ものみの塔冊子協会(エホバの証人)において信者への「輸血拒否」や「子どもを鞭で打つ」などの児童虐待を容認する指導があった疑いについて、現在、話題になっています。
これらの指導が「聖書を根拠にして行われた」という報道が一部見られますが、広く一般的なキリスト教会で「聖書が人命や人格を蔑ろにする指導を支持している」という読み方はされません。
確かに、聖書の記述の一部を恣意的に抜き出せば、人命や人格を蔑ろにする指導ができてしまいます。しかし、聖書全体は、互いの人命や人格を大切にするよう求めており、一部の記述を恣意的に利用して、虐待を容認し、人権をないがしろにした指導をしたのであれば、それは聖書の誤用であり、批判されるべきものです。
児童虐待の容認や輸血拒否の指導をする根拠を、聖書の記述に見出すことは、キリスト教会では支持されない読み方であり、聖書全体の意図するところでもありません。
報道機関にあっては、児童虐待や輸血拒否の指導が「聖書を根拠にして行われた」と発表する際には、それが聖書学的にも、キリスト教会でも、まったく支持されない読み方で行われているということを、合わせてお知らせいただけるよう求めます。
私たちキリスト教会もまた、聖書の記述を理由にした虐待の容認や医療拒否の事例が発見された際には、その人権侵害を深刻に受け止め、責任を持って問題に対応し、被害を防ぐ努力をしていきます。
2023年3月24日
カルト問題キリスト教連絡会