関東大震災朝鮮人虐殺百年を迎えて
6月19日、教団会議室において、第55回在日大韓基督教会と日本基督教団との宣教協力委員会を、「両教会の宣教課題と宣教協力〜関東大震災朝鮮人虐殺百年を迎えて」のテーマで開催した。
在日大韓基督教会からは、中江洋一総会長、梁栄友副総会長、張慶泰書記、鄭守煥副書記、趙永哲宣教委員長、金迅野教育委員長、金容昭関東地方会長、金柄鎬総幹事が出席した。
日本基督教団からは、雲然俊美議長、藤盛勇紀副議長、黒田若雄書記、岸憲秀宣教委員長、宮本義弘在日韓国朝鮮人連帯特設委員長、大久保正禎牧師(講演者)、網中彰子総幹事、大三島義孝宣教幹事、嶋田恵悟教団新報主筆、星山京子職員が出席した。
雲然議長の説教による開会礼拝の後、出席者紹介、前回記録確認、両教会の近況および課題について報告がなされた。
昼食の後、大久保牧師(西片町教会)より、「関東大震災における朝鮮人虐殺」との主題で、講演がなされた。「朝鮮人の進攻」との流言の広がりと共に、官民が一体となった朝鮮人虐殺が拡大した経過について、丁寧に説明がなされた。そして、この構造は、近年も更に顕著に表れているのではないかと述べられた。
そして、金迅野教育委員長から、応答がなされた。歴史の中に身を置き、もし自分がそこにいたならどうしたのかを考えることが大切ではないかとの問いかけがあった。そして、主イエスの「憐れに思う」との共感が分断を乗り越えていく道ではないかと述べられた。
関東大震災百年を迎えるこの時、「朝鮮人虐殺」を通して、今に繋がっている日本社会の課題、その中における教会の役割について、深く考えさせられる協議の時となった。
最後に、毎年、両教団の議長・総会長名で発表している「平和メッセージ」を作成し、中江総会長の説教による閉会礼拝をもって、宣教協力委員会を終了した。
(黒田若雄報)