中部教区の助言(たすけあい)伝道
中部教区議長
田口博之
中部教区の特色に教区内互助・助合伝道がある。1953年度第3回中部教区総会で「教会互助献金運動」が決議されて以来、70年の歴史を重ねてきた。2023年度の助合伝道会計の予算は約2300万円。財源は、教会による助合伝道献金、教師による献金(教師互助会費より60%繰入)、信徒による互助制度を支える自主献金である。教団伝道資金もこの会計で運用している。伝道の困難な教会・伝道所を、教区全体で祈り支え合ってきた。
助合伝道会計の援助科目には、謝儀援助、伝道費援助、教師退職一時金積立援助、赴任費援助、聖礼典執行援助がある。これらは第2種教会・伝道所の申請により、主に各地区会長と財務委員長で組織する互助委員会で援助案を作成している。また経常収入600万円未満の教会が申請する個別の伝道活動に対する伝道活動援助費があり、こちらは伝道部で扱っている。
昨年度『中部教区史資料集(八)』を刊行した。巻頭言を記すにあたり既刊の資料集に目を通したが、中部教区が互助・助合伝道と共に歩んできたことを改めて知らされた。1970年度の教区総会に上程された宣教基本方針(案)は、多様な宣教理解のもと決議にはいたらなかった。翌年の総会で廃案となったが、互助だけは進めていくことになった。当時の状況を記した資料集の中に、「中部教区常置委員会は、『信仰告白』を基盤に教憲教規に準拠するという基本線を堅持し」と記した歴代議長の一文もある。
申請する教会は増え続けているが、今の規模の会計を維持していくのは難しく、大胆な改革が必要となる。そこで問われるのは、教会の伝統や主義主張や目先の解決策ではない。日本基督教団の教会としての最低限の一致である。
(中部教区議長)