目が開かれて
内堀 怜子さん
内堀さんは、昨年のクリスマスで受洗40年を迎えた。洗礼のきっかけとなった一つの大きな出来事に、父の死と義父の死があった。深い悲しみを経験され、教会に導かれたと言う。受洗後すぐ、夫の仕事の関係でニューヨークへと転居。不安を抱えつつも、住まいのすぐ近く、丘の下にあった教会に通い始めると、主にある良き交わりが与えられた。小さな村であったが世界中の人たちが集まる地域であり、大学時代の知人やニューヨークの教会で初めて日本人司祭となった秋吉光雄先生とも親しい交わりを育むことができた。「神様につながっていると、世界中どこにいても一つにつながれる」。信仰の交わりがこの世界に確かにあることを実感する、目が開かれた出来事だった。
帰国後、西東京教区常置委員の召しに導かれる。この出来事も、様々な教会、牧師、信徒の方々と出会うきっかけとなった。身近な所だけでなく目を向けるべき所がたくさんあることに気付かされ、隠退教師たちの住まいである「にじのいえ信愛荘」にも深く関わる奉仕をされた。運営は献金により支えられているが、まだまだこの働きが知られていない現状を思い、情報の発信や訪問、奉仕活動。またチャリティコンサートは発足後、十数年を数えるほどになった。
昨年末、脳梗塞を患い自らも死という大きな現実を突き付けられる。多くの方々の祈りと支えにより退院後、現在はリハビリを続けながら日々を大切に過ごされている。多くの機能が残されたことに感謝するとともに、これまで突っ走って来た人生。「ここでもう一度新たな歩みをしなさい」、そう神様から語りかけられている気がしたと言う。信仰の目を開かれて、今日も神様とつながる幸いに姉妹は生きている。