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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5022号】伝道のともしび(6面)

2024年8月24日

同じ恵みによって召された聖徒

大平伝道所・福島伊達教会牧師 白井真

大平伝道所のはじまり

 信徒の友1968年11月号「ここにも教会がある」。大平伝道所が「全部落がクリスチャンというところが福島県にある」と写真入りで紹介されています。

 大平伝道所は1950年(昭和25)、ハワイから一時帰郷した安斎栄一兄が郷里伝道を志し、福島伊達教会に本宮幸四郎牧師を訪問したことから始まりました。安斎兄の郷土愛、そして主イエス・キリストをお伝えしたいと願うその真心は、集落のひとびとの心を動かし「一村ことごとくキリスト者」と呼ばれるほどになったのです。

 安達太良山を見渡す丘の上に、立派な会堂が建てられ、毎週多くの村人が礼拝に集いました。教会学校も開催され、福島伊達教会からは本宮牧師と信徒が毎週応援に出かけました。

会堂喪失からきょうまで

 大平伝道所はその歴史の中で大きな危機を経験しました。それは、信仰者の世代交代が進み、借りていた会堂敷地を返却しなければならなくなったことです。

 会堂を失って長い時が立ちましたが、主なる神さまとの約束は変わりません。熱心な信徒たちが何軒かの自宅を持ち回りで開放し、毎週の礼拝を守りました。現在も毎週土曜日夕方5時より二本松市下長折荒井地区で礼拝をささげています。

 また大平伝道所から、仕事や結婚で他所へ転居する人々もいます。遠く離れていても、同じ約束、同じ希望を大切にしています。

聖徒の交わりを信ず

 いっしょに礼拝を守ってきた兄姉が天に召され、礼拝出席者数は年々少なくなってきました。しかし大平伝道所の信徒が減ったわけではありません。

 「あまつみたみも地にあるものも」と讃美を歌うたびにハッとさせられます。大平伝道所の礼拝で言い表す使徒信条にある「聖徒の交わり」を信じます。今ここにはいない大平伝道所の先輩方と、今ここに集うわたしたちは、同じ恵みによって召された聖徒です。

 かつてある先輩キリスト者から教えられました。「暗いと虫も寄ってこない」。本当にそのとおりです。わたしたちはキリストに従う聖徒たちの最前列に席を与えられていることを、きょうも忘れずにいたいと思います。

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