7月1〜2日、教団教誨師会研修会・教区代表者会が、日本におけるキリスト教教誨の始まりである北海道において開催された。
また、今回は、矯正施設等見学のフィールドワークも含めたプログラムとなった。
一日目は、札幌教会を会場に、記念講演と教区代表者会を行った。講演は、釧路キリスト福音館牧師・釧路刑務所教誨師の山形浩之氏に「日本に おける教誨師の始まり」と題して講演してもらった。中でも、日本におけるキリスト教教誨の創始者ともいえる釧路集治館初代教誨師、原胤昭にスポットを当て、その信仰と教誨師としての働きを学ぶ良き機会となった。樺戸集治館第三代典獄(当時の刑務所長)であった大井上輝前がキリスト者で、「宗教教誨にはキリスト教が必要である」との思いから、原胤昭はじめ、留岡幸助などの牧師を宗教教誨に充てたのであるが、やがて権力者たちの圧力もありキリスト教は排除されてしまった。その歴史も影響してからなのか、現在、日本基督教団の教誨師が北海道にいないことは残念である。
一日目の講演を受けて、二日目は、月形刑務所と月形樺戸博物館を見学した。月形町は町をあげて、大井上が行った樺戸集治館での業績(硫黄山採掘と空知炭鉱を始め、囚人たちの死につながる重労働の廃止)を今でも伝え、月形樺戸博物館は町の重要な観光名所となっている。月形刑務所においても、このキリスト教教誨の歴史を大切にしてくれていると感じた。キリスト教の影響の大きさを知ると同時に、現在も教誨におけるキリスト教へのニーズは高いにもかかわらず、教誨師が少ない現実の問題点も感じた。
主なる神から与えられたいのちの大切さと、悔い改めの心、そして永遠のいのちに生きる歩みというキリスト教教誨の大切さを改めて感じる研修の時であった。(加藤幹夫報)