宣教の業としての教誨師の働き
7月22〜23日、東京山手教会において教団教誨師会総会と研修会が開かれ、全国から31名の教誨師が集いました。開会礼拝の後、株式会社ヒューマンコメディの三宅晶子氏によって「やさしい社会を目指して〜Chance!!が繋ぐ刑務所と社会」と題して、講演が行われました。三宅氏は、少年院や刑務所に収容された人々向けの日本初の求人情報誌を創刊された人です。刑期を終えて社会に出て来ても、就職先や住居が見つからず、また犯罪に手を染めてしまう人が多いことは報道もされています。三宅さんは、『Chance!!』を創刊した思いをこのように記しておられます。「誰かを救いたいとか再犯を減らしたいとか、そんな崇高な理念はありません。目の前の人が二度と再犯しないなんてことも信じていません。そんなことは自分だってわからない。でも、本人が本気で変わりたいと思うなら、いつでも変わることができるということを信じています」。この求人情報誌は、多くの矯正施設に置かれて受刑者に希望を与えています。講演の後の質疑応答では、現実に受刑者と向き合っている教誨師から多くの質問や意見が出され、有意義な研修のときとなりました。
二日目は総会が開かれました。この2年間の教誨師会の活動が全国の多くの教会、団体、個人の祈りと献金によって支えられてきたことを神に感謝し、また、今後2年の活動計画・予算が承認されました。教団教誨師会には85名の教誨師がおり、全国の矯正施設で活動しています。総会に引き続き開かれた教区代表者会では、各教区の教誨の現状が分かち合われ、ベテランも委嘱されたばかりの教誨師も活発に意見交換をすることができました。矯正施設に行く時は一人という場合が多いのですが、教誨師の働きが教師個人の働きではなく、教会の、そして教団の大切な宣教の業の一つであることを改めて確認しました。
(塚本吉興報)