、承認した。

 「戦後80年にあたって平和を求める祈り」に関する件では、小堀康彦作成委員長が70年の祈りを参考にしながら話し合いを持ったこと、方針として、全てのキリスト者が祈れる祈りを考え、具体的な戦争・内戦については言及しなかったこと等を報告した。文言を加筆、修正した上で承認した。

(新報編集部報)

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